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【全年齢版】異世界イチャラブ冒険譚  作者: りっち
4章 マグエルの外へ1 竜王のカタコンベ
233/637

233 リザルト

※R18シーンに該当する表現を若干カットしております。

「何とか生き延びれて何よりだよぉ……」



 目の前に突き立てられている漆黒の両手剣を見て、心の底から安堵する。



 完全に魔力枯渇を起こす前だったからか、それとも聖者のスキルのおかげか、魔力枯渇寸前の体調不良もすぐに解消されていった。


 この世界って徐々に気持ちが悪くなるんじゃなくて、一定以上の魔力を消費した瞬間にがっつり体調崩すからタチが悪いよなぁ。



 地面に刺さっている巨大な剣、ドラゴンイーターを手に取ってみる。



「……見た目通りの重さだね。ちょっと俺には扱えないかな」



 アイテム重量制限のおかげで持つのには苦労しないけれど、振ると流石に体を持ってかれるな。


 凄まじい威力を発揮しそうだけど、扱いきれないんじゃ意味が無いよね。



「この剣はドラゴンイーター。竜族へのダメージ上昇、貫通、体力吸収、攻撃力上昇が付いてる両手剣だ。みんなに異論が無ければフラッタ用って事でいいかな?」


「えっ……!?」



 いやいや、そこは驚くところじゃないでしょフラッタ。両手剣の時点で、使い手はフラッタに決まってたようなものだってば


 みんなも頷いてくれたので、フラッタに差し出してやる。



「それじゃフラッタ。ドラゴンイーターはフラッタが使ってくれよ。竜王から出た両手剣なんて、フラッタに使われる為に出てきたとしか思えないよ」


「あ、あうぅぅ……。わ、妾には過ぎた逸品すぎるのじゃぁ……」



 差し出した剣をなかなか受け取ってくれないフラッタ。


 オロオロと落ち着かない様子でみんなの顔を見て、だけど全員に笑顔を返された事で、1度ゴクリと唾を飲みこんでから、ようやくドラゴンイーターを受け取ってくれた。



「……妾如き若輩者にはあまりにも過ぎた代物であるのじゃろうが、有り難く受け取らせてもらうのじゃ……。竜王から賜りしこの刃に恥じぬよう、これからも研鑽すると誓うのじゃ……!」



 受け取ったドラゴンイーターの刃の腹に額を当てて、まるで祈るように今後の成長を誓うフラッタ。まるで絵画のように神々しい光景だ。



 うん。やっぱりその剣はフラッタが使うのが1番いいと思うよ。


 無骨で巨大なドラゴンイーターだけど、世界一可愛い無双将軍にこれ以上ないほど似合ってるように感じるからさ。



「フラッタもそのままでいいから聞いてねー。みんなの鑑定結果を共有するよー」



 さてと、スキルジュエルだったり浄化魔法だったり試したいことが沢山ありすぎるけれど、まずは1つ1つ消化していこうか。



 職業はティムルの名匠がLV193まで跳ね上がっていて、神鉄製の防具と上位アクセサリーのレシピまで解放されたようだ。


 そして他のメンバーの職業は、俺の暗殺者とニーナの魔導師まで含めて、全て浸透が終わっているようだ。経験値やばすぎだったね。イントルーダー。



「んー。それじゃ私は冒険者から探索者を目指そうと思うの。探索者になると、パーティみんなの魔法防御力が上昇するんだよね?」


「私は魔法使いをお願いね。当分の間は感覚の違いに戸惑っちゃいそうだけど」


「妾は回復魔法士になって魔導師を目指すのじゃ。アウターエフェクト、イントルーダーと戦うにはインパクトノヴァが不可欠なのじゃ」


「これでぼくも魔導師の資格を得たはずだから、魔導師になっておきたいなぁ。ニーナもインパクトノヴァまで習得したけど、出来れば全員が使えるようになっておきたいね」


「ニーナが冒険者、ティムルが魔法使い、フラッタが回復魔法士ね。了解だよーっ」



 魔導師自体ほとんどいないらしいのに、全員がインパクトノヴァを使えるパーティとかやばすぎるな。アウターエフェクト絶対殺すマンじゃんそんなパーティ。


 ……それでも倒しきれるか分からない竜王は、本当に隔絶した存在だったんだなぁ。 




 冒険者LV1

 補正 体力上昇 持久力上昇 敏捷性上昇-

 スキル インベントリ ポータル



 回復魔法士LV1

 補正 魔力上昇 魔法攻撃力上昇-

 スキル 回復魔法




「あー……と。ティムルごめん! 魔力枯渇起こすまでは魔法使いに転職出来なかったよ……」



 ニーナとフラッタの職業を設定したところで、ティムルがまだ魔法使いを得ていない事に今更気付いてしまった。


 熱視が発現した時って魔力枯渇寸前で解除してもらったんだったなぁ。



「あはーっ。そう言えばまだだったわねっ。私も忘れてたわー」


「今魔物いないし……。修道士にするから、熱視を発動しながらヒールライトを連射してくれる?」


「了解よーっ。ちょっとだけ待っててね?」



 魔力枯渇を起こすと地獄の苦しみに襲われるので、俺が床に胡坐をかいてその上にティムルを横座りに抱きしめて、少しでも負担を軽減してやる。


 碧眼になったティムルは、ヒールライトの詠唱を始めた。



「ごめんみんなっ! ぼくちょっと先に戻ってフォアーク神殿に行ってきてもいいかなっ!? 今ならまだ、今日中に転職させて貰えると思うんだっ」


「勿論構わないよ。もうフラッタも移動魔法が使えるから問題ないしね。リーチェが魔導師になれるように、ここからで悪いけど祈っておくからね」



 ありがとうと叫びながら、ソワソワしながらアナザーポータルに飛び込むリーチェ。


 リーチェも魔導師を浸透させれば、アウターエフェクトに後れを取る可能性は無くなるだろうな。



 リーチェが転移して、俺がティムルを抱きしめているので、暇になったニーナとフラッタがお互い抱きあってよしよしなでなでしている。


 なんだろう。まるで天上のような光景ですね?



 さて、聖者のスキルのせいでティムルの魔力枯渇まではもう少しかかりそうだ。


 その間に自分の職業設定を確認しておこうかねぇ。



「おっ……! とうとう出てくれたかっ……!」



 鑑定結果に思わず声が漏れてしまう。


 ブラックカイザードラゴンを倒した事で新たに得られた職業は以下の3つだった。




 竜殺しLV1

 補正 体力上昇+ 魔力上昇+ 物理攻撃力上昇+ 魔法攻撃力上昇+

    敏捷性上昇+ 身体操作性上昇+ 五感上昇+ 装備品強度上昇+

 スキル 対竜族攻撃力上昇+ 対竜族防御力上昇+ 障壁強化



 法王LV1

 補正 体力上昇+ 全体魔力上昇+ 全体魔法攻撃力上昇+

    全体魔法防御力上昇+ 全体幸運上昇+ 五感上昇+ 

 スキル 職業設定 治療魔法 浄化魔法



 救世主LV1

 補正 全体体力上昇+ 全体魔力上昇+ 全体物理攻撃力上昇+

    全体魔法攻撃力上昇+ 敏捷性上昇+ 五感上昇+

    全体幸運上昇+ 装備品強度上昇+

 スキル 全体物理耐性+ 全体魔法耐性+

     全体自動体力回復 全体自動魔力回復

     聖属性魔法 聖属性付与魔法




 う~ん。3つとも頭がおかしい性能だなぁ。


 というか救世主って、断魔の煌きにもいるって言われた奴だよね? やっぱユニークジョブなんか存在しないんじゃん?



 竜殺しは竜王……、というか竜族を倒したから得られたんだとして……。


 スキル的に分かり難いけど、聖者の上位職としてと法王が、守護者の上位職として救世主が出た感じなのかな?


 法王と救世主って職業補正を見ると最上級職っぽいけど……。スキル融合の可能性を考えると浸透する気がするな。



 んー。それじゃメインジョブは紳商にして、追加職業で法王と救世主を上げることにしようか。


 そして紳商を上げ終わったら竜殺しになろう。




 紳商LV1

 補正 体力上昇 魔力上昇 持久力上昇 敏捷性上昇

    全体幸運上昇+ 五感上昇 装備品強度上昇

 スキル 稀少品出現率上昇




 見つけた当時はめちゃくちゃ強いと思ったんだけどなぁ紳商。


 今にして思うと、やっぱり非戦闘職だったんだなぁと思ってしまう性能だわ。



「はぁっ……! はぁっ……! はぁっ……! はぁっ……!」



 自分の職業設定を済ませると、胸に抱いたティムルから荒い吐息が伝わってくる。


 熱視も解けているみたいなので職業設定してみると、しっかり魔法使いが出ていた。これでティムルも魔法使いだね。




 魔法使いLV1

 補正 魔力上昇-

 スキル 初級攻撃魔法




「ティムル。よく頑張ったね。無事魔法使いに設定したから、もう終わりで大丈夫だよ。お疲れ様」



 真っ青な顔のティムルが落ち着くまで、優しくギューっとしてあげた。


 魔女っ娘ティムルちゃんかぁ。33歳の魔女っ娘……。アリだなっ!



「スキルジュエルの融合も試したいところだけど、リーチェがいない所で試すわけにはいかないよね?」


「うんうんっ。リーチェがいないところでは試したくないのっ」


「了解。ティムルが回復したらとっとと帰還して、みんな揃ったら検証しようね」



 ティムルを抱っこしたまま好色家姉妹に歩み寄り、ニコニコのニーナをよしよしなでなで。


 続いてフラッタをよしよしなでなでしながら、移動魔法を使った用事をお願いする。



「フラッタ。ティムルのこととムーリのお迎え、お願いね?」


「うむっ。任されたのじゃ。ドラゴンイーターを持たされた分、しっかりこき使って欲しいのじゃ」



 またまたぁ。ドラゴンイーターが無くっても任されるくせにぃ。よしよしなでなで。


 聖者と救世主の自動回復が重複したおかげか、ティムルは思いのほか短時間で復活し、フラッタと共にアナザーポータルで転移していった。



「さぁ帰ろうニーナ。帰ったらお楽しみが沢山待ってるからねー」


「うんっ。全状態異常耐性が大効果になったら移動魔法も使えるかもだしねっ。ちょうど私も冒険者になったし、みんなのこと我が家に招待できるかもっ」



 そう言えばきっかりニーナが冒険者になっちゃってるな。


 これはもう成功が約束されたようなものじゃない?



 獣化したコンコンニーナと一緒に、竜王のカタコンベを一気に駆け抜けて帰還した。





「ダンーっ! なれたよ! ぼくも魔導師になれたんだよーっ!」



 領主邸に戻ると、喜色満面のリーチェが正面から抱きついてきた。


 リーチェに抱きつかれると気持ちよすぎて、色んなことがどうでも良くなるぅ。



 右手はニーナと繋いでいるので、左手をリーチェの後ろに回して背中をさすさすしてあげる。



「ありがとうダン! おかげでぼくはようやく魔導師になることが出来たんだっ!」


「おめでとうリーチェ。でも俺のおかげってわけでもないでしょ? リーチェが頑張ったから魔導師になることが出来たんだって」


「ダンがいなかったら、僕はまだ探索者のままだったよぅ……!」



 ……なんでほっぺを膨らませながら抱き付いてくるんだよリーチェ。


 そんな可愛いことされたら堪らなくなっちゃうじゃないかよぉ! ぎゅーっ。



「魔導師はエルフ族の憧れだから、僕もいつかなってみたかったんだ……。それどころか修道士と司祭にまでなることが出来るなんて、全部君のおかげに決まってるよ……」


「……ま、リーチェが喜んでくれたのならそれが1番だよ。おめでとうリーチェ。おめでとう……」



 ニーナと一緒にリーチェをぎゅーっと抱き締める。


 そのまま暫くリーチェの感触を楽しんでいたけど、いい加減移動しないとな。ここってまだ屋敷の外なんだよ?



 でも全く放してくれる気はなさそうだったので、仕方なくニーナとリーチェには俺にしがみ付いてもらって屋敷の中に移動した。


 なんかコアラみたいだなぁ?



「あっ、お帰りなさいませ! 済みません、ただいま立て込んでいるもので……!」



 屋敷に入ると、なんだか使用人の人たちがバタバタと忙しそうにしている。


 来客もいるらしいので食堂には行かず、フラッタの私室で待機する事にしよう。ムーリもティムルもそっちにいるみたいだしね。


 

 部屋で合流したティムルに、なにが起きているのか説明してもらう。



「なんでも竜王のカタコンベに魔物が出なくなっちゃったんですって」


「え。最深部だけじゃなくて、アウター全体の魔物がいなくなっちゃったんだ?」


「そうみたいなのよぉ。これが一時的なものか魔物が枯れてしまったのかが分からないから、ラトリアさんとフラッタちゃんが対応に追われてるみたいよ」



 あー……。そりゃどう考えても俺達のせいだろうなぁ。


 竜王のカタコンベのおかげで成り立ってたヴァルハールとしては、洒落にならない重大事件ってワケかぁ。



「アウターが消滅したわけじゃないし、自然に元に戻ると思うよ。心配要らないさ」


「ほんとかリーチェ? 俺達のせいでヴァルハールが滅びたりしたら洒落にならないんだけど……」


「実際滅ぼしかけた人が今更なに言ってるの? でもアウターエフェクトよりも更に大量の魔力をつぎ込んでイントルーダーを召喚したんだろうから、アウターエフェクトよりも影響が大きくて長引いてるんだろうね」



 なるほど。分かりやすく言えば、竜王のカタコンベに魔力枯渇が起きてるのか。


 竜王のカタコンベっていう肉体が無事なんだから、そのうち自然回復すると。



「え? 今のヴァルハールの騒動って、皆さんが原因なんですか?」


「原因ってわけじゃないけど、竜王のカタコンベの最深部でかなり強力な魔物を倒したんだ。今のヴァルハールの騒ぎは、その戦闘の余波だと思うって話だよーっ」



 戸惑うムーリに簡単に説明するニーナ。



 んー、フラッタがいないとスキルジュエルも浄化魔法も試せないなぁ。


 って思ったタイミングで、フラッタが部屋に戻ってきた。



「ダンとニーナも事情は聞いたようじゃな。じゃが問題は無さそうなのじゃ」


「そうなんだ? なら良かったけど」


「うむ。普段よりも数は少ないが、先ほど魔物の出現が確認されたのじゃ。暫く様子を見ることにはなるが、リーチェの見解通り、恐らくは自然に元に戻るであろうよ」



 リーチェが既にフラッタとラトリアに見解を伝えてあったのにね。


 しかしどうしよう? このまま俺達、ここでリーパーを続けていいものか……。



「む、それを言われると確かにあまり良くないかもしれぬのぅ……」



 俺の言葉は想定していなかったのか、腕を組んで難しそうな表情を浮かべるフラッタ。



「今回の件は十中八九妾たちのせいじゃろう。妾たちのせいで、頻繁に竜王のカタコンベを機能不全に陥らせるわけにはいかぬのじゃ……」


「……でもフラッタ。登城命令が出ている今、ここより遠いアウターに行くのは難しいよ?」



 腕を組んで特大級のおっぱいの破壊力を更に爆発させているリーチェが、ヴァルハールを離れる事に難色を示す。



「登城が終わるまで休暇にしてもぼくは構わないけど、せっかく魔導師になれたから職業浸透を進めたい気持ちもあるかなぁ」


「あ、ちょうどいい流れだから、全状態異常耐性のスキル付与を試してしまおっか」


「あっ、そうなのっ! それで移動魔法が解禁されれば、スポットに戻って探索出来ちゃうもんねっ」


「ティムル。小効果の方から試してみてくれる? これで上手くいけばラッキーだしさ」


「あはーっ! 了解よーっ! ニーナちゃんの呪い、お姉さんがしっかりと緩和してあげるからねーっ」



 現在ニーナの魔除けのネックレスには、全状態異常耐性の小効果と中効果が1つずつ付与されている。


 小効果を付与する事で連鎖融合して大効果になってくれるとありがたいんだけど、どうかな?



「摂理の宝珠よ。神意に従い、加護と恩寵と祝福をここに。スキル付与」



 ティムルがスキル付与を試すと、スキルジュエルは間違いなく消費されたようだ。


 残った魔除けのネックレスを鑑定する。




 魔除けのネックレス              

 魔法耐性 全状態異常耐性+ 無し




「よっし成功だ! 間違いなく全状態異常耐性の大効果が付与されてるよ!」


「これでもっと呪いの制限が緩和されたんだねっ! もし移動魔法が使えたら、休暇がてらみんなを私の家に招待してあげたいのっ」



 いそいそと魔除けのネックレスを装着し、恐らく移動魔法を試すために部屋を出ていこうとするニーナ。


 だけどちょっと待ってニーナ。試したいこと、実はもう1つあるんだよねー。



「んっ、もちろん構わないのっ。あ、もしかしてこの前悩んでた奴かな?」


「あはは。流石ニーナ。俺の頭の中が見えてるとしか思えないよ。それじゃ早速試してみるからちょっとだけ待ってね」



 浄化魔法の詠唱を頭の中で確認する。


 ステータス異常を正常化する魔法。その習得難易度。うん、いけると思う。



永遠(とわ)鹽花(しおばな)。清浄なる薫香。聖なる水と浄き土。洗い清めて禊を済ませ、受けし穢れを雪いで流せ。ピュリフィケーション」


「「「えっ?」」」



 初めての魔法だったからか、みんなの驚く声が重なった。



 詠唱が終わると白い光がニーナを包み、ニーナの体から黒く濁った何かを抜き出し、そして空気に散っていった。


 今の黒い何かが、ステータス異常を引き起こしていた魔力だったのかな?



「ダン。今の魔法はなぁに? 初めて見たよー?」


「うん。今のは新しく覚えた魔法でね。まだ効果がはっきり分かってないんだ。だから悪いけどニーナ。ステータスプレートを見せてくれる?」


「え? うんいいよ? 己が本質。魂の系譜。形を持って現世に示せ。ステータスプレート」



 出てきたニーナのステータスプレートを、2人で一緒に覗き込む。




 ニーナ 女 17歳 冒険者 仕合わせの暴君

 ダン ティムル フラッタ リーチェ ムーリ

 ダン(隷属)




「………………え?」



 思わずといった感じで、ニーナの口から戸惑いの吐息が零れる。


 2人で覗き込んだステータスプレートには、ニーナが生まれてからずっと表記されていた2段目の情報、『呪い(移動阻害)』の文字が消え去っていた。



 よっし! 浄化魔法で解呪にも成功できたぜぇっ! これで竜王のカタコンベに潜れなくなって問題はないって奴よぉっ!



「え……? え……? ダン、これって……?」



 ステータスプレートと俺の顔を交互に見て戸惑うニーナを力いっぱい抱きしめる。



 待たせてごめんねニーナ。これでようやく君と結婚できるよ。


 明日奴隷契約を解除して、みんなと一緒に婚姻契約を結ぼうねー。ぎゅーっ。

※こっそり設定公開。


 聖者の上位職として法王。守護者の上位職として救世主が出現したのは作中で語られている通りですが、聖者と守護者の前提条件には篤志家の浸透が必要です。


 篤志家の出現条件は作中では正確に語られることはありませんが、慈善家の浸透に加えて、300人から強い感謝の念を抱かれるというのが転職条件だったりします。お金は関係ありません。


 納税を肩代わりした孤児だけでは数が合いませんが、マグエルでお金をばら撒かれた大工さんたちや商人たち、マグエル以外の教会に勤めているシスターたちなど、ダンに強い感謝の念を抱いている人間はダンが思っているよりとても多いです。

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