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【全年齢版】異世界イチャラブ冒険譚  作者: りっち
5章 王国に潜む悪意1 嵐の前
298/637

298 最強の水準

※R18シーンに該当する表現をカットしております。

 前半に装備品の情報が大量に表示されます。閲覧するデバイスによっては、大変読み辛い文章になっているかもしれません。

 ウェポンスキルを付与した結果、各々の武器はこんな感じになった。



 ダン


 神鉄のロングソード

 焦天劫火 装備品強度上昇+ 魔法妨害+ 魔力吸収+ 絶空




 ニーナ


 呪物の短剣

 ランダム状態異常付与+ 貫通+ 魔力吸収+ 重連撃 絶影


 アサシンダガー

 貫通+ 物理攻撃力上昇+ 魔法妨害+ 重連撃 絶影




 ティムル


 オリハルコンダガー           

 叫喚静刻 物理攻撃上昇+ 体力吸収+ 魔力吸収+ 乱気流    


 オリハルコンダガー

 ランダム状態異常付与+ 魔法妨害+ 貫通+ 装備品強度上昇+ 乱気流




 フラッタ


 ドラゴンイーター

 対竜族攻撃力上昇+ 物理攻撃力上昇+ 貫通+ 体力吸収+ 剛震撃




 リーチェ


 翠緑のエストック

 魔法攻撃力上昇+ 魔力吸収+ 貫通+ 断空 絶空


 世界樹の星弓

 行動阻害+ 魔法攻撃力上昇+ 魔法妨害+ 牙竜点星 外待天弓




 ヴァルゴ


 災厄のデーモンスピア

 魔法妨害+ 魔力吸収+ 貫輝閃 破旋衝 貫通+




 鑑定禁止のリーチェの武器に関しては、リーチェからの自己申告だ。


 スキル付与もリーチェ本人が行なったので、鑑定事故の心配はない。



 う~ん。ニーナとリーチェ、ヴァルゴはウェポンスキルを2つ付与出来ているのは羨ましいなぁ。


 焦天劫火にはなんの不満も無いんだけれど、殆ど全ての攻撃魔法を切れる断空は持っておきたかった。


 絶空付与を選んだのは俺自身なんですけどね。



 手合わせでもウェポンスキルを試してみたけれど、対人戦ではやはりウェポンスキルは効果を発揮しないようだ。


 強力な能力だけに、悪用されにくくなるようにしっかり安全装置が備えられている。



 マグエルの手前の野営地で槍円舞を放った男は、スキル発動前に俺から離れろ的な事を言っていたような気もするけれど、槍円舞って効果範囲もそんなに広くないから、普通に槍のなぎ払いに巻き込まないように警告しただけだったのかな?



 しかし、断空による攻撃魔法の切断は対人戦でも効果を発揮するようだ。


 対人戦では攻撃魔法はそもそも役に立たないんだけれど、パーティメンバーの攻撃魔法すら斬ってしまえるのは少し驚いた。


 使い道があるかは不明だけど、この仕様は覚えておくとする。



「ウェポンスキルにしても攻撃魔法にしても職業補正にしても、魔力を使って行使できる能力って基本的に魔物と戦うための力なんだねー。神様は人間同士に争って欲しくなかったのかも?」


「あはーっ。それはとってもロマンチックな考え方じゃないっ。装備品の補正も魔物にしか適用されないし、ニーナちゃんの言っているように、きっと神様は優しい方なんでしょうね」


「うむっ。正しい知識を身につけておれば、常人とてイントルーダーと戦える力を持つことは可能なのじゃっ。誰もが力を持つことが出来て、そしてそれが人同士の争いに使用されにくいというのは、改めて考えると本当に面白い仕組みなのじゃー」


「う~ん……。ダンが来る前と後の違いは大きすぎるよぉ。職業を失った魔人族と大差が無いくらいに、ぼくたちは色々な祝福を失ってしまっていたんだねぇ……」


「ふふふ。なら旦那様に色々と汲み取ってもらえて、神様もお喜びでしょう。私も旦那様のおかげで、この世界を生み出してくれた大いなる存在に今までより深く感謝できるようになった気がしますよ」



 うちの家族はみんなこの世界に虐げられてきたと思っていたけれど、この世界のシステムへの理解が進むほどに、この世界は人に優しい世界だったのだと思い知る。


 みんなを苦しめていたのは世界ではなく……、人の悪意だったわけだ。



 神様への感謝に満たされて、なんだかほっこりした雰囲気になってしまったので手合わせは終了だ。


 神様への感謝の次は、俺の愛でみんなを満たしてあげないといけない。宿に戻ろうっ!



 パールソバータの宿に戻ると、ラトリアたちもムーリたちも既に到着していた。


 リーチェがフォアーク神殿で竜殺しの職業を得て戻ってくる間に、ただいまとお帰りのキスを交わす。



 こうしてみんなと触れ合って感じるのは、みんなポータルを使えるようになった今、パールソバータで宿を取る意味があるのかどうかということだ。


 夕食の支度やベッドメイキングを任せられるのはありがたいんだけど、それで毎日金貨25枚って高すぎるよね?


 でも収入の方が圧倒的に多いんだよなぁ……。



 奈落の最下層に来てからはドロップ品の量は激減しているんだけれど、資産価値として考えると跳ね上がっちゃってるからね……。


 やはりどんどん世の中に流してしまうべきかな? 年末の奴隷落ちなんて慣習は無くしてしまうに限る。



 ムーリをぎゅーっと抱きしめて、その低反発マシュマロボディを楽しんでいると、俺の腕の中からムーリに詰め寄られる。



「ダンさんっ! 子供達になんて言ったんですか!? あの子達ったら喜び勇んでダンさんの悪口をマグエルで広めちゃってますよっ!?」



 なぁ~にぃ~? それは由々しき事態だねぇ。


 ここは保護者であるムーリにいっぱいお仕置きしてあげないといけないなぁ?



「ゴブトゴ様からも愚痴のような連絡が来ています。どうやら陛下は皆さんの事を諦め切れないみたいですよ」


「あのボンクラ国王がどうしたって?」


「どうやら今度は私を伴わせずに、仕合わせの暴君の女性メンバーだけを登城させようと目論んでいるみたいなんです。皆さんの方が私より圧倒的に強いんですけどねぇ……」



 うんざりした様子のラトリアから、非常にどうでもいい報告が齎された。


 あの国王って最高に無能なんだけど、国王があれだけ無能でも国が成り立ってるのって凄くないかな?



 ゴブトゴさんが国王を宥めているらしいけれど、王国中に広まった終えの悪評を真に受けて、俺を排除してリーチェを救出しようと声を上げる貴族が集まってきているらしい。



「国王と貴族に目を付けられてるってことなんだろうけど……。あの国王を見ちゃった後だと、あまり危機感を抱けないなぁ」


「私も同感です。あの場で最も戦闘力の高い旦那様を無視するなど、無礼以前に無警戒すぎて……」



 権力って意外にバカに出来ないものだけど、この場合はどうなのかなぁ。


 仮に難癖を付けられたとしても、うっせぇアウターエフェクトぶつけんぞ! って造魔デーモン種でも家に放り込めば解決する話だし?


 いかん。これじゃやってることが完全にメナスと一緒だわ。



 仮にスペルド王国内に居場所が無くなったとしても……平気かな?


 今の俺達なら魔人族の集落を拠点にすることも可能だし、トライラムフォロワーや教会、ヴァルハールや開拓村も俺無しでも回るくらいには自立できている確信がある。


 煩わしいなぁとは思うけれど、やはり脅威にまでは感じないかな?



 むしろ俺に関わっている人を、俺の被害者だと認識してくれているのはありがたい。


 間違っているとは言え正義感で動いている者たちは、少なくとも表面上くらいは被害者の味方をしてくれるだろうからな。



 ラトリアからのどうでもいい報告に想いを巡らせていると、ターニアが俺に腕を絡ませてニーナより大きなおっぱいをむにゅうっと押し付けながら、大丈夫だよと励ましてくれる。



「まだ完成してないから出来ればお披露目は避けたいんだけど、最悪の場合は私達が住んでいた家に隠れ住んでもいいからねっ。ダンさんがお尋ね者になったとしても、匿える場所はいっぱいあるよっ」


「あら、まだニーナとターニアの家のリフォームは終わってないのね」


「ふっふっふー。ニーナと一緒に鋭意製作中なのっ! 世界中の人に嫌われても、私たちだけで生活できるように整備しておくからねーっ」



 呪われたターニアは長いことお尋ね者みたいな日々を送ってきたためか、俺がお尋ね者になるかもしれない状況にもまるで動じる気配がない。強い。



「俺だけなら嫌われても構わないけど、こんなに可愛いターニアをお尋ね者にはさせたくないからね。下手を打たないように気をつけるよ」



 ターニアの両頬にちゅっちゅとキスをして、ついでに唇にもちゅーーっとキスをする。



 仮にスペルド王国やこの世界の人類全体と敵対する事になったとしても、今の俺なら普通に勝てる可能性が高いんだよなぁ。


 手数は造魔と魔物の使役で足りるし、造魔竜王のドラゴンサーヴァント召喚なんて、魔力さえ続けば無限湧きが可能だ。


 そして俺の武器には魔力吸収も付いているし、魔力自動回復スキルも多重に累積している状態だ。


 時間をかければ俺の方が有利になるし、短期決戦に持ち込んでもそう簡単に殺されない程度の自信はある。



 なんて考えていたら、みんなが何言ってんだこいつとでも言いたそうな、呆れた表情を俺に向けている。



「いやいや。既にダンって普通にこの世界最強だと思うよー? アウターエフェクトをソロで撃破できる戦力からして、私達以外にはほぼ居ないんじゃないかなー?」


「ダンが見たっていう断魔の煌きも、造魔で召喚されたっぽい劣化フレイムロードにパーティで挑んでいたわけでしょ? その姿が1年前のものだってことを考えても、私達とは戦力差がありすぎると思うわねぇ」



 ニーナとティムルから、すごーくあっさりとした世界最強認定を受けてしまった。



 職業浸透の知識が正しく伝わっていないのが勿体ないんだよなぁ。


 断魔の煌きなんて、もしアウターエフェクトを複数体倒した実績があるのなら、恐らくはクルセイドロアまで習得できるはずだろうに。



「母上やヴァルゴを上回る戦闘技術。リーチェの風の操作まで察知可能な五感補正。全身を包む神鉄装備に、暗殺者による気配遮断も使えるのじゃからなぁ」


「最強って言うより、万能に近いですよねダンさんって。戦闘力を差し引いても、生産スキルや移動魔法なんかも極めちゃってますし」


「ムーリの言う通り、ダンはまさに万能なのじゃ。ダンが暗殺できぬ人間など仕合わせの暴君のメンバーにすら居らぬし、ダンを暗殺できる人間もどこにもいなかろうよ」


「出会った頃の僕を基準にしてもらうと分かりやすいんじゃないかな? 今となっては恥ずかしいけれど、当時の僕は世界最強の1人として数えられることもあったからね。近接戦闘ではラトリアの方が上だったと思うけれどね」


「建国の英雄リーチェさんにそう言ってもらえて光栄です。私よりもディアのほうが実力は上でしたけどね」


「ゴルディアさんには会えなかったからねー。ぼくたちはラトリアがこの世界の最強の水準だと思えばいいんだよ。竜化をしていないラトリアがこの世界の最強格だったんだ。ダンが現れる前まではね」



 フラッタとリーチェからは客観的な評価をいただいた。


 でもベッドの上でみんなに襲われたら、俺多分何の抵抗もできずに殺されると思うよ?



 でも、ラトリアが最強格と言われると納得するなぁ。


 ラトリアと同等以上だったと思われるゴルディアさんも最強扱いだったし、国王を殺すと宣言したのに戦力を理由にラトリアが罰せられることもなかったからねぇ。



 ……ラトリアが罰せられなかったのは、国王の立場がそれだけ弱いということなのかもしれないけどさ。



 初対面の俺でさえボンクラだと感じる国王だったからね。


 政務を取り仕切るゴブトゴさんや文官たちの評判は、非常によろしくないだろう。



「確かに旦那様を除けば、ラトリアが最も技術が洗練されていると感じましたね。ラトリアとの手合わせは、技術の研鑽に加護の有無など関係ないのだと、非常に嬉しく思ったものですよ」


「ラトリア様の剣の技術は間違いなく世界最高峰だし、ヴァルゴちゃんの槍の技術に至っては異次元の水準と言っていいんじゃないかなぁ。その2人を同時に相手取っても息切れすらしないダンさんを殺せる相手なんて、少なくとも現時点では存在しないと思うのっ」



 ラトリアとヴァルゴの手合わせは見応えがあるんだけど、2人ともどんどんエキサイトしてきて竜化や魔迅まで使い始めるから見てて怖いんだよなぁ。


 ま、この2人は訓練で怪我をするような生半可な腕じゃないのは分かってるんだけど。



 以前からラトリアの事を武人として尊敬していて、更にはヴァルゴを最強の槍の使い手だと信じているターニアは、2人の手合わせを誰よりも真剣に観察している。


 ターニアってティムルと同い年だし、まだまだ強くなってくれそうだよ。



「今まではディアと研鑽を積むことが多かったのですけど、ダンさんとヴァルゴさんと手合わせできるのは本当にありがたいですよ。42歳なんて、竜人族としてはもう死んでいてもおかしくない年齢になってから、今まで以上に腕を磨けるなんて信じられませんっ」


「職業的には弱体化しているはずなんですけど、私の目から見てもラトリア様が腕を上げているのは間違いないと感じますね。もう私ではラトリア様の訓練のお相手をするのが難しいほどですよ」



 竜騎士LV160オーバーだった職業補正を失ったのに、前より間違いなく強くなったと言えるのは凄いなぁ。


 それもラトリアだけの自己申告だけじゃなくて、エマが客観的に見てもそう感じるというのだから間違いないだろう。



 ラトリアにはアウターエフェクトを1人でも退けられるくらいは目指して欲しいかなぁ? 本人もやる気満々だしね。


 今でも多分アウターエフェクトのソロ討伐は可能だと思うけれど、少し不安は残るくらいの水準だと思う。



「ここにいる皆さんに戦い方を教えて貰える私と子供達がどれほど恵まれているのか……、本当に想像すら出来ないくらいですよ。まだまだ私達教会が力不足であることは否めませんけど……。皆さんのご指導を無駄にしないように、これからも研鑽を続けていきたいと思ってますっ」



 これこらムーリ。


 張り切るのは良いんだけど、グッと両拳を握った拍子におっぱいが肘で潰されて大変エロい事になっちゃってるよ?



「可愛い妻たちに頼りになると思われてるのは凄く光栄だよ。ありがとね」



 ムーリとリーチェを両側に侍らせて、一旦会話を切り上げる。



「俺や仕合わせの暴君の戦闘力を理解しているみんなに、1つ聞いてみたいんだけどさ……」



 ムーリとリーチェの頭をよしよしと優しく撫でながら、2人を優しく抱き寄せる。


 この2人には今すぐ悪戯をしたいところだけれど、快感が思考の邪魔をしてはいけないから自重しないとね。



「メナスやレガリアたちも俺達の戦力を把握していると仮定した場合、敵は俺達をどうやって倒そうとしてくると思うかな?」


「「「……っ!?」」」



 俺の問いかけに、和やかだった場の雰囲気が一変する。



「……敵の立場から見て、私たちをどうやって倒すか、ですって……?」


「うん。イントルーダーを滅ぼしたことがあれば、ヴァルハールの1件で俺達が竜王を倒した事を想像できてもおかしくないからね。メナスたちには、こちらの戦力がある程度伝わっていると思うべきだ」


「……確かに。まさにぼくたちが、各地の魔物消失現象から、メナスのイントルーダー討伐を連想したんだったね……!」




 国王だったりカリュモード商会程度が俺達の戦力を把握していたとしても、さほど脅威にはなり得ないだろう。


 だけどイントルーダーを滅ぼし使役できる相手にこちらの戦力が漏れているのは、無視していいほど軽い問題じゃないはずだ。



 既に俺の悪評と世論の操作という形で攻撃を受けている状況だ。


 直接的な攻撃行為がいつ始まってもおかしくない。



 メナスの出方が分からないなら、自分達がメナスの立場になって仕合わせの暴君の攻略を考えてみることが、相手の行動を読み取る一手になるんじゃないかと期待してるんだけど……。


 みんなからは、いったいどんな意見が聞けるかな?

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