232 ※閑話 かくれんぼ
※R18シーンに該当する表現を大幅にカットしております。
「かくれんぼ?」
ニーナが良く分からないといった様子で首を傾げている。可愛い。
今日はみんなに、気配遮断が如何に恐ろしい能力であるかを体の奥底から体験してもらうために、家族でかくれんぼをしてみたいんだよねー。
鬼は俺。パーティから脱退して気配遮断をする。
我が家の施錠は完璧に済ませて、家の外に出るのは禁止だ。
「んー? かくれんぼはいいけど、それで気配遮断の恐ろしさが分かるって、なんで?」
「はっはっは。決まってるじゃないかティムル。気配遮断で身を隠した俺が、みんなに悪戯しまくるからだよーっ!」
みんなの冷めた視線が突き刺さるけど、悪戯の前には痛くも痒くもないねっ!
気配遮断をした俺がみんなの服を1枚1枚剥いでいくので、全員が裸にされるまでに俺を掴んだらみんなの勝ち。全員を裸に剥いたら俺の勝ちだ!
寝室はセーフティゾーンね。裸に剥かれた人は寝室にお持ち帰りされて、ご褒美という名の罰ゲームを受けていただきまーす!
「みんなが勝ったら何でも言うことを聞くから、俺が勝ったら俺のお願いを聞いてね」
どっちが勝ってもあんまり内容は変わらない気がするけどっ。
「皆さん! 油断しちゃダメです! 気配遮断されると、えっちなことをされても本当に気付けないんですっ!」
既に気配遮断からのエロいことを経験済みのラトリアが、みんなに注意を促している。
うん。最初のターゲットは決まったかなっ。
みんなの目の前でパーティから離脱し、開始の掛け声と共に気配遮断を発動する。
「わわっ! 本当に消えちゃったよっ!?」
「えええ……。目の前にいたのに、本当にふっ……っと消えちゃうのねぇ」
おっぱいを弾ませて驚くリーチェと、感心したような呆れたような微妙な雰囲気のティムル。
いや、気配遮断に姿を消す効果は無いんだよティムル。姿が消えたように見えたのは、気配遮断を発動したと同時に超高速でみんなの視界外に移動したからさっ!
靴をインベントリに仕舞って……、これで準備完了だぁい!
早速キョロキョロしているみんなに悪戯して回ろうかなーっ。
身体操作性補正を駆使して衣擦れの音すら押さえ込み、敏捷性補正を最大限に活かして、順番にみんなに悪戯していく。
「あっ!」 「えっ!?」
突然の悪戯に、みんな思い思いの反応を返してくれる。可愛い。楽しい。
さぁて。予定通り、始めのターゲットはラトリアに決定だ。
「ひゃあんっ!?」
ラトリアの肩にかかっている細い肩紐に指を引っ掛けて、足元まで一気に引き下げてやる。
毎晩のように脱がしているおかげで、ドレスの脱がせ方は最早完璧だ。
「えっ、えええええっ!?」
「はいラトリアアウトー。罰ゲームを受けてもらいまーす」
脱落者が出たら、かくれんぼは一旦中断。
気配遮断を解除して、裸のラトリアを抱いて寝室に向かう。
楽しい楽しい罰ゲームを受けてぐったりしているラトリアに、改めて罰ゲームの内容を発表する。
「ねぇラトリア。実はお前の声、他のみんなに全部聞こえてるからね?」
こっそりとリーチェに頼んで、寝室の声を外にダダ漏れにしてもらったのだ。
これで家の外には声が漏れないなんて、リーチェは本当に最高すぎるよ。
「……ふぇ? みん……、なに、聞かれて、る……?」
竜化強制解除の影響で朦朧としていたラトリアだったけど、少しずつ俺の言っている言葉の意味を理解して目の焦点が合ってくる。
赤面しながら抗議の声を上げようとした瞬間にキスをして、ラトリアの抗議を禁止する。
追加の罰ゲームでヘロヘロになってしまったラトリアはこのままベッドで休ませて、俺1人で寝室を出る。寝室の外では、緊張した面持ちのみんなが待っていた。
ふふ。みんなも気配遮断の恐ろしさ、感じてくれたみたいだね。それじゃどんどんいこうね。気配しゃだーん!
「くぅぅ……! 明らかに戦闘中よりも本気の動きを感じるよ……!」
「なんでダンさんは、えっちな時にばっかり本気を出すんですかぁ……!」
いっつもみんなとは愛し合っているけど、警戒した状態のみんなに悪戯するのって最高に楽しいなー!
みんなを1枚ずつ剥いていき、ムーリとリーチェを同時に裸に剥いてあげる。
はーい2人とも。寝室で楽しい罰ゲームの時間だよー。
うん。罰ゲームを楽しんでくれる2人の声が家中に轟いたみたいだねっ。
満足感に包まれながら寝室を出て、ニーナ、ティムル、フラッタの姿を確認する。
わざと捕まえずに悪戯を続け、最終的にティムルを寝室にお持ち帰りした。
背中に腕を回して優しく抱き締め、無防備な唇にそっと口付けをする。
ティムル。お前がやられて嫌だったこと、俺が全部上書きしてやるからね。
上書きして欲しいこと、全部俺に言っていいんだよ。
ティムルにとっては苦痛でしかなかった一方的な陵辱も、キスしながらの甘々な思い出に塗り替えてあげるからね。
ティムルの辛い思い出は、頭を撫でられながらの甘やかしキスで満たされる、甘々でメロメロな思い出に塗り替えてやったぜ。
「ティムル可愛い。大好き。ティムルも気持ちよかったかな?」
「ダンっ! ダンっ! 大好きっ……!」
激しく俺を求めてくれるティムルお姉さんを、優しくよしよしなでなでする。
ティムル、今はゲーム中だから少し待っててね。フラッタとニーナを捕まえたら、もっと甘々させてあげるから。
「はぁ……! はぁ……! はぁ……!」
寝室から出た俺を、ニーナとフラッタの甘く乱れた呼吸が出迎えてくれる。
ティムルの声が寝室の外に聞こえていたせいか、既にニーナもフラッタも臨戦態勢になっちゃってるなぁ。
これはもしかして、捕まえない方が可哀想かも?
そんなことを思いながらフラッタを寝室にお持ち帰りし、罰ゲームの体裁を整える。
罰ゲームなのでと母娘で竜化してもらい、超敏感竜化ソクトルーナ母娘に竜化が解けるまで悪戯をしまくった。
ふふ。悪戯で気絶しちゃうなんて、似たもの母娘なんだからぁ。
「お待たせニーナ。待たせちゃってごめんね」
「ううん。ダンが楽しそうだから全然構わないのっ」
満足感に満たされて寝室を出て、最後の1人となったニーナと対峙する。
ニーナは緊張した風もなく、いつも通りの様子に見えるね。
「なんかもうご褒美も罰ゲームも無い気がするんだけど、ダンはご褒美に何をしたいの?」
「え? そうだなぁ……」
ニーナに聞かれてちょっと考える。
そう言えばご褒美に何をしてもらうのかは考えてなかったなぁ。
エロいこともいいけど……。みんなとイチャイチャしながらどっか遊びに行くとか?
「いいねっ。みんなでどこかゆっくり遊びに行きたいっ!」
「やった。ニーナも喜んでくれるなら頑張り甲斐もあるよ」
「んふふー。ダン、それ負けても賛成してあげるから、遠慮なく負けていいからねっ」
おお、ニーナってば凄い自信じゃん?
俺だって勝ってもみんなのしたいことは全部やっちゃうと思うけど、勝負は勝負。真剣に挑ませてもらうからね。
いざ尋常に! 気配遮断、発動っ!
「私だって負ける気は無いのっ! 勝負だよダンっ!」
姿を消して一気に裸にしようとした俺の目の前でニーナが獣化して、狐っ娘コンコンニーナに変身する。
獣化すると五感も鋭敏になるから、それで俺の気配を察知しようとしてるのかな?
ニーナの狙いが分からず姿を消したまま迷う俺は、コンコンニーナの作戦にまんまと引っかかって、敗北を喫する事になってしまった。
……って、えええええ!? そんなのアリっすかぁっ!?
「気配遮断したダンを正攻法で捕まえるのは無理だから、ダンが罰ゲームに夢中になってる間にみんなで作戦会議したのっ」
獣化を解除したニーナは、俺の頭を撫でながら得意げに説明してくれる。
可愛いし気持ちいいし、敗因とか説明されてもニーナが大好きとしか思えない。
しかし、全員で作戦会議をしてたのかぁ……。
うん。ちょっと罰ゲームを楽しみすぎちゃったねっ!
そのままニーナと一緒に寝室に入り、俺への罰ゲームが開始される。
「ふっふっふー。覚悟してねダン。これは罰ゲームなんだからねー?」
舌なめずりするニーナ、こんなニーナもまた魅力的過ぎる。
罰ゲームはそのまんま、俺がしていたことをされ返された。我々にとってはご褒美です?
「ダンっ! 貴方、私達のこと好き過ぎだからねー?」
「可愛いお姉さんを好きにならない方が無理だってばー。好き好きー。ティムル大好きーっ」
「私も好きっ。大好きよダン。私達のこと、どこまでも愛してくれて嬉しいわぁ……」
罰ゲームなのに甘々ティムルとイチャイチャキスを楽しむ。
これってティムルの上書きになってるのかなぁ? もういいかぁそんなこと。ティムル好きー。ちゅっちゅっ。
「はぁ~……みんな可愛すぎるぅ……。大好き、もうみんな大好きぃ……」
気配遮断の有用性と危険性をみんなにこれでもかって知らしめることが出来たし、いつも以上にみんなとイチャイチャできた気がするし、今回のかくれんぼは大成功だったね!
気配遮断には無限の可能性を感じるよ。
でもかくれんぼを繰り返しても仕方ない。次回はもっと趣向を凝らそう。
※気配遮断スキルは今後のストーリーにも関わってくる部分でしたので、レーティングに触れない程度になるべく詳しく説明させていただきました。