322 ※閑話 ヴァルゴとの帰省
※閑話。ダン視点。
舞台は聖域の樹海内の魔人族の集落。時系列は303話で過ごした数日のうちの1日です。
R18シーンに該当する表現をカットしております。
今日はヴァルゴと2人で、聖域の樹海の中の守人の集落に足を運ぶことにした。
俺達仕合わせの暴君メンバーの職業浸透がひと段落して、逆に浸透速度が加速しているペネトレイターの転職をお世話しなきゃいけないのだ。
魔人族の里にも装備職人と探索者が誕生したことで、今までは食肉くらいしか使い道がなかったドロップアイテムが活用できるようになった。
おかげで守人たちの魔物への認識が、憎き仇から有用な資源へと変化してしまったようで、復讐以上のやる気を持って魔物を狩り続けるようになってしまったようだ。
「まだまだ力不足ではありますが、牙を研ぐ環境は整ってきたと言って良いでしょう」
各集落を巡り、活気溢れるその様子を見て、ヴァルゴが満足げに頷いている。
冒険者の浸透が終わった者も続々と誕生していて、アナザーポータルを使った里同士の連携が非常にスムーズになり、ティムルの開発したレインメイカーのおかげで飲み水の苦労も解消された。
今や老若男女問わず、動ける者は武器を手に魔物狩りに明け暮れている。
「旦那様。本日も我ら魔人族のためにご協力いただき、誠にありがとうございました」
「俺の都合でやってる部分もあるんだから気にしないで」
深々と頭を下げて感謝を口にするヴァルゴをよしよしなでなでしてあげる。
ニコニコと顔を上げたヴァルゴは、これはお礼代わりですと、静かに唇を重ねてくれた。
「それでは参りましょうか。旦那様に里をご案内させていただけるなんて、光栄すぎて些か緊張致しますね」
活き活きと殺伐とした雰囲気を醸し出す3つの村でそれぞれ転職の面倒を見てから、ヴァルゴに改めてディロームの里を案内してもらっている。
守人の魔人族の集落は3つとも外見的には似通っていて、主に大木の洞を利用した住居で生活している。
けれど旅人や冒険者の持久力補正、行商人の所持アイテム重量軽減スキルを獲得した者が出てきたことで、より人の手が加えられた住居が増えつつあるようだ。
「旦那様。ここが私の自宅です。今は使われていませんが」
ヴァルゴに案内されたのは、大木を刳り貫いて作られた、鳥の巣箱を連想させる住居だった。
入り口は地表4メートルくらいの高さの場所にあり、上からロープが垂れている。
ロープを登った先には、ヴァルゴが余裕で横になれるくらいの大きさの穴に、動物の毛皮のようなものが敷かれていた。
部屋の入り口には仕切りも無く、とても開放的な自宅のようだ。
「自宅って言うか、寝室って感じだね。食事やトイレってどうなってるの?」
「食事もトイレも基本的に共同ですよ。人数も少ないですし食料も限られてましたから」
「へぇ~。村全体で食事やトイレを共有してるんだ」
「ふふ。旦那様のおかげで魔物を簡単に狩れる様になって、村の生活水準は一気に向上したと思いますよ?」
嬉しそうに微笑むヴァルゴ。里の暮らしが豊かになった事が嬉しくて仕方ないようだ。
でも俺のヴァルゴが扉も無い場所で寝泊りしていたと聞くと、流石にちょっと心配になる。
色々と大丈夫だったんだろうか?
「ふふ。私の貞操なら間違いなく旦那様に捧げましたから、どうか安心してくださいね」
心配する俺に、これまた嬉しそうに口付けしてくれるヴァルゴ。
この様子だと、あまり大変な目に遭った事はなさそうだ。
「それに、常に魔物に襲われる可能性のあった魔人族の集落では、脅威とは常に村の外から来るものでした。いついかなる状況で村が危機的状況に陥ってもおかしくない。そんな場所で生き抜く為に、ディローム族は一丸となる必要がありました。狼藉者が出る余裕などありはしなかったんです」
「犯罪者が出てくる余裕なんて無かった、かぁ」
確かに魔人族の集落はアウターの深いところに存在していて、装備品も職業補正も得ることが出来なかった絶望的な場所だもんね。
狼藉を働いて集落から孤立した者に待っているのは、文字通り絶望だけだ。
それに村人全員で助け合って生きているこの場所には貧富の差が無い。
となると犯罪に走る動機は、性欲か怨恨のどちらかに絞られる。
村人の殆どが魔物に対して強い憎しみを抱いていて、村人同士の仲間意識は非常に強く、性犯罪など起こそうものならまず追放され野垂れ死ぬ。
ヴァルゴくらい美人相手なら、死んでもお近づきになりたいと思う奴が出てきてもおかしくはないかもしれない。
けど命の危機より性欲を優先する男なんて、実はそんなにいないんだろうな。
ヴァルゴのかつての寝床に寄り添って座り、ヴァルゴの肩を抱き寄せる。
何かを期待して瞳を潤ませるヴァルゴにそっと口付けをして、でも押し倒すのは自重して会話を続ける。
「そう言えばヴァルゴと初めて会った時、なんかめちゃくちゃ面倒臭そうな顔してなかった? あれってどうしてだったのかな?」
俺が会話を続行したことで、ちょっとだけ拗ねたような表情になるヴァルゴ。可愛い。
ゴキゲン斜めのお姫様をあやすように頬や額に何度もキスを落とし、膨らんだ彼女の頬に頬ずりする。
すると機嫌が直るにつれて、気まずそうな表情になるヴァルゴ。
「あの時の私は、まだ対人戦には絶対の自信を持ってましたからね。ドロップアイテムを得られず、そして直ぐに死んでしまう人間の相手だなんて面倒臭くて仕方なかったんですぅ……」
俺から顔を隠すように、俺の胸に顔をうずめるヴァルゴ。
その頭を抱きしめてよしよしなでなでしてあげる。
村人のままで、30以上の職業が浸透していた俺をあそこまで追い詰めた時点で異常すぎるから、何にも落ち込まなくていいんだよ。
潤んだ瞳で俺を見上げるヴァルゴを、今度こそ押し倒してキスを……。
「ダン殿ーっ! お時間があるならお手合わせ願えんかなっ!? ダン殿が用意してくれたアウターエフェクトたちではどう、も……?」
俺とヴァルゴの唇が触れ合うか触れ合わないかというタイミングで、大声を張り上げながらロープを登ってくるカランさん。
察知スキルは随時発動していたんだけど……。この人、魔迅まで発動して駆けつけやがったなぁ?
「…………俺としたことが、とんだ粗相をしてしまったようだな」
俺とヴァルゴの状況を見たカランさんは、心底申し訳なさそうな顔をする。
「ダン殿。ヴァルゴ。どうか俺に構わず続きを……」
「でででで、できる訳ないでしょーーっ!! なんてタイミングで現れるんですか、この馬鹿師匠ーーーっ!!」
真っ赤になって暴れるヴァルゴ。
でもダメだよ。俺の腕の中から逃げようったって、そうはいかないからね。
「んぐぅっ!? んんんっ!! んーっ!! んんんーーっ!!」
カランさんに意識を向けていたヴァルゴにキスをして、暴れるヴァルゴを拘束するように強く抱きしめる。
俺に押し倒されておきながら他の男に意識を向けるような悪い妻には、きつ~いお仕置きが必要かな?
ヴァルゴにお仕置きを繰り返し、俺だけを見ろと躾けるようにキスをする。
ヴァルゴがカランさんの存在を忘れて俺に思い切り抱きついて来たのを確認して、ヴァルゴをよしよしなでなでしながら口を離す。
「はぁぁぁ……。旦那さまぁ……。離れちゃ嫌です……。もっと、もっとぉ……」
「分かってるよ。大好きなヴァルゴにはもっといっぱいキスしてあげるからね」
固まったままのカランさんからヴァルゴを隠すように背を向けて、背を向けたままカランさんに声をかける。
「カランさん。5分したら行くから準備して広場で待っててくれる? 俺もヴァルゴもすぐ行くから」
言うだけ言ってキスを再開する。
ヴァルゴは完全にカランさんの存在を忘れ去ってしまったようで、両手両足で全力で俺に抱きつきながら全身をくねらせるように俺に口を押し付けてくる。
「じゅ、準備は済ませておくゆえ、急がず参られよっ! それでは失礼するっ!」
逃げるように去っていったカランさん。
あまり時間がないみたいだから、ちょっとだけ激しめにいくよ。
いっぱい気持ちよくなってね。大好きだよヴァルゴ。
急いでヴァルゴを愛してから、彼女の息が整うのを待ってカランさん達がいる広場へと向かった。
「そっ、それでは胸をお借りするっ! 皆の者、この機会を決して無駄にするでないぞっ!?」
少し気まずそうにしているカランさんから鉄の槍を受け取り、俺とヴァルゴが受け手になって魔人族たちを1人1人相手する。
久々に扱う槍、そして全員が達人級の腕前を持つペネトレイターたちの相手はなかなかに楽しい。
全体的に職業補正も累積してきているので、全員があの時のヴァルゴを上回る実力者ってのが本当に凄いね。
「くぅぅっ! 元々この村最強の護り手であったヴァルゴはともかく、本来は剣使いであるダン殿に槍で負けるのは悔しいなぁっ!」
「はっ! そんな楽しそうに悔しそうって言われても、全っ然説得力無いよ、カランさんっ」
ヴァルゴの槍の師匠らしいカランさんは、純粋な技術や鋭さではヴァルゴに1歩譲るものの、相手の意識を翻弄する技術はヴァルゴよりも数枚上手で手合わせが楽しい。
職業補正を意図的に押さえつけ真正面からカランさんと打ち合うことで、ヴァルゴには無い意地の悪さを学んでいく。
「元々ヴァルゴが村最強の使い手だったの? でもカランさんはヴァルゴの師匠なんじゃ? こうして槍を合わせても、カランさんはヴァルゴの師匠に相応しい実力に感じるけれどな」
「ふははっ! ダン殿はもう我らに槍を説くほどの腕になってしまったのかっ。こうして槍を合わせていると、貴方が本来剣士であるとはとても信じられんなっ!」
獰猛に哂いながら嵐のような槍の雨を降らせるカランさんの槍に全力で応える。
ぶつかりあった衝撃で槍が撓むことすら利用する技術。
全身がバラバラに意志を持っているかのような、相手を騙し己の意を隠す駆け引きの巧みさ。
ヴァルゴと槍を合わせても、カランさんがそう簡単に負けるとは思えないけどな?
「俺の槍など所詮は小手先の技術に過ぎん。純粋に槍の技術を高めた先に到達するのはヴァルゴの槍なのだ。至高の槍と呼ぶには、俺の槍には不純物が多すぎてなぁっ!」
「不純物ねぇ。そういうものなんだ?」
対人技術として考えれば、カランさんのほうが上手な気がするけどなぁ。
槍の達人としては思うところがあるのかもしれない。
でも俺は雑食だからね。カランさんの不純物も取り入れて消化してみせるさ。
……ペネトレイターの訓練とか言いながら、結局俺の方が得るものが多い気がするな?
ペネトレイター全員をしっかり床に転がした後、ヴァルゴとも本気で槍を合わせて稽古を終えた。
「ダン殿とヴァルゴの槍は正に対極だな。ダン殿の槍は俺の槍に近いかもしれん」
俺とヴァルゴの手合わせを見たカランさんが、感心したように呟いた。
槍を極める為に槍の技術を磨き続けるヴァルゴと、自分の戦いに活かす為に磨かれる俺の槍。
俺にとっての槍の技術は、カランさんの言う不純物と変わらないのかもしれない。
「そうですね。槍使いとして高みを目指すために様々な方法を試す師匠と、強くなる為なら技術の種類を問わない旦那様の姿勢は似ているかもしれません」
カランさんの評価を聞いたヴァルゴも、納得したようにうんうんと頷いている。
「ただし旦那様は、剣以外の技術を不純物だなんて思っていないのでしょうけれどっ」
俺に両腕を絡ませてしなだれかかってくるヴァルゴ。
普段は護衛として、1歩引いたように振舞うことが多いヴァルゴがここまで積極的なのは新鮮だな?
魔人族の村で俺が襲われる事はないと思って安心してるとか?
まぁ可愛いからなんでもいいや。よしよしなでなで。
「不純物っていうか、全部が俺を構成する要素だと思ってるかな? 剣も槍も魔法も、全部が合わさって俺を形作ってるんだと思ってるよ」
「ふふ。剣も槍も魔法もこれほど極めておられるのに、そのどれにも拘ってないのが旦那様らしいですっ」
ゴキゲンな様子で俺の腕に抱きついてくるヴァルゴ。
ヴァルゴがこんなにデレるのは珍しいなぁ。
さっき愛し合ったばかりなのに、デレデレヴァルゴが可愛すぎてまたしたくなってきちゃうよ。
「先ほどは失礼したが……。槍と添い遂げそうだったヴァルゴがここまで女になるとはな。流石に俺も想像だにしていなかったぞ」
「あ、それ面白そうな話だね。俺と会う前のヴァルゴの話とか興味ありすぎるんだけど」
「ちょちょっ!? だめですっ! ダメですよ師匠ーっ!?」
照れてカランさんの口を封じようとするヴァルゴを、ぎゅーっとしたりよしよしなでなでしたりしたり可愛い大好き愛してるの囁き口撃で足止めして、カランさんに続きを促す。
「俺がヴァルゴの才能に惚れ込んで、熱心に指導しすぎたのも悪かったんだがなぁ。ヴァルゴの判断基準は常に槍になってしまったのだ」
「ヴァルゴはそれほど槍に情熱を傾けていたってことなんだね」
「里で1番の槍の使い手となっておきながら、自分と同等以上の使い手にしか興味を示さないという、本当に面倒くさい女になってしまってな? 流石に頭を抱えたものだよ……」
俺の腕の中で暴れるヴァルゴを抱きしめて、ちゅっちゅっと頬に何度もキスをする。
照れてるヴァルゴも凄く可愛いよ。紫の顔が真っ赤になっちゃったね。
「職業補正の差もあっただろうが、初見でヴァルゴとやりあって生き延びただけではなく、正面から槍でヴァルゴを打ち負かしてしまったダン殿に、槍馬鹿のヴァルゴが惚れない筈はなかったのだ」
「あの時の、槍の切っ先のように研ぎ澄まされた殺意を纏ったヴァルゴも、最高に綺麗だったよー?」
「う、うぅぅ……! そ、その節は失礼しましたぁ……」
「それだけでもベタ惚れだっただろうに、ダン殿は魔物の襲撃をアッサリ蹴散らし、ディロームの集落の窮地を救い、その上職業の加護まで齎した救世主だったからなっ。もうダメ押しもダメ押しよぉっ!」
救世主って言われても嬉しくないんですけどぉ。
救世主は嬉しくないけど、ヴァルゴが俺に惚れてくれたのは最高に嬉しいよーっ! ちゅっちゅっ。
「ディローム族の守護をまとめる立場としては、ヴァルゴには立派な子を産んでもらいたいという気持ちもあるんだがな。魔人族を導くダン殿に寄り添うのもまた、護り手に相応しい生き方なのではないかと思うのだ」
目の前でいちゃつく俺とヴァルゴを見るカランさんの目は細められ、まるで娘の幸せを喜ぶ父親のような表情を浮かべている。
「これから守人たちは森の外に目を向けねばならん。だからこそ最強の使い手であるヴァルゴが、先陣を切って森の外に飛び出していくのがいいのではないかとなぁ」
「……旦那様の御子を授かれないのは私も残念ですし、師匠にも申し訳なく思っています。でも今の師匠の言葉、とても嬉しく思います。旦那様に寄り添うのもまた、護り手に相応しいと言ってくださって、本当にありがとうございます……!」
落ち着きを取り戻したヴァルゴが、カランさんに深々と頭を下げている。
なんか娘が父親から巣立つシーンみたいに思えちゃうな?
子供かぁ。子供ばっかりは仕方ないんだよなぁ。
恐らく転移前の大量の質問の中に、異種族でも妊娠が可能な世界を望むかどうかに関する設問もあったんじゃないかなぁ。
大量の質問に少し嫌気が差しながら適当に答えていった俺は、妊娠システムとか面倒臭そうだなーくらいに考えて回答してしまったのかもしれない。
今更それを後悔したって意味は無い。
もう元の世界に戻ることは出来ないし、もし仮に妊娠が可能な世界に行くことが出来ても、そこはみんなが居る世界じゃないんだから。
「ごめんヴァルゴ。帰る前に寄り道していいかな?」
ディロームの集落を後にした俺は、ヴァルゴを連れてマグエルの高級宿に駆け込んだ。
みんなと合流する前にヴァルゴを愛してあげたくて仕方ない。
すっかり常連と化したいつもの高級宿のベッドに、ヴァルゴを押し倒してキスをする。
「大好きだよヴァルゴ。お前に子供を産ませることが出来なくて本当に申し訳ないけど、その分ヴァルゴ本人を生涯愛すると誓うよ」
「私も旦那様のことが好きで好きで堪りません。御子が授かれなくて構いませんから、何も気にせずどうか私に愛を注いでくださいませ」
身も心も深く繋がって、汗だくになって何度もヴァルゴと肌を重ねる。
家に帰るまでの僅かな時間、しつこいくらいにお互いの愛を確かめ合った。
槍の手合わせをしたせいかな? いつもよりも随分積極的だね。
みんなほど絶望していたわけじゃないくせに、みんなと変わらないくらいに俺に依存してくれちゃってぇ。
「愛してるよヴァルゴ。愛してくれてありがとうヴァルゴ」
愛するヴァルゴに愛されて、最高に幸せだよ。
幸せすぎて、その気持ちが溢れて溢れて止まらないよぉ。
溢れた気持ち、何度だってヴァルゴに届けてあげるからね。
※こっそり設定紹介
職業の加護を得られるまでは、ヴァルゴとカランの戦績はほぼ五分五分でした。
今回ダンとヴァルゴの逢瀬を邪魔した時のカランは、造魔アウターエフェクトでは訓練にならないので2人に稽古をつけて欲しいと思い、喜々として駆けつけたのでした。
集落全体が1つの家族という認識の守人たちなので、槍の訓練の為に共に過ごす時間が多かったヴァルゴとカランは、まさに互いを父と娘だと認識しています。
槍が判断基準だったヴァルゴにとって、ダンが現れる前の伴侶の第一候補はカランだったのですが、既に愛する伴侶も子供も居る上、ヴァルゴの事も実の娘として愛しているカランは、里の未来の為に若者同士でくっついて欲しいと思っていました。
もう少しダンとの出会いが後れていたら、このまま行き遅れるくらいならとカランが貰っていたかもしれません。
しかしヴァルゴとカランがお互いに抱いていた愛情は、あくまで家族としての親愛、そして槍使いとしての敬愛であり、恋慕の情ではありませんでした。
なのでダンという守人を上回る槍使いが現れた時、ヴァルゴは即座に恋に落ち、カランはすぐさまヴァルゴをダンに差し出したのでした。
余談ですが、槍馬鹿だったヴァルゴにとって、実はダンが初恋の相手だったりします。




