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【全年齢版】異世界イチャラブ冒険譚  作者: りっち
6章 広がる世界と新たな疑問1 蜜月の日々
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380 信仰の危うさ

※R18シーンに該当する表現を大量にカットしております。

「すぅ……すぅ……」



 熱でうなされていた子供達の様子が落ち着いていく。



 その様子に、心配そうに見守っていた年少の子供達も安心したのか、1人、また1人と舟をこぎ始めた。


 うん。もう大丈夫だろう。



「このままこいつらが元気になってくれるなら問題ねぇ。明日コイツらの体調だけ確認させて欲しいっすけど」


「明日迎えに来た時にこの子たちの体調が悪そうだったら、引越しは先延ばしでも構わない。でも一応明日からマグエルに来れるように準備だけはお願いね」


「うん。そこは分かってるっすよ。俺も出来れば早いとこ仕事してぇし」


「やった! 私1人でいくの、ちょっとだけ心細かったんだよねー」



 子供達の様子に安心したチャールとシーズは、子供達が回復さえしてくれれば明日からマグエルで訓練と資料作りに勤しんでくれる事になった。



「2人とも、今日1日は挨拶と準備に充てて欲しい。ちゃんと周りの人を納得させて送り出してもらうんだぞー?」


「へっへーん! 私はもうシスターテネシスに送り出してもらったもんねーっ!」


「俺なんか既にスペルディアを送り出された後だっての! ま、ここの奴らに挨拶する時間がもらえるのはありがたいっすけど」



 何も心配は要らないと胸を張る2人。


 チャールのことは同行した教会兵さんが責任を持ってスペルディアに送ってくれるということなので、俺とリーチェとヴァルゴはそのままマグエルに帰宅した。



 自宅に戻った俺達は、まず離れの状態を確認する事にした。


 建ててからそんなに経ってはいないし、換気と掃除くらいは適当に済ませているんだけど、ターニアを貰ってからは誰も使用してない施設になっちゃってるからね。


 建物の状態は問題ないと思うけど、寝具や家具の状態、食糧の備蓄や炊事場が使えるかどうかなどを3人で手分けしてチェックする。



「寝心地はどうかなヴァルゴ? 寝具に不具合は無さそう?」



 炊事場を調べているリーチェのおっぱいを後ろから鷲掴みにしたり、寝具を確認しているヴァルゴをベッドに押し倒してキスしまくったりしたせいで時間はかかったけれど、概ね問題は無いようだ。


 明日から使用予定の寝具を汚すわけにはいかないので、キス以上のことが出来ないことだけが問題だなっ。



「俺達がマグエルに居るときは一緒に食事できるけど、離れにも備蓄は必要だよね?」


「そうですね。2人とも簡単な家事は出来るそうですし、食材さえ用意しておけば自分たちで腹を満たしてくれるでしょう」



 流石に食料の備蓄は残っていなかったので、買物がてら3人でマグエルの市場をデートした。


 マグエルを改めてゆっくり回ってみると、去年とは比べ物にならないほど賑ってるのを実感する。



「あ、このお店も見たことないなぁっ! ……ねぇダン~?」


「……勿論買ってあげるけど、本当にリーチェは良く食べるね? おっぱい何処まで大きくする気なの?」


「え~? 流石にもう大きくはならないと思うけどぉ……。もっと大きいほうが、好きぃ……?」



 む……! なんて素晴らしくも難しい事を問いかけてくるんだコイツは……!



 どうだろう? 俺はリーチェにもっとなってもらいたいだろうか?


 既にムーリと並んでうちの家族では最大クラスのリーチェのおっぱい、可能ならばいけるところまで走り続けてもらうべきか……!?



 いや、俺は別にリーチェを自分好みに染め上げたいわけじゃない。そのままのリーチェを愛したいんだ。


 自然に大きくなるなら大歓迎だけど、無理に大きくしてもらう必要は無いだろう。既に十分過ぎるサイズですし?



「冗談のつもりだったのに、そんなに真剣に悩まれても困るよ……? ぼくもう500歳近いから流石にもう大きくならないと思うしさ……」



 ちょっと残念そうなエロ神様に、こっちこそ落ち込まれても困るよとキスをする。


 必要な買い物を済ませた俺達は、屋台で適当に購入した料理を頬張りながら広場でひと休みすることにした。



「……今日はちょっと衝撃的過ぎて、まだちょっと受け入れられてないよぅ……」



 俺の左腕の中に収まっているリーチェが、ため息交じりに口を開く。



「信仰心をあまり持たないエルフ族が、実はトライラム様と最も近しい存在だったなんてさぁ。勿論まだ本当だと決まったわけじゃないんだろうけど……。はぁ~……」



 エルフにしては修道士の職業も得て、礼拝日の手伝いも積極的にしているリーチェにはショックが大きかったのかなぁ。


 そんなリーチェの言葉に、俺の右腕の中に収まっているヴァルゴが返事をする。



「確かにまだ分かりませんが、かなり信憑性のある話だと思いますよ? だってトライラム教会で聞いた話って、旦那様が守人たちに職業の加護を授けてくださった時の話のようにしか聞こえませんでしたからねぇ」


「……ほんとにね。マジでそのせいで俺は崇拝されてるみたいだからな~……」



 トライラム様がエルフだったとして、法王のスキルで人々に職業の加護を齎したトライラム様への人々の信仰は、きっと凄まじいものだったに違いない。


 職業を齎したのがトライラム様であるなら、トライラム様が現れるまでは職業という概念も無かったのだろうから。



 物理を超えた加護の力である、職業補正と職業スキル。そんな力を授けてくれたトライラム様が神格化されるのも無理はない。


 自分で言ってて、ペネトレイターの態度が改善する可能性の低さに思い当たって泣きそうになってしまったけど、今はそれは置いといてだ。



 人々に神と持て囃され、世界中の人々に崇拝されたトライラム様だったけど、本人だけは知っていたのだ。職業設定はこの世界の人間なら誰もが手に出来る可能性のある、職業スキルの1つでしかない事に。


 この時のトライラム様の心境は想像することしか出来ないが、もし俺だったら勘弁してくれとしか思わない。



 トライラム様が人々を支配し甘い汁を啜ろうとする人だったのなら、きっと篤志家の浸透は不可能だっただろう。


 人々に献身的に尽くせるトライラム様だったからこそ、自分に集まる信仰の篤さに危機感を抱いたんじゃないだろうか。



 トライラム教会の教義はあまりにも高潔で潔癖だ。


 こんな教義を残す人は、きっと宗教なんて興さないと思えてしまうくらいに。



 奪うな。貰うな。受け取るな。


 騙すな。騙るな。押し付けるな。


 他人に施せ。万人に尽くせ。全員を愛せ。



 あまりにも崇高な教えの様に聞こえるけど、トライラム様の正体を知った上で考えると、この教えの本質は恐らく『神を見るな』ってことなんじゃないかと思う。


 神として崇拝され、世界中の人に頼られたトライラム様は、(自分)に頼らず自立しろという教えを遺したんじゃないんだろうか。



 ……まぁ、全部俺の想像でしかないけどね。



「……なんだか本当に旦那様の話のように聞こえてしまいますね? 自分を見るな。面倒だと言ってなかなか表舞台には立とうとしませんし、困っている人も無条件で助けたりしないで、最終的な自立を促しておりますし?」


「トライラム教会ではダンのこと、トライラム様の御使いだと思われてるって話だったけどさぁ。御使いどころかこれじゃ本人だよね。やってることが完全にトライラム様と一緒だよ?」


「いやいやいやっ! 2人とも、流石にそれは不敬が過ぎるよ?」



 だって俺の行動原理って、みんなとエロエロでラブラブな日々が過ごしたいだけなんだよ?


 俺が祝福の神と見做されちゃったら、トライラム様もめちゃくちゃスケベだったって事になっちゃうからね?



 祝福の神ではなくただのスケベ男の俺は、リーチェとヴァルゴの服の中に手を突っ込みながら自宅に転移したのだった。



 帰宅してからも散々2人のことを可愛がりながら食事の用意を済ませ、全身脱力状態の2人を寝室に連れ込み徹底的に追撃をしながら全員の帰宅を待った。



「ただいまなのじゃーっ! って、妾たちが最後だったのじゃ?」


「お帰りフラッタ。夕食の準備も出来てるから手を洗っておいでー」


「はーいなのじゃーっ」



 ヴァルハール組が帰ってきて、全員の帰宅が完了した。



 配膳を済ませたら完全にグロッキー状態のリーチェとヴァルゴを両側に抱いて、中央の俺の膝の上には我が家の末っ子フラッタがちょこんと納まった。


 フラッタは可愛いなぁもう。



「ふっふっふー。今日は色々話す事があるよー?」


「なになにー? ダンがそんな風に言うのは珍しいのー」



 食事をしながら今日の出来事を報告する。



 トライラム様の話にはみんな大いに驚いてくれたけど、ショックを受けたという感じではなく、本当に純粋に驚いたという感じだった。


 敬虔なエロシスターであるムーリですら、トライラム様エルフ説に悪感情は抱かなかったようだ。



 しかしトライラム様と俺のやっている事が同じだというリーチェの言葉に、みんなが声を揃えてまるで納得がいったかのように「あ~……!」と言ったことだけは許さないからねっ。



「チャールとシーズって女の子が離れに住むの? その子たちもお嫁さんになるのかな?」


「……うんニーナ。俺が出会った女の子をみんなお嫁さんにしようとするのはやめようね?」



 流石に10代前半の子を嫁に貰うわけにはいかないよ。


 膝に乗ってる世界一可愛いフラッタのせいで、俺の言葉には欠片も説得力が無いけども?



「職業に関する資料作りと、その知識をトライラム教会を通して人々に伝えていくっていうのは面白いわね。教会なら安心して任せられるし」



 ティムルは過去のことよりも、未来の事に想いを馳せているようだ。



 ちなみに、職業のガイドライン作りはみんなにも協力してもらうつもりだからね。


 犯罪職や種族専用職、好色家や好事家みたいな特殊職もあるから、チャールたちにどこまでの資料作りをお願いするか話し合いたいのよ。



「教会に法王のことは明かしたのに、分析官の事は教えなかったのじゃな? とすると、今の教会幹部が法王に辿り着くのは難しい気がするのう」


「正直迷ったんだけどね~……。法王のことを告げたのさえ大サービスかなって思ったんだ」



 俺の膝の上から背伸びする様にして俺を見上げるフラッタが、分析官について言及してくる。



 鑑定や職業設定はかなり強力なスキルで、そして今この世界には無くても問題ないスキルだとも思ってるからな。


 自力で辿り着くならまだしも、ヒントを与えすぎるのは良くないかなって。



 俺だけがチート能力を享受しておいて言えることじゃないかもしれないけど、あまり広めすぎるのも危険な職業スキルの気がしたんだよ。



「ダンさんってえっちなことがしたいから他のことを頑張るって言ってましたよね? それじゃもっともっとえっちなことをさせてあげたら、トライラム様よりも凄いことをしてくれるんですかねぇ?」



 マシュマロおっぱいを俺の顔に押し付けながら問いかけてくるエロシスタームーリ。


 こんなムーリが凄いことって言うと、完全にエロい意味にしか聞こえないな?



「建国の英雄譚だけでなく、祝福の神トライラムの正体まで暴いてしまうなんて信じられません。これでダンさんはまだこの世界で1年くらいしか暮らしていないって言うんだからびっくりですよ」


「なんだか世界って良くも悪くも色々な嘘が蔓延しているものなんですねぇ。他人に人生を捧げてきた私の生き様のほうが本物に思えますよ?」


「トライラム様がエルフである可能性に辿り着いたのがダンさんじゃないってことのほうが驚きなの。これからの子供達って、今までの常識では測れなそうだよねぇ」



 ラトリア、エマ、ターニアがそれぞれ感想を口にする。



 ターニアの言う通り、これから頭角を現してくる世代は、コレまでの常識を悉く覆していく世代になりそうだよ。


 今回のチャールの考察だって俺の想像を超えたものだったしさ。



 子供達の将来にワクワクしながら、みんなと寝室に引っ込んだ。






「……あれ? そう言えば……」



 寝室でみんなを何度も愛し、フラッタと正面から愛し合っている時だった。


 嫁に貰って半年くらい経つのに、フラッタのおっぱい、全然成長してなくね? と疑問に思ってしまった。



 この世界の誰よりもフラッタのおっぱいと向き合ってきた俺だから断言できる。


 初めてフラッタのおっぱいに触れたときから今になっても、フラッタのおっぱいに変化は皆無だと。



 母親であるラトリアのおっぱいは割と大きめ、ティムルより少し小さいくらいのサイズだ。


 父親であるゴルディアさんも、マインドロードの擬態を参考にするなら竜人族に相応しい立派な体格をしていた。シルヴァも長身でスラッとしたイケメンだ。



 なのにフラッタはおっぱいは勿論のこと、身長も殆ど伸びていない気がするんだけど……。


 コレはいったい何故なんだろう?



「えっと、妾のおっぱいが大きくなっていない理由を問われても、妾にはさっぱり分からないのじゃ」



 当然フラッタ当人にも分かるはずはなかった。当たり前ですね。



 おっぱいのサイズも、他の場所のサイズも変化が無いのは何でなのかなぁ?


 竜人族のフラッタは、エルフみたいに長命でもないのに。



「ん~。もしかしたら職業補正のせいなのかのう? 身体操作性補正が妾の体に作用しているとか?」


「身体操作性補正が成長に作用する? そんなことあるのかな?」


「妾はみんなと会ってからとても可愛がってもらえたからの。このままみんなにずっと可愛がって欲しいと、無意識に成長を止めてしまっているのかもしれないのじゃ?」



 自信なさげに答えるフラッタ。



 言われてみればリーチェが内臓にまで補正を適用させてみせたわけだし、戦闘中は俺だって神経や筋繊維の1本1本に至るまで補正を巡らすイメージをしている。


 職業補正が成長に影響しないとは言い切れないか。



「けどフラッタ。別に大きくなったってみんなお前のことが大好きだよ?」


「えへへっ。妾もみんなのことが大好きなのじゃっ!」



 俺を両手でぎゅーっと抱きしめてくれるフラッタ。


 コレをされると安心感を覚えちゃうんだよなぁ。



「でも妾たち家族は、妾とニーナ以外はみんなおっぱいが大きめじゃろう? 更には2人とも、自分よりおっぱいの大きい母親が一緒に抱かれているのじゃ。だから母上やターニアと一緒の体になるよりは、今の小さい体の方がダンが喜んでくれる……、と考えていたかもしれぬな?」



 ん、確かにフラッタの言う通り我が家では巨乳率が高い。


 リーチェ、ムーリを頂点に、ラトリアとティムルはほぼ同サイズ。エマ、ヴァルゴ、ターニアも女性らしい柔らかく丸みを帯びたサイズのおっぱいをしている。


 だから俺がおっぱいに飽きない様に変化をつけるため、ニーナとフラッタはあえて小さいままで過ごそうって?



 ……そんな馬鹿なとツッコミを入れるよりも、俺のためにありがとうと言うべきだよね。



「ありがとうフラッタ。お前の気持ちに応えて、もっともっと可愛がってあげるから」


「ふふ。妾の気持ちに関係無く好き勝手するくせによく言うのじゃ」



 呆れたように溢すフラッタに返す言葉もありません。



 しかし、職業補正は本人の望まない効果を齎すことは無いと思うんだよなぁ。無意識下で望んでいたことを汲み取ったりするんだろうか?


 そんなことを考えながら、フラッタとの情事を夜通し楽しんだ。

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