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【全年齢版】異世界イチャラブ冒険譚  作者: りっち
6章 広がる世界と新たな疑問2 世界の果て
431/637

431 広大

※R18シーンに該当する表現をカットしております。

 クラクラットでアウラからの伝言を確認した俺達は、ポータルで終焉の箱庭の前まで戻ってきた。


 大分遠回り、というか回り道をしてしまった気もするけれど、ようやく終焉の箱庭の攻略を開始できそうだ。



「スポット、竜王のカタコンベ、聖域の樹海、奈落に続いて5つ目のアウター、終焉の箱庭の攻略開始だね」



 全員の準備が整っている事を確認して、目の前の魔力の壁に踏み込んだ。


 しかし夕日を反射するほどの濃い魔力で出来た壁も、スポットの時と同様に何の感触も無く通り抜けてしまうようだった。



「「「闇に浸りて魔を滲み、昏きを照らして霞を晴らせ。トーチ。異界の領域。歪みの隧道。怪奇の楼閣。透き見て手繰りて知悉せよ。サーチ」」」


「不意の凶刃。不覚の死槍。弑逆阻みし神来の警鐘。冷厳なる終焉の刃を逸らして逃せ。スキャン……て、あれ?」



 中に入ったらまずはトーチとサーチとスキャンを唱えて、視界の確保と構造の把握、そしてトラップに対抗する。


 だけどサーチはみんなも使用したけど、スキャンは俺だけしか詠唱してなくない?



「ダンよ。フィールド型アウターでスキャンを使用してどうするのじゃ。フィールド型のアウターにはトラップは存在しないと言うておろうが?」


「あ、そうだった……」



 フラッタが呆れた様子で指摘してくる。


 屋外型のアウターにはトラップは存在しないんだったなぁ。つい癖でスキャンまで使っちゃったよ。



「外観は雄大で美しかったけれど、中に入ってしまうとあまり見るものも無さそうだね」



 終焉の箱庭の内部は、どこまでも広い平原が広がっている感じか。


 地形的には起伏がある程度で、あとはひたすらに平原が広がっているだけのようだなぁ。



 サーチのおかげで最深部のある方向だけは分かるけど、最深部の場所自体はサーチの効果範囲外にあるようだ。めちゃくちゃ広そう。



「そうだねぇ。スポットよりも障害物が無いから、思い切り走ったら気持ち良さそうなのーっ」



 広い平原を見て、ニーナがちょっとワクワクした様子を見せている。


 呪いが解けたあとに王国中を散々走り回ってきたけど、ニーナはまだまだ走り足りないようだ。



「へぇ、こんな感じになってるのね。あまり目印らしい目印も無いから、アナザーポータルが使えなかったら遭難してもおかしくなさそう」


「むぅぅ……。スポットですら遭難してしまった妾がここを独りで歩くのは難しそうじゃなぁ」



 何気なく呟かれたティムルのひと言に、フラッタが勝手に落ち込んでしまった。


 でも安心していいよフラッタ。お前が独りになるタイミングなんて生涯無いから。



「この広大な平原だって一見の価値はあると思うけど、外の景色と比べちゃうとどうしてもね……。外の魔力壁が凄すぎるだけなんだけどさ」


「中の景色が貧相なのではなくて、外観が凄すぎたという話ですね。期待はずれとは違いますが、なんかこう、肩透かしを食らったような気分です」



 リーチェとヴァルゴの言い分にちょっと共感しつつも、少しだけ申し訳なくなってしまう。


 俺達見る側が勝手に期待しただけなのに勝手にがっかりされて、終焉の箱庭もやってられないかもしれないな。



 みんなをよしよしなでなでして、攻略の方針を話し合う。



「最深部に向かって一気に駆け抜けよっか。もう俺達がここで戦う意味って無いでしょ?」


「あはっ! ここ思いっきり走れちゃうのっ!? たっのしみーっ!」



 敵を無視して最深部を目指そうという俺の提案に、ニーナがぱぁっと笑顔になる。


 ニーナの反応が小さい子供みたいで最高に萌えるんですけどぉ? よしよしなでなで。



「儲けを考えるなら道中の魔物を狩るべきだけどね? 私たちにはお金もこれ以上の職業浸透も必要無いかぁ」


「もし戦うとしても最深部で良かろう。ダンの言う通り妾たちが道中で戦う意味は無いのじゃ」



 ティムルは商人だった時の思考が抜けないせいか、どうしても儲けを度外視して考える事に慣れていない様子だ。


 そして俺に同意してくれたフラッタにはお礼によしよしなでなでしておこう。



「ふふ、終焉の向こう側を見れるなんて楽しみだよ。それもみんなと一緒だなんて夢みたいだ。いや、夢にも思った事がなかったかな?」


「本当に世界はどこまでも広がっているのですねぇ。聖域の樹海に閉じ篭っていては何も知る事が出来ませんでしたよ」



 リーチェとヴァルゴが、かつての自分では想像も出来なかった体験に少し感慨深げにしている。


 こんなに魅力的な2人が俺のお嫁さんだなんて、俺こそ夢にも思ったこと無かったけどね?



「終焉の箱庭の攻略と踏破が終わったら、直ぐに暴王のゆりかごの攻略を進めるつもりだからね。さっさとクリアしちゃおうか」



 終焉なんて知ったことじゃない。


 俺達の世界はまだまだ先まで続いてくれているはずだ。



 それを確かめる為に、全員と軽く口付けを交わしてから、ニーナを先頭にして最深部に向かって走り出した。





「あはははははっ! 走りやすくてたっのしーーーーっ!」



 ゴキゲンなニーナの笑い声を聞きながら終焉の箱庭を疾走する。


 ニーナって走るとテンションがぶっ壊れる気がするよな? ランナーズハイ的な?



 察知スキルで周囲を確認しながら走っているけど、流石賑っているアウターだけあって潜っている人の数が多い。


 この人達がニーナの姿を見たら、また新たな野生動物疑惑が浮上してしまうかもね。



「う~ん……。ドワーフの私も、獣人のニーナちゃんにちゃんとついていけるようになってるわねぇ? 私とニーナちゃんの職業浸透数は同じくらいのはずなのに不思議だわぁ」


「以前ダンが言っておった補正の認識限界のせいかも知れぬな。妾たちとダンの本気の動きにはまだまだ大きな差があるからのう。恐らく妾達は累積した補正の力を引き出しきれていないのじゃ」



 高速道路を走行しているような速度で走っているのに、なぜか普通に会話できているティムルとフラッタ。


 これも職業補正の影響なのかなぁ? リーチェがなにかしてるわけじゃないらしいし。



「この速度でいつまでも走り続けられるのが凄いよね。足が縺れたりすることもないしさ。職業補正の恩恵ってむしろ戦闘以外のときのほうが実感できるよ」


「旦那様みたいにえっちに活用する方は稀だと思いますけどねぇ。旦那様くらい職業補正に向き合った人っているんでしょうか?」


「俺がえっちに職業補正の影響を感じ始めたのは、フラッタとリーチェが嫁入り前の癖に俺と同じベッドで寝た時なんだよな。あの時の2人の反応があまりにも過剰でさぁ」



 2人の感度のおかげで職業補正のエロへの可能性に気付けたんだ。2人にはどれだけ感謝しても足りないよ。



「ふふ。あの時ぼくを弄んだのがダンで良かった。ぼくはお嫁に貰ってもらう前からダン専用だったんだよー」


「体の反応を押さえ込めるようになったのも大きいのじゃ。ダンにどれだけ触れてもらっても、気持ちいいだけで足を止めることなく走り続けることが出来るしのう」



 ほんと職業補正様々だよなぁ。


 さっきからずっとリーチェに悪戯してあげているというのに、フラッタの言う通り決して足を止める気配が無いんだもん。



「ねぇダン。今夜はあの時みたいに、ぼくとフラッタをひと晩中情け容赦無く弄ってみない? 君の物になってからはあの時より乱暴にされたことって無いからさ」


「ふむ。妾とリーチェをひと晩中弄びながら他のみんなを愛するというわけじゃな。なかなかしんどい夜になりそうなのじゃぁ……」


「よっしゃあ! 乗ったよ2人とも! リーチェとフラッタをひと晩中可愛がってあげるからねーっ」



 2人のおかげでやる気が漲ってきたぞぉ! やる気っていうかヤる気ですけど?



 ヤる気に満ち溢れた俺は、プレートメイルに守られたフラッタと先頭を走るニーナ以外の3人に代わる代わるイタズラをしながら、ニーナの背中を追って走り続けたのだった。






「う~ん、暗くなってきちゃったね。1日で最深部に到達するのは無理みたいなの」



 先頭を走っていたニーナが、残念そうに呟いて足を止めた。


 気配察知スキル的に周囲には魔物も人も居ないっぽい。



「ここも一般には踏破されていない扱いらしいからね。それを1日で踏破出来ちゃうほうがおかしいんだから仕方ないさ」



 ヴァルゴに抱きつきながらニーナに返答する。


 そんな俺の言葉に、ニーナではなくティムルが追従する。



「時間的にはもう日が落ちてるのよね? やっぱりフィールドタイプのアウターだから夜でも暗くならないのかしらぁ?」


「逆に屋内型のアウターだと光源が少なかったりするしのう。ままならないものじゃな」


「サーチの反応を見るに、明日には最深部にも到達できそうだね。なら焦る必要は無いさ。明日も来ればいいだけだから」



 明日来ればいいだけだと微笑みかけてくれるリーチェをよしよしなでなで。



 にしても……、外から見たときも広いとは思ってたけど、中はそれ以上に広いなぁ終焉の箱庭。


 多分ニーナって時速80キロ以上は出てたんじゃないかと思うのに、それでも最深部に到達できないとはねぇ。


 多分ステイルークからマグエルまでの距離よりも長い距離を移動したと思うんだけどなぁ。



 悪戯し続けてぐったりしてしまったヴァルゴを抱き上げながらマグエルに帰宅した。





「ふむ。ムーリたちもチャールたちも全員既に帰宅してるみたいだね」



 マグエルに戻ると、家の中には6つの生体反応が確認できた。つまりチャールとシーズももう帰宅しているということだ。


 ここで俺は1つのプレイを思いついて、みんなに協力をお願いする。



「……気配遮断でチャールとシーズの目の前で、だけど2人に気づかれないようにえっちんことがしたい?」


「うんっ! もしもバレそうになったら全力で寝室に移動するから、協力して欲しいんだ!」



 何言ってんだコイツはと言わんばかりに、ジトーッとした視線を向けてくるニーナを正面から説得する。



 気配遮断を習得してからいつかしたいと思っていたステルスえっち、まだラトリアに対して1度だけしか試せていないのだ。


 ならばこの機会を逃す手はあるまいよぉっ!



「ムーリたちにも協力してもらって、チャールたちの夕食まで済ませてもらう。それをぼくが風に乗せて伝えればいいんだね?」


「そうそう。そして気配遮断中の消音は無しでお願いしたいなっ! その方が絶対興奮するからさっ!」


「職業補正どころかスキルまでえっちに活用しちゃうんだから、お姉さんもまだまだダンには敵いそうもないわねぇ……」



 今の俺はティムルの呆れ顔にすら興奮しちゃうよぉ!


 何も知らないチャールとシーズの前でみんなを愛しまくるシチュエーション! バレたら色々終わるというスリルが最高のスパイスになってくれるはずだぁいっ!



 ……まぁ本当にやばい時は敏捷性補正全開で逃げれば、2人の目には映らないと思うけどね?



「ふむぅ。趣旨は分かったのじゃが気配遮断の維持は平気かの? 妾達はダンに魔力枯渇を起こさせる気はないぞ?」


「あーもうフラッタ。お前ってどこまで可愛いこと言ってくれるんだよぉ。心配しなくてもやばそうになったらちゃんと言うって。でも恐らく数時間の発動くらいならビクともしないと思う」



 気配遮断が必要なのはチャールたちが離れに引っ込むまでの間だけだ。


 それなら万全の俺の魔力が尽きる心配はまずないだろう。



「おっけーダン。ムーリたちへの説明も終ったよー」



 リーチェが精霊魔法で、ムーリたちにもこっそりプレイのことを説明してくれる。これで準備万端だ。


 気配遮断を発動し、ヴァルゴを抱き締める。



「ヴァルゴ。今日はお前から可愛がってあげるからねー」


「ヴァルゴー? 声を我慢しないと2人に見つかっちゃうの。がんばって我慢してくれるかな?」


「ふぐぅ……!」


 ニーナ司令官の言葉に、慌てて両手で口を押さえるヴァルゴ。


 必死に声を我慢するヴァルゴを愛でる。可愛いなぁもうっ!



 ダメって言いながらも一切抵抗しないで、俺の好きにさせてくれるヴァルゴが大好きだよっ! 



「さぁフラッタとリーチェもおいで。約束通り思い切り虐めてあげるからね、ひと晩中っ」


「こっ、ここから始めるのか……!? し、寝室に行ってからではダメかのう……?」


「ダーメ。可愛いフラッタを虐めたくてウズウズしてるんだ。もう1秒だって待てないよ。ほら、早くおいで?」



 俺が1歩も引く気が無いと悟ったフラッタは、観念したようにおずおずと歩み寄ってくる。


 そのフラッタを背後から抱き寄せる。



「い、いざって時は上手い事頼むよ……? ぼくも出来るだけ頑張るけど、あの時のダンの指、あんまりにも気持ちよすぎたからさ……?」


「安心しろ。あの時よりももっとずっと気持ちよくしてやるから。だからお前も早く来いリーチェ。俺の左手が空いてるぞ?」


「そ、それが不安なんだけどぉ……。よ、よろしくおねがいしますぅ……」



 しずしずと近寄ってきたリーチェを乱暴に抱き寄せる。


 既にベストコンディションだな、素晴らしいぞリーチェ!



「それじゃニーナとティムルとヴァルゴで交替してね。俺の両手は今晩は使えないからさ」


「了解なのっ。だけど失敗しちゃダメだからねダン。チャールとシーズに迷惑がかかっちゃうのは許さないんだからっ」



 決してやめろとは言わないニーナは、本当に俺の良き理解者だと思う。


 理解しすぎて一切隠し事が出来ないくらいに理解されてると思う。



「交替はこっちで勝手にやるわ。ダンはそっちに集中してていいからねー?」



 方針が決まったら常に最善手しか放ってこないティムルお姉さんは、我が家のエロスの急先鋒と呼ぶに相応しい。


 本当にいつも御世話になっております。本日もよろしくお願いします。



 全ての準備が整ったことを確信した俺は、ようやく家の中に足を踏み入れる。


 チャール。シーズ。2人ともごめんな。俺の我が侭に巻き込んじゃって。



 ……でも今の俺さ、さいっこうに興奮してるんだぁいっ!

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