185 尋問
※R18シーンに該当する表現をカットしております。
「……聞けば聞くほど、竜爵邸の異変は放置しておけない話みたいだね」
不安げなフラッタをあやしながら、竜爵家に起こっている異変について話し合う。
「……フラッタ。もしかしたらこの先、お前にとって辛い真実と現実が待ち受けているかもしれないよ?」
「うん……。何か良くないことを知ってしまうそうで妾も怖いのじゃ……」
「……それでもフラッタは自宅に戻って異変を調査し、そしてお兄さんの行方を追うんだね?」
俺のストレートな問い掛けに、こくんと小さく頷くフラッタ。
「兄上の言いつけを守って屋敷にいても、状況は悪くなるだけだったのじゃ。だからもう妾は、じっとしているのは嫌なのじゃぁ……」
「大丈夫だよフラッタ。俺もみんなも、大好きなフラッタの傍にいるからね……」
大粒の涙をその赤い瞳に溜めて、不安に慄くフラッタの小さな体を力いっぱい抱きしめる。
……うん。お前まだまだ子供なんだから、こうやって素直に甘えていいんだよ。
「どんな真実が待っていても支えるし、どんな現実が待っていても寄り添っているからね。大好きなフラッタのこと、みんなで支えてみせるから」
「妾も好きぃ……。ダンも好きだし、みんなのことも大好きぃ……。でも父上も母上も、兄上のことも大好きなのじゃぁ……」
「うん。大好きな俺達と一緒に、大好きな家族を助けにいこうね」
ぎゅーっと抱きついてくるフラッタを、ぎゅーっと抱きしめ返しながら、フラッタが安心するように震える背中と頭を撫で続けた。
「ダン。フラッタ。時間だよー」
リーチェからの終了宣言を受けて、フラッタともう1度抱き締め合う。
「ダン……。大好き、大好きなのじゃ……。大好きなダン……。妾の家族を、助けて欲しいのじゃ……!」
初めてフラッタから、助けてとはっきり告げられる。
そんなフラッタに、任せろという想いを込めてキスで応える。
ごめんなフラッタ。俺がどうかしてたよ。こんなに可愛いフラッタの家族が加害者になってるとはとても思えない。
……ルーナ竜爵家は、恐らく被害者だったんだ。
暫くリーチェと一緒にフラッタをよしよしなでなでしてから、リーチェを後ろから抱きしめた。
「ダン。今日は大人しいね? 遠慮しなくていいんだよ?」
「……開口一番に魅力的過ぎることを言うんじゃないよ、まったく」
エロ神リーチェはエロい事に積極的過ぎるよ。
ただでさえ絶世の美女のリーチェにグイグイ来られると、俺の理性は障子みたいに簡単に突き破られちゃうんだってばぁ。
「今日はみんなをゆっくり愛してるんだよ。だからリーチェのこともゆっくり愛させてくれってば」
リーチェの生意気おっぱいにすら触れずに後ろから抱きしめて、色んなところにキスを落としていく。
エロリーチェは俺の口を捕まえようとしてくるけれど、たまにはゆっくりじっくりしようよぉ。
「ちゃんと気持ちよくしてやるから落ち着けって」
「や~だ~っ。逃げないでよぉっ。ダンとキスさせてよぉっ」
仕方ないので1度唇を重ねて、駄々をこねるエロ神リーチェを少し宥めてあげる。
そうして暫くしてリーチェが満足してくれたあと、静かに口を離して語りかける。
「なぁリーチェ。お前の事情は話さなくていいから、俺と会う前のお前の話が聞きたいな」
「ダンと会う前の、僕……?」
「良かったら聞かせて欲しいな。お前と出会う前の俺の話は、どうせ根掘り葉掘りバレてるだろうしさ」
耳元で囁きながら、指先でリーチェの全身を微かになぞっていく。
「子供の頃の話でもいいし、旅していた頃の話でも良いよ。例えば俺やみんなと一緒に見てみたい景色とか、行ってみたい場所とか無かったかな?」
リーチェは俺の問いかけに、スペルド王国の北側にあるというドワーフ族の生息地付近の山岳地帯の荘厳な景色や、終焉の箱庭で見た燃えるような赤い大地の話。ヴェルモート帝国あるという心を奪われるほど美しい海のことなどを聞かせてくれた。
「聞かせてくれてありがとう。やっぱり1人で旅していた時だって、心揺さぶられることはあったんだろ?」
エロボディをなぞるのをやめて、ちゅっちゅっとキスをしながら、弛緩しきったリーチェをぎゅっと抱きしめる。
「リーチェ。お前は1人でいた時のことを否定しすぎだから。1人で旅していた時だって、辛いことだけじゃなかったはずだよ」
「そんなこと、あったかもしれないけどぉ……。みんなと会ってからが幸せすぎて、思い出せないよぅ」
「違うよリーチェ。幸せじゃない時に幸せを感じた出来事こそ、忘れちゃいけないんだ。今お前が話してくれた心から感動した景色、忘れない方がいいと思うんだ」
何百年もたった独りで世界中を旅していたリーチェが、それでも素晴らしかったと俺に語ってくれたものなんだろ?
そんな素敵なものを当のリーチェが忘れちゃうなんて勿体無さすぎるよ。
「ニーナの呪いが解けてポータルを使えるようになったらさ。リーチェが独りで歩いた場所を、みんなで一緒に歩きなおしてみない?」
「歩きなおす……。みんなと……」
「リーチェの旅が幸せじゃなかったのなら上書きしちゃえばいいしさ。みんなと一緒で幸せな今のリーチェなら、何か思い出せることもあるんじゃないかなぁ」
「ダンに会う前のことまで、ダンが気にしなくったっていいって、ニーナが言ってたじゃないかぁ……。独りで旅をしていた僕のことまで、助けようとしなくていいんだって、ばぁ……」
嫌だね。もう俺はお前を丸ごと愛すると決めたんだ。
お前の過ごしてきた過去も、これから過ごしていく未来も、全部幸せになってもらわないと気が済まないんだよ。
「リーチェ。俺のリーチェ。可愛いリーチェ。エロリーチェ。どんなリーチェだって、俺はリーチェを愛するんだって決めたんだ。だから俺が好きな女を嫌いなままでいられたら、俺は悲しいんだよリーチェ」
以前ニーナとティムルに同じようなことを言われたのを思い出してしまう。
やっぱりリーチェは、どこか俺と似ている気がする。
どこまでも自分自身を嫌いなところが、特に。
「俺も自分のことが大っ嫌いでさ。いつもニーナとティムルに怒られてるんだ。みんなが愛する男性のことを否定しないでー! ってさ。だからリーチェにも、俺が愛する女性のことを否定して欲しくないなぁ?」
「そんなこと、急に言われても困るよぅ……。でも、ぼくも自分が愛する男性が嫌われちゃったら、悲しい、かな……」
俺だって人のことは言えないもんな。まずは意識してもらえれば充分さ。少しずつ自分の事も好きになって欲しい。
どうやったら自分を好きになれるか分からず戸惑うリーチェの唇を、後ろから静かに奪ってあげた。
「ダ、ダンさーん……。リーチェさーん……。そろそろですよぉ……」
ムーリから交替のお声がかかったので、これで最後とリーチェとキスを交わす。
「自分のことはまだ分からないけど……。みんなと一緒に旅するのは楽しそうだし、楽しみにしてるね?」
ああ、一緒に楽しく旅をしような。
最後にもう1度キスをして、もう1度強く抱きしめてからリーチェを解放した。
リーチェを解放した俺は、待っていたムーリをベッドに押し倒した。
「はぁぁ……。幸せで困っちゃいますよぅ……。どれだけえっちなことをされても、もっとされたくなっちゃうんですよぅ……」
えっちなムーリがそんなことを言うから、俺もムーリにもっとえっちなことしたくなっちゃうんですけどぉ?
「昨日は無理させすぎてごめん」
「ううう……。あれは酷いですよぉ……。私、最後の方はあそこがスポットの最深部だってこと、忘れちゃいましたよぅ……」
俺は忘れなかったよ? 俺にとってのスポットは、下手すりゃ我が家よりエロゾーンだからね。
「ムーリは体も性格もえっちすぎて、いっつも限界まで楽しんじゃってごめんね。今日はゆっくりじっくり過ごそうね」
ムーリのド迫力ボディをぎゅーっと抱きしめ、その感触を余すことなく堪能する。
ちゅっちゅっと美人シスターの顔に沢山キスをしながらも、気になっていたことを訊ねてみる。
「ねぇムーリ。ムーリはいつからああいうことをしてたの?」
「ふえぇぇっ……!?」
俺の無遠慮な質問に、ムーリは赤面しながらも答えてくれる。
そんなムーリのことが愛おしくて、心のままに愛の言葉を囁いてしまう。
「ムーリ。大好きだ。愛してるよ。えっちなムーリ。大好きだ。ムーリ、可愛すぎるよぉ」
ああ、マシュマロボディにこんなエロ歴史を持っているなんて……。侮っていたよ、ムーリのこと。
こんなえっちなシスターさんと出会わせてくれた神様とトライラム様と、あとティムルって女神にも感謝しておこうかなっ。
※サブタイトルはカットしたシーンに因んでおります。




