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【全年齢版】異世界イチャラブ冒険譚  作者: りっち
6章 広がる世界と新たな疑問2 世界の果て
416/637

416 父性

※R18シーンに該当する表現をカットしております。

「あらあら。どうやらダンさんのほうも随分白熱されたようですねぇ?」


「家中に転がってた皆は寝室に運んでおいたのっ。何の心配も要らないからねーっ」



 ムーリにくんくんされながら、失神したリュートを何度も可愛がっていると、ようやく手合わせを終えたラトリアとターニアが戻ってきた。


 察知スキルの反応的に、どうやらカランさんはそのまま帰ったみたいだ。



「大変有意義な手合わせをさせていただきました。私にもまだまだ強くなれる余地はありそうですよ」


「ヴァルゴちゃんともダンさんとも違う槍っていうのがちょっとだけ理解できたの。強いて言えばダンさんに近い感じだったけど、カランさんも独自の槍を極めてる感じだったねー」



 ラトリアもターニアも満足の行く時間を過ごせたようだ。


 俺の場合は闇鍋って感じだけど、カランさんはしっかり槍をメインに据えた上で色々な要素を足している感じかな?



「2人ともお疲れ様。押し付けた形になっちゃってごめんね……って、ムーリ?」


「はぁぁ……。とってもえっちな匂い……。大好きすぎますぅ……」


「……えっと、流石に変じゃないムーリ? 気持ちいいけどどうしちゃったのさ?」



 ムーリの頭を撫でながら問いかけるも、ムーリは嬉しそうな顔をしただけで質問には答えない。


 色々どうでもよくなって、ただただ俺から離れたくないって感じだなぁ?



「多分獣化が発現した影響だとは思うんだけど……。ダンさんを好きな気持ちが爆発しちゃってる感じだねー?」



 近寄ってきたラトリアとターニアが、ムーリをマジマジと観察して状況を分析する。



「獣化が発現した直後は大なり小なり誰でも暴走しがちなんだけど、それにしたってムーリちゃんはエロエロになっちゃってるの。本人の素質なのかなー?」


「なんだか先ほどから随分と匂いを気にしているみたいですね。元々ムーリさんは匂いに敏感で、そこに獣化で嗅覚が強化されてしまったためにタガが外れてしまった、とかでしょうか?」



 ムーリって匂いに敏感だったのかな? 今まであまり意識したことは無いけど……。


 それっぽいエピソードとして思い当たることがあるとすれば、スポットから帰還した時に目撃した例のアレくらいしかないな。



「稀にですが、竜化によって情事にのめり込んでしまう竜人族というのも居なくはないんです。一般的に獣人族は竜人族よりも性欲が強い種族だと言われていますし、そもそもムーリさん個人が元から、その……」


「元々メスブタエロシスターであったムーリが、獣化をきっかけに内なるエロスを暴走させてしまったってわけね。ムーリの資質と言われると納得するかも?」


「んふふー……」


「いくらなんでも言いすぎでしょって言いたいところなんだけど……。言われてるムーリちゃんが嬉しそうだから口を挟めないのっ……!」



 流石にメスブタ発言は自分でも言いすぎだと思うけど、そもそもこの世界に豚って居なかったりするんだよな。馬は居るんだけどね。


 獣人ってこの世界に存在しないはずの動物にも獣化できるし、獣化するとこの世界には居ないはずの動物の特性を得られるから混乱しちゃうんだよなぁ。



「ほらムーリ。そろそろ離してくれないかな? その代わりに今度は俺がぎゅーってしてあげるからさ」


「むー……? はぁいわかりましたぁ。ぎゅーー、っとしてくださいねぇ……?」



 名残惜しそうに離れたムーリの両脇に手を差し込んで、幼い子供を抱き上げるようにして体を起こさせ、そのまま正面から抱きしめる。



「昨日からずっとお疲れ様。凄く気持ちよかったよムーリ。このままずーっと抱きしめていてあげるから、好きなだけ匂いを嗅いでくれていいからね?」


「えへへー、ほんとですかぁ……? やったぁ、幸せすぎちゃいますよぅ。くんくんっ」



 エロ特化のムーリにエロで対抗しても勝ち目は無い。だからただ感謝と好意に従ってムーリの体を抱きしめ続ける事にした。


 くんくんと鼻を鳴らしているムーリのほっぺに頬ずりをして、大好きだよ、ありがとうと囁きかけてあげる。



「はぁぁぁ……。ダンさんの匂いに包まれて、ムーリは幸せ過ぎますよぅ……」


「可愛い可愛い俺のムーリ。今日はずーっと抱きしめていてあげるからね。大好きだよ、俺のムーリ」


「私も好きぃ。私もダンさんのことが好きですよー……。し、幸せ過ぎて溶けちゃいますぅぅ……」



 頑張ってくれたムーリには甘々の甘やかしの刑だ。溶けちゃうくらいに甘やかして、昨日からの頑張りを労ってあげよう。


 それにしても、メスブタムーリの語感の良さはヤバイな。普通にぽろっと言ってしまいそうだ。



 ……関係ないけど、獣人とかが出てくる創作物で、豚の獣人って大体オスばっかりな気がするんだけどなんでなんだろうな?


 メスブタってわりとエロワードな気がするのに、豚獣人のメスが出てくる作品ってあんまり読んだ記憶が無いぞ?



 そもそも豚の獣人自体、あまり登場する作品って無い気がする。


 豚顔の人型モンスターであるオークは、多くの作品に登場してるって言うのにね。おーくだけに?



「獣化できてムーリは偉いね。いっつも子供達の為に頑張るムーリは偉いよ。お疲れ様。大好きだよムーリ。いつもありがとうね」


「えへへー……。嬉しい、嬉しすぎるぅぅ。ダンさんに褒められるの、すっごく嬉しいですよぅ……」


「んー、なんだかフラッタの小さい頃を思い出しますね? ディアに抱っこされて父上大好きー! って。可愛かったなぁ」


「フラッタちゃんは今も可愛いですけどね。でもラトリア様のおかげで、ムーリちゃんの気持ちがちょっと分かった気がします」



 俺に抱きしめられているムーリを優しく撫でるターニア。


 撫でられたムーリはちょっとだけ驚いて見せた後、にへら~っと緩い笑顔をターニアに見せている。



「ムーリちゃんも孤児あがりなんだよね? 親の居ない生活のまま、いつの間にか自分が孤児の面倒を見る立場になっちゃって、誰にも甘えることが出来ないままで大人になっちゃったんだろうねぇ……」


「あー……。その上教会の責任者の大半は女性……シスターがメインですものね。ムーリさん、ずっと父性に飢えていたのかもしれません」



 ターニアとラトリアの母親コンビの見立てによると、この状態のムーリも別に異常ってわけではなさそうだ。


 獣化によって胸に秘めたエロスが解放されたと同時に、胸の奥に仕舞いこんでいた幼さや甘えみたいなものも開放されてしまったってことかな?



「……父性を求めているにしては、ちょーっと卑猥すぎるとは思いますけど?」


「そんな事言われても良くわかんないですけどぉ……。ダンさんにぎゅーってされるの、好きぃ……」



 俺にしがみ付くムーリが可愛くて仕方ないけど、元に戻らないと教会の運営に支障が出たり……、しないか?


 もうムーリが居なくても、マグエルの教会は機能しそうだったわ。



 よし、じゃあ今日は1日ムーリを甘やかしてあげようかなっ。



「悪いターニア。この状態のムーリを放っておけないから、今日はムーリを連れてっていいかな? あ、ターニアも一緒に来てくれてもいいよ?」


「そうだねぇ。今のムーリちゃんをダンさんから引き離すのはちょっと可哀想なの。じゃあお言葉に甘えて、今日は私もご一緒させてもらおうかなっ」



 今日1日よろしくねっとターニアと軽くキスをすると、なんだかモジモジしているラトリアの姿が目に入った。


 遠慮しないでわがまま言えばいいのに、フラッタと一緒でどこか放っておけないんだよなぁ。



「ラトリア。お前もついてきたいならおいでよ。今日は家族みんなでデートしよっか」


「いっ、いいんですかっ……!? ぜぜぜ是非ともご一緒させてくださいっ! 私とエマだけ別行動はちょっと寂しすぎますからぁっ」



 ラトリアをおいでおいでと近くに呼んで、ラトリアにもよろしくのキスをする。


 家族みんなで遠出するのって初めてかな? ニーナが作った別荘には全員で行ったけど。



 よし、新婚旅行も兼ねて、家族水入らずでデートを楽しむとしよう。


 と言っても行き先はクラメトーラだから、見るべきものも遊ぶ場所も何もないんだけどねっ!



「クラメトーラにはちゃんとしたお店も無いから、今日の分の食事はお弁当を用意したいと思うんだ。ラトリア、ターニア、お弁当の用意を手伝ってくれるかな?」


「「喜んでっ」」



 元気良く返事してくれた2人を連れて、ムーリを抱っこしたまま食事の用意をする。



 全員で3食食えるくらいの量を用意しておけば充分だろう。


 と言うわけでいつも通りお願いしますっ、ホットサンドメーカー先生!



「ん~。いい匂いがするのじゃ~……」


「今日はみんなでお出かけなのねぇ。じゃあ私は今のうちに、汚しちゃった場所を片付けてくるわぁ」



 お弁当作りをしていると、家族が1人ずつ復活してきて、料理の手伝いや俺の情事の後始末などを手伝ってくれた。


 今回は家中汚してしまったからね。ごめんなさい。



 そんな中、普段なら率先して動きそうなムーリは俺にしがみ付いたままで、今日は珍しく一切の手伝いをすることはなかった。


 完全に甘えモードだな。素晴らしい傾向だぞムーリっ!



 みんなにもムーリの獣化発現と、その影響で幼児退行してしまっている事を告げて、今日1日は家族総出でムーリ甘やかしデーとすることを決定した。



「ムーリは今までが頑張りすぎなのっ。マグエルに来たばかりの私たちのことも気にかけてくれてたしね。今日はいーっぱいダンに甘えてあげていいからねっ」


「う~ん。私はダンに感心しちゃうわねぇ……。男を魅了して止まない性的魅力の詰まったムーリを、こーんなに素直で可愛い女の子にしちゃうなんてさぁ」


「妾も竜化が発現したときは感覚の違いに戸惑ったからの。ムーリも次第に落ち着くと思うのじゃ。せっかくなので思い切り甘えておくが良いぞムーリ」



 ニーナ、ティムル、フラッタが順番にムーリの頭を撫でていく。


 撫でられる度にムーリは、撫でてくれた相手に向けて、にへら~っと緩い笑顔を向けている。



「こんな状態のムーリを連れて歩いたら、まーた絡まれちゃうんじゃないの、ダン? 今日は1日お休みにして、みんなで寝室で過ごしてもいいんじゃない? もしくは別荘に行ってもいいよ?」


「それはリーチェがしたいだけでしょう? まったく仕方の無い人ですねぇ」



 俺がリーチェの提案を却下する前に、ヴァルゴが呆れた様子でツッコミを入れた。


 ヴァルゴもすっかり我が家に馴染んでくれたようだ。



「ご安心ください旦那様。旦那様に近づく輩は私が排除して差し上げますからねっ」


「というか、リーチェさんやフラッタ様を連れて歩いている時点で、ダンさんが絡まれるのって避けられないと思いますよ? 日を改めても多分あんまり意味は無いかと……」


「俺のお嫁さんはみーんな最高に魅力的だよ。リーチェやフラッタは勿論、エマだって俺の最愛の女性の1人なんだから忘れないでよねー」


「ふふ、これは失礼致しました。ありがとうございます」



 照れくさそうにはにかむエマにキスをして、ムーリを抱っこしたまま家を出る。



 ムーリ、まじで今日1日歩く気も無いのかな?


 俺としてはムーリに密着されるのは幸せ以外のなにものでも無いけど、ムーリ自身が後日思い出して悶絶しそうな気がするんだけど……。



 まぁいいや。その時は羞恥で悶絶するムーリを堪能すればいいだけだからなっ。


 どう転んでも1分の隙も無いエロスの塊なんて、流石はナチュラルボーンエロシスターのメスブタムーリちゃんだぜっ!



「降りかかる火の粉は全力で払っていいけど、なるべくクラメトーラのルールには従おうね」



 フラッタと一緒にヴァルハールに行った時から、やっかみを受けて絡まれるのが避けられないのは覚悟できている。


 けど過剰防衛にならないように、最低限の釘だけは刺しておく。



「出来れば正規の手順でクラクラットに入って、これまた正規の手順で暴王のゆりかごを目指したいと思うんだ。だから出来るだけ問題を起こさないようにねー?」


「そういう意味で1番心配なのはダンさんですけどね? 同行させていただける以上、ダンさんが動く前に火の粉を払うつもりですけど」


「ヴァルゴともども頼りにしてるよラトリア。護衛よろしく」


「いやー、まさか呪われた私がグルトヴェーダの先を見ることが出来るなんてさぁ。ダンさん様々って感じなのっ」


「呪われて自由に動けなかった分、ターニアとはこれからもいっぱい色んな場所を旅したいね。ニーナも一緒に家族旅行を楽しもう」



 さぁて。クラメトーラの魔力調査をするはずだったのに、気がついたら家族総出で新婚旅行する事になってしまっていたんだが?



 だけどクラメトーラには碌な宿泊施設もないからな。滞在が長引いたらスペルディアの夢の一夜亭あたりでみんなと……。


 いやぁ夢が広がって仕方ないねっ!



 今日の予定に胸とか別の場所とかを膨らませながら、クラメトーラの玄関口、クラマイルの端の場所に転移する。


 ってムーリ、外でもこのまま俺に抱っこされたままでいいの? マジで1日中抱っこしちゃうからねー? ムーリ大好きぃ。

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