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【全年齢版】異世界イチャラブ冒険譚  作者: りっち
4章 マグエルの外へ1 竜王のカタコンベ
220/637

220 呪物

※R18シーンに該当する表現をカットしております。

 一昨日は徹夜だったので昨晩は徹夜が許されず、みんなをたっぷりと楽しんでからお団子状態にひっついて眠りについた。


 翌日、いつもの時間に目を覚まして、モーニングデリバリーを開始。



「まだぁ……、27人分、愛してもらってないですよぉ……?」


「今日のところは許してよムーリ。俺の体は1つしかないのに、俺が愛さなきゃいけない女性は多くてさ」



 欲しがりムーリに、夜に続きをしようねと約束のキス。


 先に身支度を整えたニーナと一緒に、3日目の探索を開始だ。



 いつも通りニーナと先行し、最深部前で荷運び人になったリーチェたちと合流する。



「今日の目標はニーナの斥候と、出来ればフラッタの聖騎士の浸透かな」


「「はーい」なのじゃっ」


「フラッタも別に竜騎士って決め付けなくていいから、次に何になりたいか考えておいてね」



 最深部に足を踏み入れて魔物察知を発動する。



 うん。いつもと変わらない魔物反応。アウターエフェクトの影響はなさそうだ。


 それじゃ今日も元気に魔物を虐殺しましょうねー。



 だけどいくらやる気になって魔物を集めても、昨日ですら殲滅の方が早かったのに、浸透が進んでどんどん殲滅力が上がるみんなについていけず、結局罰ゲームという名のご褒美を何度も受けることになった。やったぜ?



「そう言えば最深部ってこんなに稼げるのに、なんで他に人がいないんだろ?」



 最深部でキスをしていると、周囲に人の気配がないことが今更ながら不思議に感じてくる。



「なぁに? 何か疑問に思ったのダン?」


「いくら最深部って言ってもさ。サルべージャーにしてもリーパーにしても、もっといても良さそうなものじゃない? なのになんでいつも俺達しかいないのかなって」



 好色家姉妹と仲良く3人でキスしながら、お姉さん組に聞いてみる。



「まず第一に、私たちほど安全にアウターに潜れるパーティっていないのよ? 戦闘力もだけど、探索者と探索魔法士が揃ってるパーティなんて殆どいないと思うからね」



 確かにティムルの言う通り、戦闘力、探索者、探索魔法士を揃えるのは難しそうだ。


 特に探索魔法士はエルフの里に行かないとなれないのがハードル高いねぇ。



「このパーティもそうだけど、最深部に来ちゃうと一気にお金が稼げちゃうでしょ? だから魔物狩りの意識も変わっちゃうんだと思うよ」


「意識が変わる?」


「駆け出しの時みたいに毎日頑張っても小金しか得られない日々から、ちょっと活動しただけでドカンと儲かるようになっちゃうからね。だからあくせく活動する人は少ないんだよ」



 んー。お金稼ぎという点に置いてはリーチェの言う通りなんだろうけれど、この世界って戦えば戦うほど職業が浸透するのに、のんびりしてるのって勿体無くないかなぁ?


 職業浸透が充分に終わってるっていうならいいのかもしれないけどさぁ。



「あはーっ。それはダンの方が異常なのよぉ! アウターエフェクトを瞬殺出来るのにまだ力が足りないと思う人なんて、貴方くらいしかいないのよっ」


「この世界の大部分の人は、多少贅沢しながら安全に暮らせれば、それ以上を望まない人が多いんだよ。欲をかけば待っているのは己の死、だからね」


「欲を出せば死、かぁ……」


「ダンはみんなの為にどこまでも強くなろうとしてくれるから、この世界の他の人とは考え方が少し違うんだと思うなぁ」



 リーチェの言ってることも分かるけど、これって準備を怠り知識を誤れば、ってことだと思う。


 だけど本来のこの世界の職業システムを考えると、貪欲に魔物を狩った方が安全になっていくはずじゃないの?



 長いこと駆け出しの死亡率が高い水準を保ってしまって、もう常識化しちゃってるんだろうな。そういうものだっていう固定観念が出来上がっちゃってるのか。



 まぁいいや。難しいことは置いておいて、最深部には滅多に人が現れないってことだけが重要だ。


 さ、次はドワーフとエルフを一緒に楽しませてくれるかなー2人ともー。




「オッケーニーナ。斥候の浸透が終わったよー」


「やったっ! 結構長かった気がするのーっ」



 俺からの報告に、嬉しそうにガッツポーズを取るニーナ。


 魔物を虐殺していて、まずはニーナの斥候がLV100に到達した。



「私はまず修道士、司祭になってダンが怪我した時に備えたいの。それが終わったら魔法使いを浸透させていきたいかなー」


「了解。まずは修道士からだねー」



 修道士を浸透させておくと回復魔法士の効果も上がるしね。


 魔力も上がってコンコンが使いやすくもなるし、悪くないチョイスだよ。




 修道士LV1

 補正 魔力上昇- 幸運上昇-

 スキル 回復魔法




 治療魔法があるといざって時に安心感が違うもんね。


 癒し系ニーナ。うん、今度修道服でコンコンしようねー。



「……あれ? そう言えば……」



 今更思い当たったんだけど、回復魔法と言えば、聖騎士が浸透してから回復魔法の強化は感じられなかったな?



 今1度自分の回復魔法を強く意識して、その仕様を確認する。


 ……なるほど、ヒールライトとヒールライトプラスの効果範囲が拡張されているようだね?



 ヒールライトは視認できる範囲なら対象指定で効果を及ぼせるようになっていて、ヒールライトプラスは範囲指定して、範囲内の人間全員に効果を及ぼせるようになっている。


 2つともパーティやアライアンスの枠を越えて効果を及ぼせるらしく、かなり使いやすくなっているようだ。



 俺が役に立てられる日があるのかはちょっと分からないけど?





「ふははっ。初めて目にした時は興奮したものじゃがなぁ」



 フラッタが真っ白な水晶玉を雑に拾い上げて笑っている。


 どうやらスキルジュエルが2つドロップしたようだ。



 スキルは物理攻撃上昇-と敏捷性上昇。だけどこのままインベントリへご案内ー。


 超稀少と言われたスキルジュエルも、付与術士が2人も浸透しきってれば結構出るもんだねぇ。




「それじゃ本日のラストスパートいくよーっ! みんな思いっきり暴れちゃってーっ!」


「「りょーかーいっ!」」



 もうすぐ帰る時間かなーというところで少し無理をして、フラッタの聖騎士を浸透させてしまった。


 聖騎士を浸透させた事で、思った通り竜騎士の職業を得ることが出来たようだ。




 竜騎士LV1

 補正 体力上昇+ 魔力上昇+ 物理攻撃力上昇+ 物理防御力上昇+

    敏捷性上昇+ 身体操作性上昇+ 五感上昇+ 装備品強度上昇+

 スキル 対人攻撃力上昇+ 対人防御力上昇+

     物理耐性+ 魔法耐性+ 病気耐性+ ブレス強化




 聖騎士にあった全体系の補正が全部消えてるな。


 名匠もそうだったけど、種族専用職業は全体補正が消えちゃうんだろうか?



 凄まじい強力さに加えて、病気耐性+とブレス強化かぁ。短命で竜化できる竜人族にお誂え向きの職業っすねぇ。



 ……ルーナ夫妻がアブノーマルなプレイを楽しむのにもひと役買っていたっぽいな。



「どうするフラッタ。竜騎士になっておく? それとも別のにする?」


「妾は冒険者と探索者を目指そうと思うのじゃ。アナザーポータルさえ使えれば、遭難することはなくなるしのう」



 なるほどね。細かいことは無視して、いつでも帰れれば問題ないってか。


 まさにシンプルイズベストって奴だ。単純明快なフラッタらしい。



「それに妾はまだ14歳。ダンがいる限りいつでも竜騎士にはなれるのじゃし、今のうちに様々な職業を経験しておきたいと思うのじゃ」


「だね。浸透速度だって物凄く早いし、今すぐ職業を固定するのは勿体無いかな」


「竜騎士が2人いるだけでは勝てない相手がいるというのは、父上と母上が教えてくれたわけじゃしの。妾はもっと戦い方に幅が欲しいのじゃ」



 そうだなぁ。ラトリアとゴルディアさんのうちのどっちかがアナザーポータルを使えれば、もしかしたら逃げることは出来たかもしれない。



 初対面の時のフラッタがまさにいい例なんだけど、戦闘力だけあっても解決できないことってのは意外と多い。


 アナザーポータルじゃなくって商人の目利きでも使えていれば、案内人の悪意に気付けたかもしれないのだ。早めに職業を固定してしまうのは視野を狭める事になりかねないよなぁ。



 さて、それじゃフラッタを冒険者に設定っと。




 冒険者LV1

 補正 体力上昇 持久力上昇 敏捷性上昇-

 スキル インベントリ ポータル




 これでマグエルに帰った後も、ラトリアの送り迎えをフラッタにお願いできるようになったかな?



 領主邸に帰還し、夕食を済ませてから家族でくっつきながらの報告会。



 本日俺は篤志家と弑逆者がLV21、分析官LV69になった。明日分析官を浸透させたいところだね。


 ニーナは修道士LV22、ティムルは名匠LV31、フラッタは冒険者LV1だ。

 

 リーチェは今日荷運び人になったばかりだけど、明日の探索を終えれば浸透が終わるだろう。次は修道士にチャレンジしてみるとニッコニコだ。



 ニコニコのリーチェをたっぷり可愛がってあげたり、昨日足りなかった分をムーリにお届けしたり、娘のベッドで母親を愛してあげたりしながら夜を明かした。


 夜が明けたらニーナと先行して探索開始だ。



 もう完全にエロが毎日のルーティーンと化している。エロルーティーン。


 みんなと肌を重ねられない日は調子が出なくって仕方ないよっ。




 合流したみんなと4日目の探索を開始する。


 このまま毎日探索すれば15日間くらいは探索できるはずなので、ヴァルハールにいる間に法王の尻尾か解呪の尻尾くらいは掴みたいところだねぇ。



「ニーナ。修道士が浸透終わったよー」


「んーっ。そんなの後なのっ。今はキスに集中するのーっ」



 ご褒美という名のキスの罰ゲームを繰り返しながら、まずはニーナの修道士が浸透する。


 ちゃんと司祭にもなれるみたいなので、積極的なニーナのキスに応じながら、ニーナをそのまま司祭に設定する。




 司祭LV1

 補正 体力上昇 魔力上昇 幸運上昇 魔法攻撃力上昇-

 スキル 治療魔法




 これでキュアライトまで使用可能になったので、俺が大怪我して昏睡してもニーナが治療可能になった。


 何気に嫁に殺されかけることが多いので、ニーナがヒーラーをこなせるようになったのはかなり嬉しい。



「本当にボロボロ出るねぇ。はは、価値観が崩壊しそうだよ……」



 引き攣った笑いを浮かべるリーチェをよしよしなでなで。



 本日のスキルジュエルは貫通-、体力自動回復、そして全状態異常耐性の3つだ。


 貫通と体力自動回復はインベントリ行き、そして全異常耐性は勿論ニーナ行きだ。早速付与しよう。



「摂理の宝珠よ。神意に従い、加護と恩寵と祝福をここに。スキル付与」



 せっかくなので、今回のスキル付与はティムルにお願いしてみた。


 緊張した様子のティムルだったけど付与術士は間違いなく浸透してるから大丈夫だよ。




 魔除けのネックレス

 魔法耐性 全状態異常耐性- 全状態異常耐性




 スキル枠を見てちょっと笑う。スキル枠の無駄遣いだなっ!



「スキル付与、できちゃったー! 私、スキル付与成功しちゃったわー!」



 抱きついてくるティムルお姉さんにキスしながらニーナの呪いの検証をする。



「すごーい! ダンに抱っこされてもゆっくりにならないよーっ!?」


「やったね! これでニーナを寝室に連れ込むのが容易になるよっ!」



 どうやらまだ移動魔法は使用できないようだけど、俺が抱っこして移動することは可能のようだ。


 つまり、全状態異常耐性中効果では、自力移動に加えて乗り物に乗って移動することが可能になったということだろう。



「ダンー! 私にもあれやって! ムーリの浸透進めたときのアレー!」


「おっけー! ニーナもティムルも抱っこしまま、魔物を殺しまくっちゃうよー! フラッタ、リーチェ。申し訳ないけど回収はお願いねー」



 2人と交互にキスをしながら、攻撃魔法で魔物を殲滅していく。


 既にキスしたままでも攻撃魔法の詠唱が可能になった俺に、死角など一切無い!


 片方とキスしてるともう片方が耳元で愛を囁いてくるので、視覚どころか聴覚まで奪われてて死角しかないんだけど、今の俺なら問題ないのだっ!



 今の俺の魔法攻撃力だとドラゴンズネストは魔力の無駄遣いなので、エンカウントした魔物の群れの中心でサンダースパークを1回発動させるだけの簡単なお仕事です。


 口の中で高速詠唱される度に反応してくれる、ニーナとティムルが可愛過ぎるよぉ。



 なんてめちゃくちゃ楽しみながら魔物を虐殺していたら、アウターエフェクト発生の予兆を確認。


 時間的に前回よりもかなり早いね。殲滅がサンダースパークで一瞬だからなぁ。



 漆黒の魔方陣に向かって鑑定を連打していると、まだ姿は現れてないけど鑑定には成功した模様。




 カーズデーモン




 ……あ? カーズデーモン? カーズだぁ?


 俺とニーナの前に、よりにもよって呪いの悪魔だぁ……!?



 ニーナの小さくて可愛いお尻と、ティムルの大きくて触り心地のいいお尻を抱いている両手の手の平を魔方陣に向けて、インパクトノヴァとホーリースパークの超高速多重詠唱を開始する。



「んんっ……!? んーっ!? んーっ……!」



 突如口の中を超高速で動き回る感触に耐え切れなかったのか、ニーナはびくんびくんと大きく弓なりに反り返ってしまっている。


 だけどごめんよニーナ。アイツまだ生きてるから。まだやめるわけにはいかないだよ。



 おらおらおらおらぁっ! 簡単に死ぬんじゃねぇぞテメェ!


 お前が生きてる限り、ニーナを蹂躙する大義名分はバッチリなんだよぉっ!



 しかし俺のほどばしるリビドーに耐え切れなかったのか、カーズデーモンは3秒と待たずに爆散してしまった。


 ふざけんなよテメェ! もうちょっと粘れよ!



「あっ……!?」



 耳元でティムルの驚く声。


 ニーナにしつこくキスしながらカーズデーモンのいた場所に目を向けると、1本のダガーが落ちていた。



 おお!? 武器ドロップ!? 名匠の装備品ドロップ上昇さん仕事したの!? 鑑定っと。




 呪物の短剣

 ランダム状態異常付与+ 無し 無し 無し 無し




 な、名前が不吉すぎるなぁ……。外せなくなったりしない?


 しかしスキル枠5つか。これってもしかしてアウターレア製の武器なのかなぁ?



 まあいいや。とりあえず回収しておきましょうかねぇ。



「ダン! やったわ! 重銀装備のレシピ、解放されたみたいなのっ!」

 


 耳元でティムルの喜ぶ声が聞こえる。


 え? ティムルのさっきの驚きは、上級レシピ解放だったの?



 ちょっと待ってちょっと待って。情報が多すぎて処理が追いつかないよ。


 まずはどうすればいいかなニーナ? ぐったりしてないで答えて欲しいなぁ?

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