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【全年齢版】異世界イチャラブ冒険譚  作者: りっち
3章 回り始める物語2 ソクトルーナ竜爵家
176/637

176 水音

※R18シーンに該当する表現をカットしております。

 ニーナとフラッタが、震える両手で俺の手を抜き取ろうと頑張っているけど、勿論させないよ?


 舌への愛撫だと思って油断したね? 指で舌をしごかれる気持ちよさは、ティムル先生に骨の髄まで叩き込まれたんだ。2人とも、このまま朝までずーっと気持ち良くしてあげちゃうよーっ。



 ムーリも震える両手で俺を押して体を離そうとするけど、我が家のエロ担当の成人組がムーリの後頭部を押さえつけるナイスアシストをしてくれている。



 ……この2人さぁ。エロ抜きでも完璧超人なのに、エロ込みにすると最早神の領域なんだよねぇ。


 この2人しか知らない俺は、エルフとドワーフの仲が悪いのが本気で信じられない。リーチェはサウザーにも分け隔てなく接するしさぁ。



 新しい子供達の分も愛して欲しいって言ってたね? 今回受け入れたのは39人だっけ。ムーリ、受け止めきれるかなぁ?



 ……なんかムーリってエロの起爆装置みたいになってない?


 そしてムーリのエロ行動を俺とティムルとリーチェのサポートで全員に波及させていくって、我が家の連係プレイは完璧すぎる。


 夫婦円満なんてものじゃないね。もはや以心伝心だ。主にエロ方面において。



 ティムルとリーチェには毎回色んな意味でお世話になっているし、今度2人にはご褒美をあげないといけないなぁ。



 いやぁ今はムーリもパーティメンバーになってるから、艶福家先生の持久力大補正が適用されているはずだよね。


 死にそうになっても艶福家先生がしっかりサポートしてくれるから、安心していいんだよ、ムーリ。






「ダンー。そろそろ休みましょー? 一応今日は徹夜禁止の日ですからねー」


「キスはぼくが変わるから、ムーリを離してあげてくれる?」



 お姉さん組からストップがかかった。


 もっとしたいとダダをこねたいところではあるけど、エロ方面でお姉さんたちに逆らっても仕方ない。言うこと聞く方が気持ちよくしてくれるんだから。



 俺の口は、即座にリーチェの口で塞がれる。


 余計な動きを一切しないリーチェのキスは、気持ちいいより安心する。



「おやすみなさいダン。お姉さんが撫でてあげるから、リーチェと一緒に良い夢見なさいねー」



 耳元で囁くティムルの優しげな声と、俺の頭を撫でる優しい手つきに安心する。


 全身をみんなに包まれながら、俺は眠りに落ちていった。






 目が覚めると、体感でいつも目覚める時間だと確信する。


 ティムルは寝息を立てながらも俺の頭を撫でてくれていて、リーチェも俺の口を離さないままでしっかりと眠っていた。


 フラッタとの対決が終わったら、お姉さん組にはなにかご褒美をあげないといけないな。



 寝る前に好色家姉妹を散々弄んだ両手が完全に乾いているので、まぁまぁ眠れたらしい。


 持久力補正が多すぎて全然疲労が溜まらないから、ショートスリーパーどころかまったく寝なくてもかなりの日数動けそうだ。やらないけどね。



 未成年組は疲労困憊の様子なので、このまま少し寝かせておいてあげよう。



 俺に続いて目を覚ましたティムルとリーチェに上から覆い被さって、感謝と労いの気持ちを込めてちゅっちゅっとバードキス。



「ティムル、リーチェ。昨晩は2人ともありがとうね。手合わせの後に2人にご褒美をあげたいから、俺にして欲しいことを考えておいてくれる?」


「あはーっ。ダンからご褒美が貰えちゃうなんて、嬉しすぎるわよぉっ。それもおねだりしていいなんて、幸せすぎるわぁ……」


「ひ、ひと晩中キスしてもらえてたぼくがご褒美をもらっていいのかなぁ……」



 いいに決まってるだろ。なんだこの成人組。可愛すぎるわぁ。ちゅっ。ちゅっ。


 可愛いお姉さん2人を抱き寄せて、ほっぺと唇に何度もバードキスを切り返してしまう。ちゅっ。ちゅっ。



「ふふ。こうやって軽く何度もキスされるのも、なんだか愛されてるって感じで好きよ、ダン」



 くすくすと笑いながらキスを返してくれるティムル。大好きすぎるぅ。



「それじゃリーチェと2人で何か考えておくわね。このキスの雨もご褒美みたいに思っちゃうけどっ」


「くすぐったくてこそばゆいね。ぼくもこのキス、結構好きかも。ご褒美も楽しみにしてるから、その前にちゃんとフラッタのこと……、超えてあげてね」



 よしよしなでなでしながらバードキスを繰り返して、くすぐったそうに笑う最高に可愛いお姉さんたちとのイチャイチャを楽しんで、朝食の準備の為に寝室を出た。




 朝食の準備をしながら、覚悟を決めて集中していく。



 初めてフラッタと出会った時には推し量ることも出来なかったフラッタの力量。それを今から超えなければならない。


 あれから約半年かな? 俺も力をつけた自信はあるけど、どこまで通用するかは未知数だ。



 初めて会ったあの時も、俺のお嫁さんになった後も、フラッタのおかげで随分と助けられた気がする。フラッタがいなかったら俺の職業浸透数は、恐らく半分にも達していなかっただろう。



 可愛い可愛い大好きなフラッタを守るために、俺は今日フラッタを上回らなければいけない。



 今まで助けてもらって、今まで愛してもらって、今まで我慢させちゃったことなんかにも感謝とお詫びの念を込めて、フラッタ自身が解決出来ない問題を解決する為に、絶対にフラッタを超えてみせる。




 朝食の準備が整った頃、身支度を整えた5人が食堂に現れた。


 フラッタの顔にも気合が漲っている。相手にとって不足無しってね。



「おはようみんな。おはようのキスが出来なくてごめんね」


「おはようダン。ちょっと舌の感覚が無いから、今朝キスされても困っちゃったかな?」



 ニーナがペロっと舌を出しながら挨拶してくれる。可愛い。



「おはようございますっ!」


「おはようムーリ。朝から元気だね?」


「いくらなんでもやりすぎですからぁっ! もう少し手加減してくださいよぉっ!」



 ごめんねムーリ。お前が魅力的すぎて手加減が難しいんだよ。


 もし5人の種族と経歴が一緒だったら、1番エロいのってムーリなんじゃないかなぁ?



「おはようなのじゃ。……ふん。ダンもどうやら、手合わせの準備は出来ておるようじゃな」



 獰猛な笑みを浮かべるフラッタ。


 その壮絶なまでの凶暴さを感じる表情すら可愛いなこいつ。



「それでどうするフラッタ。先に朝ご飯食べる? 俺はどっちでも良いよ」


「うむ。どうせ一瞬で終わるじゃろうから、さっさと済ませてしまいたいのじゃ」



 ふふ、上等だよフラッタ。返り討ちにしてあげるからね。



 ……って、なんでインベントリから聖銀のバスタードソードを取り出してるの?



「妾の家に赴く以上、木剣での打ち合いなどでお茶を濁すわけにはいかぬ。ダンよ。いつもの装備で、真剣で立ち合ってもらうのじゃ。異論は認めぬ」



 フラッタの覚悟に思わず息を飲む。


 殺す気でいく、フラッタは確かにそう言っていた。けれどこうして実際に目の前で真剣を見せられると、自分の覚悟はまだまだ甘かったんだと思い知らされてしまう。



 今の俺とフラッタなら真剣で打ち合っても止められるとは思うけど……。


 俺はフラッタに、剣を向けることが出来るのか?



 ……いや、今更迷ってる場合じゃない。フラッタの覚悟から逃げるわけにはいかない。フラッタの想いを受け止めないわけにはいかないよな。



「了解だ。フラッタの覚悟だって、余すことなく受け止めてやるさ」



 俺を本気で殺す気のフラッタのことも余裕で受け止める実力を示してみせりゃいいだけだ。


 こんなところで躓いてたら竜爵家に赴いたって何も出来やしないだろう。もう自分の実力不足を理由に勝負から逃げる事を許される状況じゃないんだ。腹を括れ。



 

 みんなに見守られながら、家の庭でフラッタと対峙する。


 教会に井戸が出来たので、子供達が水汲みに来ることもない。



 邪魔する者は、誰もいない。



 ……しかし俺はすぐに、フラッタの覚悟を見誤っていたと思い知る。



「行くぞダンっ! 妾は恐らく、意識があるうちは止まれぬっ! 甘い考えを捨て、見事妾を打ち倒してみせるのじゃあっ!」



 叫ぶフラッタの美しい銀髪が、少しずつ青みを帯びていく。


 そして俺を見続ける燃えるような真っ赤な瞳にも青が混じり、息を飲むほどに美しい、アメジストを思わせる紫色に変化していく。




 はは。マジかよフラッタぁ……。


 真剣での打ち合いに、更に竜化までしてくるとは恐れ入ったよ。お前の本気、見縊っててごめん。



 全神経の集中を更に1段深くする。



 竜化すると俺ですら殺してしまうからと、以前手合わせを断られたんだ。つまり、もしも俺がフラッタに敗北した場合、フラッタの手で俺を殺させる事になってしまうんだ。そんなことは絶対にさせられない。



 相手がたとえ竜化したフラッタであろうと、ヴァルハールで泣いた時以上の絶望をフラッタに味わわせるわけにはいかないんだよ。


 俺の命なんかどうでもいいけど、このあともフラッタに笑っていてもらう為に、俺は傷1つ負う事は許されないぞ。気合を入れなおせ!



 聖銀のロングソードを両手で握り締め、竜化フラッタを迎え撃つ。


 おいでフラッタ。お前の気持ち、全部受け止めてあげるからね。

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