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【全年齢版】異世界イチャラブ冒険譚  作者: りっち
7章 家族みんなで冒険譚1 いつもと違うメンバーで
476/637

476 騎乗

「それじゃ早速出発しよう……と言いたいところだけど、その前に少し準備が必要みたいだね」



 これからアウターの調査に向かうというのに、自分は戦えないからと装備品を一切纏っていないらしいキュールさん。


 俺達が万が一も起こさせないけど、慢心や油断は排除するべきだよな。



 朝食を済ませた俺達は、食事の後片付けやお弁当を作ったりしながらキュールさんの分の装備品を見繕う。


 そして装備一式を揃えたキュールさんにひと言断って、彼女の事を鑑定してみる。




 キュール

 女 28歳 魔人族 魔技解放 商人LV30

 硬木のスタッフ 硬皮のバックラー 革の帽子 

 ハードレザージャケット 革のグローブ 革の靴




 硬木のスタッフは金属製のメイスと比べて軽くて、戦闘経験の無いキュールさんでも取り回しの楽な打撃武器だ。


 武器を扱ったことが無いというキュールさんに刃物を持たせるのは危険ということで、軽い打撃武器を持ってもらうことにした。



 ちなみにスタッフ系の武器は本来、前線に出ない後衛の魔法使い職に愛用される武器である。



 用心の為に一応装備は整えさせてもらったけど……。


 戦闘職が一切浸透しておらず、今現在も商人であるキュールさんには絶対戦わせられないなぁ。



「キュールさんの商人は既に浸透してるみたいだから、少しでも体力をつけてもらうために旅人に転職してから出発しようか。持久力補正とインベントリはあって困るものじゃないしね」


「浸透を目視で確認できる能力とはねぇ……。ここにはさっき到着したばかりだっていうのに、何から何まで驚かされて参っちゃうなぁ……」



 驚いたのはこっちだっての。


 キュールさんってば28歳……俺よりも年上なのに、まさか商人しか上げてないなんてさぁ。



 でも、職業浸透は進んでいないのに魔技は解放されているようだった。


 魔技の解放条件って、一定の経験値を取得することじゃないんだろうか? ヴァルゴたちといいキュールさんといい、魔技の解放条件が良く分からないなぁ。



「本来なら装備品の貸し出しにも転職にもお金を払ってもらうところだけど、今回の同行はこっちから提案したものだからね。その辺は必要経費ってことでこっちが出すよ」


「ありがとう。ここはご厚意に甘えさせていただくよ」



 キュールさんの装備を整えたら旅人ギルドに向かって、早速旅人に転職してもらう。


 キュールさんも遠慮なく俺達のお金で転職してくれるので、とてもスムーズに準備が整った。



「本当に目利きスキルも失われていない……。これからスペルド王国の職業事情は一変していくだろうねぇ」


「今までが非効率的過ぎただけで、俺はそれを少し是正したに過ぎないけどね」



 転職を終えて戻ってきたキュールさんを鑑定し、間違いなく旅人に転職してあることを確認する。



 キュールさんってヴェルモート帝国の皇帝と親密だったり、メナスの研究に参加したりしていたはずなのに、職業浸透に関する知識は無いようだ。


 レガリアの構成員にとっても職業浸透の知識って機密扱いだったのかな?



「それじゃ行こうか。まずは聖域の樹海の玄関口であるアルフェッカに向かうよ」



 余計な事を考えるのは後にしよう。


 どうせディロームの里に到着するまでは暇なはずだ。



 キュールさんにチャールとシーズのパーティに加入してもらい、俺のポータルでアルフェッカに転移した。





「ここが新しいアルフェッカかい。出来たばかりとは思えないほど賑ってるねぇ」



 転移先の活気に触れたキュールさんが、うんうんと楽しげに頷いている。



 アルフェッカはどんどん賑やかになっていて、もうアッチンよりも栄えているんじゃないかと思う規模まで成長している。


 シュパイン商会を通して販売されるウェポンスキル付きの武器が今のところアルフェッカで売り出されていないために、王国中から魔物狩りが押し寄せてきているのだ。



 将来的には王国中に流通させたいところだけれど、今のところは守人が作った武器にうちの家族が適当にスキルを付与して流している形なので、あまり大量に生産できないんだよねぇ。


 一般の魔物狩りに付与術士が増えてきてくれるまでは、充分な量のウェポンスキルを流通させるのは難しいかもしれない。



「やっぱポータルは便利だよなぁ。これさえありゃあ世界中どこにだって行けちまうんだからさぁ……」



 初めて訪れたアルフェッカの賑わいよりも、ポータルの利便性に感動している様子のシーズ。


 世界中を旅してみたいと言っていたシーズらしい感想だね。



「でもよダン、なんでここに寄ったんだ?」


「ん? 何でって?」


「ダンなら直接侵食の森……じゃなかった、聖域の樹海に転移することもできたんじゃねぇの? アルフェッカに寄る必要あったのか?」


「……改めて聞かれると困るんだけど、なんとなく街をスルーしてアウターに入るのに抵抗があったんだよ」



 シーズに指摘されるまで気付かなかったけど、確かに直接聖域の樹海の入り口に転移したってよかった。マグエルで出発の準備は整えてきたわけだし。


 それでも自然にアルフェッカを経由する気になったのは、もしかしたらゲーム的な考え方のせいだったのかもしれない。



「アウターの最寄りの街に寄らずにアウターの攻略を始めるのって気持ち悪くってさ。自然と足が向いたんだ」


「なんだそりゃ? 特別な理由は無かったのか? ま、俺としちゃあ初めての街に寄ってくれるのは嬉しいけどなっ」



 シーズは若干呆れながらも、ご機嫌な様子で街を見渡している。



 俺達にとっては既に転移フラグを立ててあるけど、シーズやキュールさんにはポータル転移フラグが立ってないからね。


 なんとなく転移魔法のフラグを立てずにアウターに入るのは、セーブポイントをスルーしてダンジョンに向かうような気持ち悪さがあったんだ。



「ちなみにアルフェッカって名前は、スペルド王国の前にあった大きな街? に肖って名付けられた名前なんだ。2人が王国の歴史を遡るならアルフェッカの名前は覚えておくといいと思う」


「王国が出来る前の街の名前かぁ。なんだか不思議な感じがするねー」


「ふむ、流石に偶然名付けたわけじゃなかったようだね。ガルクーザが出現する前の賑わいを取り戻すといったところか。面白いよ」



 キョロキョロと街の様子を窺うチャールと、ふむふむと小さく頷いてるキュールさん。


 これで無事に全員がポータルの転移フラグを成立させたので、再度ポータルを使用して聖域の樹海に転移した。





「うわわっ……? な、何とも不気味な雰囲気だねぇ……?」



 転移した俺達の目の前には陰鬱とした雰囲気の森型アウター、『聖域の樹海』が広がっている。



 初めて聖域の樹海を目にした3人、キュールさんとチャールとシーズが息を飲んでいる。


 でも3人が雰囲気に慣れるのを悠長に待つ気は無いんだよ? どうせ数日間は篭る事になるんだから。



「キュールさんは1人で、チャールとシーズは2人一緒にコイツに乗ってね。造魔召喚!」



 造魔でマーダーグリズリーとアーマーリザードを呼び出し、熊のほうにチャールとシーズを相乗りさせて、アルマジロの方にキュールさんをあてがう。



 ついでにナイトウルフをフラッタに送り出すと、よいしょっと言いながら普通にナイトウルフの上に乗ってしまうフラッタ。超可愛い。


 あまりの可愛さにニーナが蹲って震えてしまうくらい可愛いんだよ?



「ここから先が聖域の樹海、王国での通称は侵食の森だね。ここは本当に異質なアウターでさ、他のアウターみたいにアウター内外を隔てる魔力壁が無いんだよ」


「ア、アウター以上にダンのほうが異質じゃない……? なんでサラッと魔物を呼び出しちゃってるわけぇ……?」


「ま、まさか魔物に乗って移動する事になるなんてなぁ……。人生って分かんねぇわ……」



 俺の解説を丸っとスルーし、造魔召喚の方に意識を割かれるチャールとシーズ。


 ええい2人とも。今は聖域の樹海の調査に来ているんだから、目の前のアウターにもっと興味を向けてくれないと困るじゃないか。



「……改めて考えると本当におかしい場所だね。アウターが広がるなんて話はここでしか聞いたことが無いし、アウターを隔てる境界線が無いなんて考えられないはずなのに……」



 一方のキュールさんは、乗り心地の悪そうなアーマーリザードに跨りながら考え込んでいる。


 乗り心地の悪いアーマーリザードの上では考え事も捗らなそうだ。早いところ別の魔物を用意してあげないとなぁ。



「まずは魔物を殲滅しながら守人の集落に向かうよ。ヴァルゴ、道案内お願い」


「畏まりました。と言ってもムーリたちもサーチが使えるのですから、私の案内は必要ないかもしれませんけどね」


「マーダーグリズリーが出たら使役するから俺に回して。キュールさんは考え事してても良いけど落とされないようにしてね?」


「はは……。ここで振り落とされて逸れでもしたら一巻の終わりだからね……。肝に銘じておくよ」



 最後にキュールさんに釘を刺して、聖域の樹海の攻略を開始した。



 聖域の樹海は屋外型アウターなのになぜか真っ暗闇の森で、探索魔法トーチで視界を確保しなければまともに戦うのも難しい。


 長年この森で生きてきた守人たちは夜目が利くようになってはいるらしいけれど、そんな彼らでも灯り無しには満足に移動することもままならない危険な場所だ。



 そんな危険な領域を、まるで無双系ゲームのように魔物を薙ぎ倒して進んでいくムーリたち5人。


 やっている事は完全に無双ゲーなのに、本人たちのビジュアルが良すぎて可憐に見えるから困るんだよ?



「ダンさーん。マーダーグリズリーが出ましたよーっ」


「サンキューエマ。『縛鎖の呪言。制約の檻。幾千束ねし干渉の糸。ここに支配の剣を掲げ、神魂繋ぎて権利を剥がせ。奴隷契約』」



 マーダーグリズリーが出る度に従属魔法で使役していき、キュールさんもモフモフの背中に移動できて少し負担が軽くなったようだ。


 更に2頭、ニーナ、俺、リーチェの3人で乗る用と、ティムル、ヴァルゴの2人が騎乗するマーダーグリズリーを使役した。



 前方のニーナに抱きつくのは楽しいし、背中越しに抱き付いてくるリーチェの感触も楽しい。


 非戦闘員であるキュールさんにとってはマーダーグリズリーの騎乗はかなり辛かったようだけれど、それでも少しずつ浸透が進む旅人の持久力補正のおかげで何とか振り落とされることなく移動出来ている。



「使役した魔物を使った運送業を立ち上げても良かったんだけどさぁ。造魔スキルを公にすると問題しかなそうだったからね。自重する事にしたんだよ」


「そ、それは止めて正解なのじゃ。王国中を魔物が走り回るなど光景ど、考えるだけでも気が滅入りそうなのじゃぁ……」



 ……楽しそうにナイトウルフを乗り回しているフラッタが言っても説得力が無いんだよ?


 でもフラッタの言っている事は良く分かる。これがこの世界の魔物に対する一般認識なのだ。



「こんな風に、フラッタくらいの実力者でも魔物に対する嫌悪感は強いみたいだからね。アルフェッカから聖域の樹海に移動するための魔物馬車なんかもそれで諦めたんだよ。性能的には馬よりいいんだけどさ」



 この世界にも地球のと変わらないような馬が生きているんだけど、戦闘能力の無い馬は野生では生きられない。なので国で管理して飼育しているらしい。



 都市間の移動では徒歩か移動魔法が一般的で、行商でもしない限り馬の出番の無いこの世界。


 馬車は行商以外では都市内の徒歩移動の代わりとして、分かりやすく言うとバスっぽい扱いをされている。



「荷物さえ無ければ一般の人でも移動魔法を利用する場合が多いわねぇ。ただ10日もかからない程度の距離だと銀貨10枚をケチる人も少なくないわ。魔物狩りが出来ないと銀貨10枚稼ぐのってまぁまぁ大変だから」


「んっと、私は直ぐにダンと一緒になったから良く分かってない部分も多いんだけど……」



 ティムルの言葉に、ニーナが腕を組んで考え込む。


 世間から隔絶されて生きてきたニーナは、異世界から来訪してきた俺と同じくらいに金銭感覚に疎いのだ。



「一般的な年収が10~15万リーフって事は、月収にすると1万リーフ前後ってことになるよね? すると日給は500リーフにも満たないわけだから、たった1000リーフでも節約したくなっちゃうのかもしれないの……」


「え? でも国中に魔物も出るし、野盗だって徘徊しているわけですよね? 2日程度で取り返せる程度の金額でしたら安全の方を優先すべきではないんですか?」


「あー、それは余裕がある人間の考え方なのよヴァルゴ。お金が無くて困窮している人ほど小金を惜しんで安全性を軽視するものなの。自分は大丈夫だろうって、根拠も無いのに確信しているのよねぇ」



 ヴァルゴの素直な問いかけに、ため息交じりに答えるティムル。


 商人時代は色々なものを見てきたんだろうなぁ。余裕が無い人ほど他人の足を引っ張りたがるところがあったりするから。



 あ~、そう言えばティムルは、余裕があるはずの人にも常時足を引っ張られてましたね……。



「ダンたちが闘えるのは分かってたけど……。シスタームーリもアウラもこんなに戦えるの……?」


「シスタームーリもアウラも、武器を握ってまだそんなに経ってないんじゃなかったのか……? う、動きが目で追えないんだけど……」



 仕合わせの暴君が雑談を楽しんでいると、チャールたちゲストメンバーが戦闘メンバーの戦いっぷりに舌を巻いていた。


 最近になって戦い方を習い始めた2人だからこそ、ムーリやアウラの戦闘力に驚きを覚えているようだ。



「ふぅん……。アウラの動きにはなんの問題も見られないね。だけどどうしてだ……? 確かアウラの完成にはあと100年は必要とされていたはずなのに……」



 キュールさんが微妙に気になる事を言っているけど、気になるからこそ落ち着いた状態で聞きたい情報だな。


 今はムーリたちの戦いっぷりに慄いている2人に声をかけておこう。



「ムーリもアウラも既にアウターの最深部での戦いを経験してるからね。ターニアは魔物狩りとしてのキャリアも長いし、ラトリアとエマに至っては王国最強だから。チャールとシーズとはちょっと比べられないかな」


「あはっ。武器を握って数ヶ月でアウターの最深部に到達したって聞くと、ムーリが物凄い天才みたいに聞こえちゃうけどさぁ……?」



 背後のリーチェがむぎゅーっとおっぱいを押し付けながら、からかうように言ってくる。


 背中に押し付けられる特大のボリューム感と、耳元で囁かれるリーチェの吐息が気持ちいい……。



「誰のサポートも無い状態からスタートして、約半年で自力でスポットの最深部に辿り付いてしまったダンとニーナのほうがよっぽどだよねー?」


「俺を他の人と同じに語るのはダメだと思うけどね。割と早い段階でニーナとティムルと出会えて、フラッタとリーチェに手解きを受けることが出来たのはかなり大きかったと思ってるよ」



 背後のリーチェにありがとうのキスを贈って、戦闘メンバーを見守った。



 大人組全員が近接戦闘の達人で、アウラは才能だけならこの世界で断トツの存在だ。


 ムーリからも子供達のために強くあろうという覚悟がヒシヒシと伝わってくるし、足りない近接戦闘技術を補う為に攻撃魔法を習得している為に死角が無い。


 しかもこのメンバー内で唯一の治療魔法使いのため、ムーリもまたこのメンバーに欠かせない存在の1人なのだ。



「母上たち5人なら、個体にもよるじゃろうが既にイントルーダーを相手取れると思うのじゃ。ただミスリル武器だとイントルーダーに攻撃を通すのは厳しいかのぅ?」


「攻撃魔法にしても、イントルーダーに効果があるのはインパクトノヴァか聖属性魔法くらいだからね。この5人でイントルーダーを相手取るには細かい部分でまだ少し不安かもしれないな」



 5人の実力に太鼓判を押しながらも、装備面での不安を口にするフラッタと、職業浸透も少し不足していると指摘するリーチェ。


 アウターエフェクト程度ならもう瞬殺してしまいそうだけど、イントルーダーは別格だからなぁ。



「……今にして思えば、私達が竜王を倒せたのってかなり運も良かったわよねぇ。災厄のデーモンスピアが無かったら間違いなく詰んでたし、始めはインパクトノヴァですら流されちゃってたし……」



 竜王戦で特に無力感を味わったティムルが、当時を振り返ってしんみりしている。


 あの頃の俺達ですら限界ギリギリで運要素に頼る部分も大きかったのだから、ラトリアたちにイントルーダーの相手をさせるのはまだ厳しいね。



 ラトリアの重銀武器はイントルーダー戦でも通じるはずだけれど、他の4人の攻撃はほぼ通らないはずだ。


 しかも治療魔法の使い手がムーリしかいないのは、イントルーダー戦ではかなりの不安要素と言えるだろう。



 雑談する仕合わせの暴君メンバーを見て、戦闘メンバーたちも戦闘の合間に雑談しているようだ。



「ダンさんたち、完全にまったりモードになってますね。私達も少しはダンさんに信用してもらえてるんでしょうか?」


「あはは。流石にダンさんじゃなくてもこんな浅い場所で心配なんかされないってば。それにムーリちゃんは自分で思ってるよりずっと強く立派になってるんだから、もっともっと自信持っていいのっ」



 いやいやムーリさんや。戦闘しながらそんなことを疑問に思える時点で心配する要素が無いんだよ?


 ターニアの言う通り、その立派に育ったおっぱいと同じくらいムーリは立派に成長してくれたんだよ。だからもっと自信持っていいんだ。



 ムーリの成長とおっぱいの揺れを目に焼き付けながら、ニーナとリーチェに挟まれた状態でマーダーグリズリーに揺られること約半日。


 なんとか日没を向かえる前に、俺達はディロームの集落に到着することが出来たのだった。

※こっそり設定公開


 恐らく本編で語られる機会がないであろう魔人族の魔技の発現条件は、強い集中状態を一定時間、一定回数維持することです。その時に集中していた対象によって魔技の効果に個人差が現れるようになります。

 他種族の種族特性に憧れる者は魔竜化や魔獣化を発現し、これが一族の秘技だと紹介されれば一族で同じ系統の魔技を発現するようになります。ヴァルゴの魔迅はディロームの里に伝わる魔技であり、研究に没頭したキュールはかなり個性的で珍しい魔技を発現しています。


 高い集中力を持って習得する魔技は、基本的に1人につき1種類しか習得出来ない能力ですが、魔人族の専用職業である魔祷士の職業スキル『魔技使用制限緩和』によって、ヴァルゴは魔技の使用と習得に他の魔人族とは比べ物にならないほどの自由度を得ています。

 槍を極めることで得られた高い集中力と魔祷士の職業スキルによって、ヴァルゴの魔技は他の魔人族とは比べ物にならないほどの可能性を秘めた能力へと進化したのでした。

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