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【全年齢版】異世界イチャラブ冒険譚  作者: りっち
6章 広がる世界と新たな疑問2 世界の果て
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428 識字

※R18シーンに該当する表現をカットしております。

「さぁみんな。陽が完全に落ちちゃう前にアウターの入り口まで移動しよう」



 みんなで夕日に燃える終焉の巨壁を眺めた後、徒歩で魔力壁の手前まで移動する。


 リーチェも流石に中に入ったことはなかったらしく、ポータルのフラグを立てる必要があったのだ。



 夕日を反射するほど魔力が濃いと言われる終焉の箱庭の外縁部だけど、手で触れてみてもやっぱりなんの感触もなくすり抜けてしまう。


 う~ん……。魔力って本当に不思議だなぁ。



「それじゃすっかり陽も落ちちゃったしそろそろ帰ろっか。可愛いヴァルゴを思い切り甘やかしてあげなきゃいけないしね」



 ヴァルゴを抱き寄せてちゅっとキスをする。


 甘えてきてくれるなら全力で甘やかしてあげるからねーっ! たっのしみーっ!



「中に入るのは明日のお楽しみだねっ。中がどうなってるのかも気になるけど、この向こうがどうなってるのか気になって仕方ないのっ!」


「侵食の森だって通り抜けられた記録が残ってなかったし、恐らく終焉の箱庭も通り抜けた人は居ないはずよ。私達が初めてこの先を確認できるなんてワクワクしちゃうわねっ」



 明日からの探索を前に、ニーナとティムルもワクワクが止まらない様子だ。


 前人未到とか史上初っていい響きだよねー?



「フィールドタイプのアウターゆえにトラップや魔法扉もありえぬからの。戦闘力で後れを取ることはありえぬから、やはり広さがネックになってくると思うのじゃ」


「奈落の底に続いて終焉の向こう側かぁ。随分長いこと旅をしていたつもりだけど、ぼくが行ったことない場所なんていくらでもあるんだなぁ」



 相変わらず真面目なフラッタと、未知の場所に足を踏み入れることを感慨深げに呟くリーチェ。



 広さに関してはうちのパーティなら問題ないでしょ。グルトヴェーダを1日で走破するパーティなんだしさ。よしよしなでなで。


 リーチェの初めては全て俺が貰ってやるからね。これからはみんなと一緒にいろんな初めてを経験していこうな。よしよしなでなで。



 未だヴァルゴとキスしたままだから、俺の考えをよしよしなでなでに載せて2人に伝えていく。


 伝わったかな? 伝わるわけないよな? あとでちゃんと言葉にして伝えよう。



「だっ、旦那様ぁ……。こんなにキスをされたら切なくて仕方ないですよぉ……」


「ごめんヴァルゴ。その前に料理を振舞わなきゃいけないからちょっとだけ待っててね。調理中もずーっとキスしてあげるからさ」



 不満そうに頬を膨らませるヴァルゴの口に蓋をして、無詠唱でポータルを発動して我が家に帰宅した。


 家の中には6つの反応。ムーリたちに加えてチャールたちも既に帰宅してるのか。



 ほらヴァルゴ。ムーリたちだけならまだしもチャールたちも帰宅してるんだから口を離して? やだ? 嫌なら仕方ないなっ。


 ヴァルゴをお姫様抱っこして、キスしたまま帰宅する。我が家では良くある光景です。



 ヴァルゴとキスしたまま、帰宅の挨拶代わりにムーリたち4人のおっぱいをひと揉みして、呆れるチャールとシーズの視線に見送られて炊事場に移動する。


 さぁヴァルゴ。調理するからキスは我慢してね? くっついててもいいからさ。



 ヴァルゴにくっつかれながら、エルドパスタムで購入した果物類の味や性質を確認していく。


 名前や見た目は様々だけど、味は結構地球産の果物に近い気がするなー? 火を通すと酸味が飛んで甘みが増す物も多いようだ。



 色々と試しながら今夜のメニューを考えていると、俺の手元を覗き込んだニーナが首を傾げて聞いてくる。



「あれ? ダン、この黄色いのなぁに? 見たことがないの」


「これはまだ試作中なんだけど、カスタードクリームって言うんだ。生クリームの作り方は分からないけど、カスタードクリームなら卵と粉と砂糖とミルクがあれば作れるからさ」



 料理をしない俺でも、漫画の知識からカスタードクリームの材料くらいは知っていた。


 だけど詳細な作り方は分からなかったので色々と試作に戸惑ってしまい、披露するのが遅れてしまったのだ。



 まぁ今あるこれも日本で食べたコンビニスイーツにすら遠く及ばないけどね。バニラの香りもしないしさぁ。



「ふぅん? 生クリームもカスタードクリームも良く知らないけど、材料を聞く感じだと甘そうだねっ」


「甘いよー? 今日買ってきた蜂蜜酒もかなり甘いタイプだったから、今夜はこれでみんなを甘々にしてあげるからねーっ」



 今日はせっかく大量の果物と蜂蜜が手に入ったので、甘味メインで行こうじゃないかっ。



 でも甘味だけだと胸焼けしてしまいそうなので、小休止用にフライドポテト風ディロとポテトチップス風ディロも用意する。


 が、クオリティは当然低い……! 料理チートが欲しかったぜぇ……!



「あ~……。家中が甘い香りでいっぱいなの~……」


「こ、これはヤバいわダンっ……! 匂いだけでヨダレが出ちゃいそうよぉ……!」


「なるほど? 全てお茶に合う甘味と。つまり妾がお茶を淹れれば良いのじゃなーっ!」


「出来るだけ薄焼きに……。わわっ、そんなにすぐにひっくり返しちゃうのっ?」


「ちゅー。旦那様ぁ……」



 結局炊事場に集合してしまった仕合わせの暴君メンバー。


 せっかく集合してしまったので、キスしているヴァルゴと料理が出来ないフラッタ以外のパーティメンバーにも協力してもらうことにする。



 そうしてみんなとワイワイイチャイチャしながら、カスタードクリームを使ったクレープモドキ、果物ごと火を通したフレンチトースト、カスタードクリームと生の果物をパンで挟んだスイーツサンド、パンを刳り貫いてカスタードクリームを中に入れたなんちゃってシュークリームが完成した。



「な、なにこれーっ!? トロッとしててすっごく甘いのっ! これならいくらでも食べられちゃうよぅ!」


「これでまだダンの納得する味になってないの……? ダンの故郷って美味しいもので溢れ返っていたのねぇ……?」


「お、愚か者ぉっ! 甘い物としょっぱい物を同時に出すとはなんと言うことをしてくれるのじゃっ! これではっ、これでは食が止まらぬではないかぁっ!」


「果物に火を通すとかなり味が変化するんだねぇ。もぐもぐ。食べたことがある果物も多いのに新鮮だよ。今度ぼくにも色々教えてくれる? もぐもぐ」


「旦那様ぁ。今度はあっちが食べたいですぅ。あーんっ」



 甘味尽くしの夕食に、うちのパーティメンバーは大騒ぎである。


 初めてのカスタードクリームに顔を綻ばせているニーナ、日本の料理水準に恐れ慄くティムル、大騒ぎしながら料理を詰め込んでいるフラッタ、感心しながらもリスのように料理を詰め込んでいるリーチェ、ひな鳥のように俺に料理を催促するヴァルゴと、反応はそれぞれではあるけど概ね好評のようだ。



「ふふ、このお酒も甘くてとっても美味しいですよっ。ダンさんったら私達を酔わせてどうしちゃう気なんですかーっ」



 酔ったみんなに何をするかなんて決まってるでしょムーリ。酔わなくてもいつもやってることをするんだよっ!


 じゃあなんの為に酔わせてるのか分からないって? 分からないけど酔わせちゃうんだよーっ!



「うちの料理人も腕は悪くないと思いますけど、ダンさんは短時間でサラッとこんな料理を用意してくるから恐ろしいですね? あっ、フラッタ! それは私のですよっ!?」



 ラトリアさんや。娘と料理を奪い合うのは止めてくれませんかね? 母娘揃って可愛すぎるけど?


 でもねラトリア。ルーナ家の料理人さんの腕が悪いワケじゃなくて、日本の時短レシピが頭おかしいだけだと思うよ。日本ってとにかく手軽で簡単に、でも美味しくを追求し続ける国だったから。



「ミルクに蜂蜜を溶かしただけなのに、なんだかホッとする味になるんですねぇ。なんだか疲れも取れるような気がします。毎晩寝る前に飲みたいですねこれ」



 蜂蜜入りホットミルクが気に入ったようで、ふぅふぅちびちびと少しずつ飲んでは美味しそうに微笑むエマ。


 ホットミルクくらい広まっていそうなものだけど、終焉の箱庭でしか採れていないドロップアイテムの蜂蜜が高価なこと、貴族はミルクよりもお酒を嗜む場合が多いということで、こんな簡単なドリンクで感心されてしまったのだ。ちょっとバツが悪いね。



 寝る前に蜂蜜ミルクなんて飲んだら虫歯になりそうだけど、この世界って病気耐性で虫歯を予防できているような気がしないでもないんだよなぁ。


 だから好色家を浸透させているエマには虫歯の心配無しに振舞ってあげられそうだ。



「ん~っ! ダンさんに貰ってもらえて幸せすぎるの~っ! ニーナったら男を見る目がありすぎでしょーっ! お腹いっぱいなのに手が止められないよ~っ!」



 波乱万丈の人生を送ってきたターニアが、なんちゃってシュークリームを幸せそうに頬張っている。


 食べ過ぎても大丈夫だよ。これからひと晩かけて、食べた分のカロリーを消費させてあげるからねー?



 蜂蜜酒を飲んでほろ酔いのムーリ、調理の手軽さに驚きつつもフラッタと争奪戦を繰り広げるラトリア、ハニーミルクが気に入った様子のエマ、お腹を擦りながらも食事の手が止まらないターニア。


 今回エルドパスタムに同行しなかった4人にも好評の様で何よりだ。



「お、美味しすぎるぅ……! 職業についての資料よりもこの料理のレシピを公開した方が喜ばれそう……!」


「な、なんか俺達だけこんな物を食べさせてもらうのはちょっとだけ申し訳ないな……! 申し訳ないんだけど食べちゃうんだよぉ……!」



 我が家の家族だけでなく、チャールとシーズももぐもぐと忙しなく口を動かしている。


 我が家の食事水準にも慣れ始めている2人だけど、複雑な想いを抱きながらスイーツ尽くしの晩餐を楽しんでいるようだった。



「シーズ。教会の子供達の分も作って配ってやるから遠慮無く食っていいぞ。美味しいものを食べてる時は遠慮せずに全力で料理を楽しんでくれよ」


「無茶言うなってぇ……。去年までの俺達は、腹いっぱい食べることも難しかったんだからよぉ……」


「あー……」



 美味しいものを食べているのに申し訳無さそうにしなくていいんだよと言ってあげたいけど、チャールとシーズの境遇を考えれば無理もないのかぁ。


 マグエルの子供達はもう1年近く前から食事事情が改善していたけれど、他の教会の子供達は年末から年明けくらいまでは困窮してたんだもんな。まだその頃の常識を払拭し切れなくても仕方ない。



「でもありがとなダン! これを食べたらみんなもすっごく幸せな気持ちになってくれると思うぜっ!」


「おう。甘いもの食べると幸せになれるよな。教会の子供達は今まで我慢してた分いっぱい幸せになっていいと思うんだ」



 だよなー! と元気良く返事をしながら、最早遠慮は要らぬと勢い良く食事を口に運び始めるシーズ。


 こいつって男の子みたいな口調のくせに、なんだか誰よりも気を使うところがあるよなぁ。



 しかし……レシピ本の公開かぁ。


 この世界の料理水準をあげるという意味ではかなり有用なことだと思うけど、俺が我が物顔で発案者面するのは流石に抵抗を覚えるよ……。



「つうかレシピを公開しても、普通の家庭が楽しむには材料費が高すぎるかもしれないな。今後魔物狩りが増えてくれば流通量も増えて購入しやすくなるとは思うけど」


「あっ! ねぇダン、せっかくグルトヴェーダに植樹するんだったらさ、果樹もいっぱい植えようよっ! エルフたちの食事には果物が多く使われるから管理にも慣れてるはずだよっ」



 いつだって性欲と食欲に真っ直ぐ向き合うリーチェが、エルフ族の立場から果物の流通量を増やす提案をしてくれる。


 う~ん……。二つ返事で了承したいところだけど、果物が増えると野生動物を呼び込みそうで怖いんだよな……。エルフ族はみんなある程度戦える人達だとは思うけど。



「ダンが色々なことを心配してるのは分かるけど、私はレシピ公開には賛成ね。こんな美味しい料理が自分で作れるって分かったらワクワクしちゃうわぁ」


「……ふむ、ティムルさんの言う事にも一理ありますね。もぐもぐ」



 ティムルの言葉に神妙な面持ちで頷いたのはラトリアだった。


 ……神妙な面持ちなんだけど、ほっぺがリスみたいで真剣みが感じられないんだよ?



「この国って料理を学べるような場所って殆ど無くて、大体は料理人の下で修行することでしか料理を学ぶことが出来ないんです。なので簡単な指南書のようなものがあるだけでもかなり変わってくるんじゃないでしょうか?」


「レシピ本ではなく指南書というわけじゃな。元々料理が出来なかったダンでも知識と経験でこれほどの料理を振舞えるのじゃ。ダンの知識はなるべく広めるべきではないかのう?」



 ラトリアの言葉に、娘であるフラッタもウンウンと頷いている。


 でも頷いてるこの2人ってどっちも料理できないんだよなぁ。生粋の貴族令嬢らしいと言えばそれまでだけど。



「ん~、お料理の指南書というのは素晴らしい発想ですけど、製本以上に大変なのが写本という作業ですよ? 王国中の人間が読めるような資料なんていったいどうやって作るんですかっ、もう」


「いやエマ。職業の資料作りに関わることだけど、写本については少しアテがあるんだ」


「「「えっ」」」



 おっと、なぜかエマだけじゃなくティムルとリーチェ、それにラトリアとターニアの声が重なったな?


 貴族令嬢とか商人とかは、帳簿をつけたり写本したりする機会でもあったのかもしれない。



「試してみるまではっきりとしたことは言えないけど、少なくとも職業の資料は王国中に配布できる程度には製作するつもりだよ」


「誰もが本を読める時代ですか。それは素晴らしいですねっ。であるのでしたら私も今のうちに読み書きを習っておきましょう。あ、旦那様。次はその果物がいっぱい乗ってる奴をお願いします、あーんっ」



 ひな鳥ヴァルゴにスイーツサンドを食べさせながら考える。



 なぜか俺は問題なくこの世界でも読み書きが出来たけれど、この世界の実際の識字率は3割ちょっとくらいらしい。


 我が家の家族は身分の高い家の出身が多いためかヴァルゴ以外の全員が読み書き出来るけれど、これはかなり珍しいケースなのだそうだ。



 今後トライラム教会が主催する勉強会で識字率を上げていく方針だけれど、せっかく字が読めるようになったんだったら、読んでいて楽しい話なんかも流通させたいよな。例えば英雄譚とかさ。



「なぁなぁ。チャールとシーズって英雄譚とかにも詳しかったりする? そういうお話も文字に書き起こしてもらうことって可能かな?」


「んー、私はあくまで教会の資料を読み込んできただけだから、英雄譚みたいなものにはあんまり詳しくないよ?」


「ダンさん。英雄譚が知りたければ街の酒場に行くといいの。断魔の煌きとか双竜の顎の英雄譚を歌にしてる人が居るはずだからね」


「へぇ~。英雄譚は酒の肴にされてるんだなぁ」



 ターニアの言葉にちょっと感心してしまう。この世界にも吟遊詩人みたいな人が居るわけか。



 それにしても双竜の顎にも英雄譚が存在するのね。


 最強の魔物狩りパーティと言われているのが断魔の煌きだけれど、その断魔の煌きを差し置いて王国最強と言われていたのがゴルディアさんとラトリアだもんな。そりゃ色々な逸話もあるんだろう。



「ラトリアたち双竜の顎の英雄譚は気になるな。エマもメンバーの1人なわけだしさ」


「う~ん……、ゴルディア様に関しては英雄譚ですけど、ラトリア様にとっては失敗談みたいなものですけどねぇ……」


「あ~っ!? 流石にそれは酷いですよエマッ!? 私だって戦いでは活躍してますからーっ!」



 それフォローになってないよラトリア。むしろ戦闘以外の部分で何をやらかしたのか気になりすぎるからね?


 ラトリアの失敗談はこのあとベッドの上でじっくり聞かせてもらうとして、今は話を進めよう。



「そういうお話を文字に書き起こして王国民のみんなが読めるようになったら、みんな楽しんで読み書きを学んでくれるかなって思ったんだけど、どうかなぁ?」


「へぇ、貴族の趣味である読書を王国民全てに広めようってこと?」



 首を傾げるターニアに頷いてみせる。



 職業の資料や料理の指南書だけだと、読んでいて楽しくないでしょきっと。


 英雄譚とかは読んでいて面白いものだと思うし、今後お金が溢れかえるであろうスペルド王国の新しい娯楽の創出にもあると思うんだよねー。



「っていうかですねっ。英雄譚だったらダンさんの話をまとめるべきですよっ」


「は?」



 名案ですとばかりに身を乗り出して、突き出したおっぱいをバルンバルンさせながらムーリが声をあげた。


 しかしそんなド迫力のおっぱいを目の当たりにしているというのに、ムーリがおかしなことを言うからおっぱいの揺れに集中出来ないじゃないかっ。



「家族みんながそれぞれの視点でダンさんを語ったら、すーっごく面白いことになると思うんですよねっ」


「ムーリ、それ採用なのっ! ダンが今まで私たちにどれだけのことをしてきてくれたのか本人はちっとも分かってないし、こうなったら世論を味方につけてやるのっ」


「なんで世間を味方につけて俺をバッシングしようとしてるのニーナ!? っていうか世間からのバッシングはもう充分に受けたと思うんですけどっ!?」


「あー……、バッシングだと思っているあたり、やっぱりちょっと分からせてあげないといけない気がしてきたよ。ニーナ、ぼくも賛成。みんなそれぞれの視点からダンのことを書いてみよっか」


「ちょっ、リーチェも何言ってムグゥ!?」



 反論しようとした俺の口をひな鳥ヴァルゴに塞がれる。


 ああ、スイーツ食べまくってたヴァルゴのキスが甘いよぉ……。



 ……じゃなくて、ちょっと待ってみんな! 俺の話とか……あぁぁ甘くて気持ちよすぎちゃうううう!



「写本のアテに関してはダンしか分からぬからの。妾達はまず普通にダンのことを書き起こしてみるのじゃ。初対面でおっぱいを触られたことも、嫁入り前にリーチェと一緒に弄り倒されたことも詳細に書いてやらねばのう」


「あはっ。私も散々おっぱいを見られてましたからねー。手加減が下手でおっぱいが大好きなダンさんってちゃんと書いてあげないとっ」



 くっ……! 話が不味い方向へと流れているのに、ヴァルゴの甘いキスが気持ちよすぎて止められないよぉ!


 というかまだチャールもシーズもこの場にいるんだよ!? みんなもうちょっと自重して!? 全部俺の身から出た錆かもしれないけどぉっ!


 

 竜爵家の令嬢フラッタと建国の英雄リーチェを一緒に弄り倒したなんて本、王国に流通させられるわけないだろっ! 完全にR18指定喰らって発禁ものだよっ!


 それでも書き上げたいなら俺が個人で楽しませてもらうからねっ!



 ……え、そうじゃないって?

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