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【全年齢版】異世界イチャラブ冒険譚  作者: りっち
7章 家族みんなで冒険譚1 いつもと違うメンバーで
474/637

474 来客

※R18シーンに該当する表現を若干カットしております。

「待たせちゃってごめんね。それじゃ始めよっか」



 傾国の姫君の3人と双竜の顎の2人を徹底的に貪った後、ようやく落ち着いた俺は仕合わせの暴君メンバーに向き直った。



 これから更にこの5人と愛し合えるなんて最高すぎる。


 ムーリたちのおかげで1度は鎮まった興奮に、また直ぐ火が着いたのが分かった。



「始めはいつも通りニーナからでいい? それともなにかリクエストはあるかな?」


「それなんだけど……。ねぇダン。私達の事は全員一緒に相手してくれないかなぁ?」


「全員一緒に?」



 ニーナからの予想外の提案に戸惑ってしまう。


 今までも全員一緒に相手することも1人1人愛することも、はたまた色んな組み合わせで楽しむことだって何度もあったけど、それでも全員を相手する前に形式を変えた事は無かった気がする。



「俺は全然構わないけど、でも珍しいね? このまま1人ずつ愛し合う流れかと思ってたよ?」


「うん、ダンがムーリたちを愛してくれている間にみんなと話したんだけどね。今日はみんなと一緒にゆっくりダンと過ごしたいなぁって思ったの」


「今日のダンは凄く興奮してくれてるから、そのまま受け入れても良かったんだけどね。多分直ぐに意識を飛ばされちゃうのが勿体無くなっちゃったのよ」



 穏やかな笑顔を浮かべたニーナとティムルが俺に寄り添ってくる。


 そして2人で俺の腕の中に収まりながら、優しい声で説明してくれる。



「ムーリたちを激しく愛したんだから、私達とはゆっくり過ごしましょ? 最近はいつも気絶させられちゃってたからたまには、ね?」


「勿論ダンが思いっ切り私達を貪るように求めてくれるなら、それはそれで良いの。でもダンさえ良ければ、今日はみんな意識を保ったままで愛し合いたいなって思ったんだ」



 ふむ。確かにアウラを迎え入れてから、色々な意味でちょっとやりすぎてしまっていたかもしれない。


 みんなを気絶するくらいに愛して、気絶した後も愛して、それはそれでお互い喜んでいたんだけど、少しコミュニケーション不足だった気がしないでもないなぁ。



 最近はみんなの最高の体ばっかり求めすぎちゃってたな……。


 今日はみんなとゆっくり雑談でもしながら、穏やかに愛し合うのも悪くない。



 みんなの体だけじゃなくって、心だって愛したいんだ俺は。



「了解だよーっ。みんな大好きーっ!」



 みんなをベッドに迎えて、代わる代わる抱きしめたりキスをしたり、とにかく触れ合うことを重視して肌を重ねる。


 他愛の無い会話とみんなの笑顔に包まれて、幸福感が溢れて止まらない。



「あはは。ごめんねダン。なるべくダンの事を甘やかしてあげたいなって思うんだけど、ダンのこそが大好きすぎてどうしてもいつも抱いて欲しくなっちゃうのっ」


「ニーナがなにを謝ってるのか全然分かんないよー? 俺がニーナを愛したくなるのは、ニーナがこんなに可愛いからだよーっ」


「あははっ。くすぐったいの~っ」



 ぎゅっと抱きしめて頬ずりすると、耳元にニーナの笑い声が届けられる。


 んーニーナ可愛いよぉ。すりすり。ぎゅーっ。



「あはーっ。2人とも可愛すぎるでしょー? お姉さんも混ぜて混ぜてーっ」


「大歓迎だよ、ティムルもおいでおいでー。でも俺よりもお姉さんのほうが絶対に可愛いからねー? このこのっ」



 俺とニーナを一緒に抱きしめてきたティムルの両頬に手を当てて、お姉さんのほっぺをむにむにと揉んで遊ぶ。



「あっははは。やったわねーっ?」



 直ぐにティムルも俺の頬に手を伸ばしてきて、2人でお互いのほっぺをむにゅむにゅと揉み合って、出来上がった顔に笑い合う。



「妾もっ! 妾も混ぜて欲しいのじゃーっ! 仲間ハズレは嫌なのじゃーっ!」


「可愛いフラッタを仲間ハズレになんてするはずないでしょ? フラッタの位置はここだよ。ニーナお姉ちゃんと一緒にぎゅーっとしてあげるからね」


「おいでーフラッタっ。ダンと一緒によしよしなでなでしてあげるのっ」



 俺とニーナの間に挟まったフラッタを、2人でよしよしなでなでぎゅーっの刑に処してあげる。



「んふー……。ダンもニーナも大好きなのじゃぁ……」



 挟まれたフラッタは気持ち良さそうに目を瞑って息を吐いている。


 可愛すぎる罪で逮捕だよフラッタ。俺達の家族に終身刑だからねー?



「えっと、ぼくも混ざり多いんだけど……。ぼくはどこに収まればいいのかなぁ?」


「ティムルの隣りにおいで。お姉さんと一緒に抱きしめてあげるから」


「色々大きすぎる貴女が収まれるスペースなんて無いわよっ。だからドワーフの力でむぎゅーっとしちゃうんだからっ」



 ティムルと一緒にリーチェを抱きしめてやると、リーチェは俺達の間でモゾモゾと動いてティムルにぎゅっと抱きついた。



「あー……。なんかみんなと会う前のこと、覚えてるけど思い出せなくなってきたよぅ……」



 リーチェ。お前エルフの癖にティムルのこと好きすぎだからな? ティムルもリーチェのことが大好きで仕方ないみたいだけど。


 下手すると、俺よりお互いのこと好きだろお前ら。



「わっ、私も混ぜていただきたいんですけどっ……! わ、私はいったいどこに入れば……!?」


「細かいこと気にするなって。槍は槍らしく、無理矢理にでも割って入ってきな。受け止めてやるからさ」


「ででっではみんな、ちょっとだけ失礼しますねっ。えーいっ」



 隙間なくお団子になっている俺達に突撃してきたヴァルゴは、みんなの体を掻き分けて俺に背後からぎゅっと抱きついてきた。


 ゴールに到着したご褒美に、背後のヴァルゴと唇を重ねる。



「んはぁ……。まさか自分がこんなに誰かを想う事になるなんて、夢にも思ったことがなかったですよぉ……。槍と共に生きると誓ったのにぃ……」


「槍とも俺とも一緒に生きればいいだけだよ。どっちかなんて選ばなくていい。どっちも掴んで離さなきゃいいんだよ。ちゅっ」



 みんなを何度も抱きしめて、何度もキスをしてほっぺをつついたり脇腹をこちょこちょしたりして、朝まで笑いながら大好きなみんなと一緒の時間を過ごした。


 エロエロでドロドロの時間も捨てがたいけれど、みんな笑ってるこの時間が愛おしい。きっとこの時間こそが俺が目指すべき場所に違いない。



 途中でエロエロードやドロドロードに寄り道しまくっちゃうのはご愛嬌? なんてね。






「あれ? ダン、家の外に誰か居るみたいだよ?」



 明るくなっても甘々のお団子モードを楽しんでいた俺は、リーチェの言葉を聞いて生体察知を発動した。


 ふむ? どうやら我が家の前に3人ほど人が立っているようだ。



 こんな朝から誰だろう? 教会のみんなが朝に尋ねてくる用事は無いと思うけどなぁ?



「俺が確認してくるよ。チャールとシーズもそろそろ起きてくるだろうし、名残惜しいけど終わりにしようか。でもまた絶対やろうねっ」



 1人1人ぎゅーっと抱きしめながら軽いおはようのキスをして、身支度を整え寝室を出る。



 今朝はおはようのちゅーも軽めだったので、いつもと比べてまだかなり早い時間帯だ。


 おかげでまだチャールとシーズも起きてきていないので、無人の我が家を通り抜けて玄関の扉を開ける。



「はいはーいどちらさ……」


「うわぁ!? び、びっくりしたぁ……!」



 扉を開けた瞬間、玄関先に悲鳴があがる。


 どうやらお客さんは女性のようだけど、一体なんで驚いて……って。



「どっ、どうして私達がここにいるって分かったんだい……!? まだ声をかけた覚えは無いんだけど……」


「……いや、確かに帝国への招待とは関係無く来るかもしれないとは思ったけどさぁ。いくらなんでも即日過ぎるよキュールさん……」



 玄関先には歴史学者である魔人族のキュールさんと、王城で見た覚えのある王国騎士団員らしき男が2名ほど立っていた。案内兼護衛かな?


 未だ戸惑っているキュールさんに代わって、護衛の1人が説明をしてくれる。



「早朝から押しかけてしまって申し訳ありません。本日は宰相ゴブトゴの命により訪問させていただきました」


「あー……。キュールさんが来たらうちで引き取れって言ってたっけ。で本当に押しかけてきちゃったから有限実行したわけね」


「話が早くて助かります。それにキュール様自身にも、早く案内して欲しいと大変急かされてしまったものでして……」



 申し訳なさそうに頭を下げる案内の男性。


 いやぁ、今回キュールさんが出向くきっかけを作っちゃったのは俺達なんだから、そんなに恐縮しないで欲しいな。



「うちでキュールさんを引き取ること自体はいいんだけどさ、一応キュールさんってヴェルモート帝国からの賓客扱いでしょ? その辺についてゴブトゴさんはなにか言ってなかったかな?」


「ゴブトゴ様からは特に何も。キュール様の安全確保はしなければいけないと思いますが、キュール様の要望を全て叶えて欲しいとか、そのようなことは一切伺っておりませんね」


「今回私が来たのは完全にプライベート扱いだからね。賓客扱いなんてせずに普通の客として接してくれたまえよ」



 案内の人とキュールさんの訪問について確認しあっていると、ようやく立ち直ったキュールさん本人が会話に割り込んできた。



「プライベート? プライベートで国境を越えて、しかも城の厄介になってたわけ?」


「スペルディア王城でご厄介になった点については容赦してもらいたいね。私とダンさんたちとのやり取りは宰相殿を通じて行われる決まりだったのだから」



 ああ、そう言えば帝国と俺達の連絡は常にゴブトゴさんを通すように決めてあったんだっけか。



 下手な対応をして国際問題にでもなったら嫌だなぁって思ってたんだけど、プライベートで会いにきたと豪語する相手に国際問題も何も無いな。


 キュールさんについては、今後は城を通さなくてもいいことにしようかな?



「プライベート扱いだからさっさと俺達に引き取って欲しいってわけね。まぁうちには離れもあるし、泊まっていってもらう分には問題ないよ」


「ほうっ、ダンさんのお宅に泊めていただけるのかい? それは助かるね。一応滞在費は用意してきたけれど、私は正直お金の管理が杜撰でね。長期滞在は少し不安だったんだよ」



 なにをサラッと長期滞在とか言ってくれちゃってるわけぇ? ちゃんと帰るんだろうなこの人?


 ただ、ある程度の期間は滞在してもらった方がチャールたちも喜びそうではあるか。



 とにかくキュールさんが来た経緯は分かった。


 プライベートで来たと言い張るなら、これ以上お城に迷惑をかけるのは偲びないな。



 キュールさんが会話に割り込んできてから静かに会話の終了を待ってくれている、案内の兵士さんに声をかける。



「キュールさんの滞在中のお世話はこっちで引き受けるってゴブトゴさんに伝えて欲しい。何か問題があればすぐに知らせるからって」


「畏まりました。必ずお伝え致します。それでは私達はこれにて。ダン様、キュール様、失礼致します」



 案内の2人は簡潔に挨拶を済ませ、さっさとスペルディアに帰還していった。


 賓客じゃなくてプライベートで来た相手を護衛するのは王国騎士団の仕事じゃない、とか思っていたのかもしれない。



 さてと、このまま玄関先で立ち話ってのもなんだよな。とりあえず上がってもらおう。



「それじゃ中に入ろうか。ちょっと時間的にまだ早いから、うちの家族はまだ起きてきてないけどね」


「早朝から済まないね。待ちきれなくてついつい押しかけてしまったんだ。なので一応みなさんが起きるまでは家の前で待っているつもりだったんだ」



 うわっ……。家の前で俺達が起床するまで待機させられるところだったとか、そりゃさっさと城に戻るはずだよ。


 結果的にすぐに気付けたから無駄な待機時間を過ごさせずに済んだかな? リーチェのファインプレーだね。



 キュールさんを家に招きいれて、食堂から椅子を1脚持ち出して炊事場に向かう。



 みんなが起きてくる前に朝食を用意しておきたいし、かと言ってお客さんを1人放置しておくわけにもいかない。なので俺の朝食作りに立ち会ってもらう事にしたのだ。


 流石に手伝いは頼まないけどね。



 キュールさんと雑談しながら朝食作りを進めていく。



「プライベート扱いなのは分かったけど、滞在予定日程とかは無いの? 俺達もそのうち帝国に招待されるらしいけどさ」


「大雑把な予定で恐縮だけど、まさにみなさんが帝国に赴く時に一緒に帰国する形になると思うよ。陛下にも許可は貰ってあるから」


「ふ~ん。ちなみに俺達が帝国に招待されるのっていつなのさ? 今のところなにも聞いてないんだけど?」


「んー……。正直それもいつだって言えないんだよねぇ……。なんせ陛下が大変張り切ってダンさん達をもてなす準備をしているもんだから、どこまでやるつもりなのか見当がつかないんだ」



 なんでも俺達を迎えるにあたって、新たに迎賓館を建設している熱の入れ様らしい。


 あんまり歓迎される過ぎるのもちょっと嫌なんだけどなぁ。皇帝陛下とはまだ面識も無いのに。



「面識の無い相手をもてなすなんて貴族社会ではザラだろうからね。ましてダンさんは神器所有者、陛下は自分より格上の相手として見ているんだろう。どれだけ準備しても安心できないんじゃないかな?」


「これまた神器のせいなんだよなぁ……。さっさと手放したいよこんなもの。厄介事しか呼びこまないんだもん」


「はは、確かに神器の所有権なんて特大の厄介事だと思うけど、それでもそんなに簡単に手放したがる人はあまりいないと思うねぇ」



 神器の呼び込む厄介事に辟易しながら朝食作りを済ませると、ちょうど料理が完成した頃にみんなが寝室から出てきたのが分かった。


 配膳を手伝おうと、ニーナとリーチェと手を繋いだアウラが炊事場に顔を出してくれる。



「パパー。出来てるのから食堂に運んでいいのー?」


「ありがとうアウラ、助かるよ。ニーナとリーチェもお願いねー。……って、ん?」



 顔を出した3人を順番によしよしなでなでしていると、視界の端のキュールさんの様子がおかしい事に気付いた。


 キュールさんはまるで幽霊でも見たような表情でアウラの事を見詰めている。



「ば……かなっ……!? アウラ、アウラだって……!? 確かに彼女は……。いやでも、そんなはず……!?」


「あれ? キュールさんって暴王のゆりかごで起きていたことを知っているの?」



 以前ノーリッテと直接面識があるとは聞いていたけど、俺が思っている以上にキュールさんとノーリッテは行動を共にしていたのかもしれない。


 なんにしても、この件については詳しく問い質す必要がありそうだ。

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