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【全年齢版】異世界イチャラブ冒険譚  作者: りっち
3章 回り始める物語2 ソクトルーナ竜爵家
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167 お仕置き

※R18シーンに該当する表現をカットしております。

「………………え?」



 ニーナとフラッタへの悪戯を楽しんでいると、ようやくムーリが目を開けた。

 

 あ、やっばい。ムーリに見られながらニーナとフラッタに悪戯するの、めちゃくちゃ興奮するっ……!



「なっ、ななななな……、ななななあっ!?!?!?」



 寝室から絶叫が響き渡る。



「あら。先にムーリの方が気付いちゃったみたいねぇ。それじゃもう遠慮は要らないわよね、ダン?」



 ティムルは俺とは視線を合わせず、ムーリを流し目で見詰めながら俺に唇を重ねてきた。



「……って、なんでそのまま続けてるんですかぁぁぁぁっ!」



 家の中にムーリの叫び声が谺する。


 リーチェに音の操作をお願いしておいて良かったぁ。この声が外の子供達に聞こえちゃってたら、下手すると事件性を疑われてたところだよ、まったく。





「うー……。ムーリのせいで、酷い目に遭ったよぅ……」


「ティムルとリーチェに協力されると、命が幾つあっても足りないのじゃぁ……」



 突発的に発生したクエストが終了したあと、頑張ってくれたニーナとフラッタと寝室のベッドに並んで座って、2人の頭を優しく撫でる。


 2人とも、最高に可愛かったよ。がんばってくれてありがとう。よしよしなでなで。



 事の発端となったムーリは、ニーナとフラッタから望まれてお仕置きを敢行している。滅茶苦茶楽しかったけど反省するように?


 今回の殊勲賞であるリーチェには俺をバックハグさせて、キスを献上している。



「ムーリもダンも久しぶりなんだから、素直に楽しんでいいのよぉ。貴女にあんなことさせたのは、ダンと一緒にいた私たちにも責任があるんだし」


「普通、でおねがっ、いしまっ、すぅぅぅ……!」



 ティムル凄いなぁ。


 この熟練のエロの技。エロの達人。流石はエロ職人ティムルである。



「流石に子供達もいるし、暗くなる前には余裕を持って解放してあげるわよぉ。でもニーナちゃんとフラッタちゃんからはお仕置きをお願いされてるのよねぇ……」



 ティムルは少し考え込むような仕草をしたあと、ニンマリと悪戯っぽい笑顔を浮かべた。



 エロマイスターの繰り出してきた奇策に、なす術も無くメロメロにされてしまう俺。


 ……って、俺の五感上昇で強化された聴覚が、左右から聞こえるニーナとフラッタの可愛い寝息をキャッチしちゃったんだけどっ!?


 何でこの状況で寝れるのさ2人ともぉっ!? って、さっき俺が無理させたからですけどぉっ!


 っていうか色々ありすぎて忘れてたけど、俺今全く動かずに、2人の頭を優しく撫でてただけだった。疲れきった状態で頭を優しく撫でられたら、そりゃ寝るよねぇっ!


 俺に体を預けて、くぅくぅと穏やかに眠る好色家姉妹が可愛すぎるんだけどぉっ!?



 しかしニーナとフラッタに気を取られていた俺に、エロ職人ティムルより更なる快楽が送り込まれてくる。



「ムーリもダンも、なぁんにも考えなくていいですからねー。お姉さんが2人とも、いーっぱい気持ちよくしてあげますからねー」



 口調だけは穏やかなティムル。


 このあとティムルが満足するまでの数時間、俺とムーリはエロ職人の熟練の技に翻弄され続けたのだった――――。





「さて、まだ暗くなる時間じゃないけど、ムーリにも休む時間は必要よね。ダン。リーチェ。そろそろ終わりにしましょうか」



 ティムルの終了宣言と共に俺を解放するリーチェ。


 ……何でリーチェってティムルの言うことこんなに聞くの? 君らエルフとドワーフでしょ?



「ふふ。ムーリ、おつかれさま。ムーリはこのまま少しおやすみなさいね」



 まるで娘に語りかける母親のような仕草でムーリを寝かせるティムル。


 

「ダン、楽しんでくれたかしら? でも遠征帰りだしダンも少し眠りなさいね」



 凄く優しげに語り掛けてくれるのティムル声を最後に、ムーリが起こした突発型クエストは閉幕を迎えた。






「手加減してくださいよぉっ……! あれじゃ死んじゃいますってばぁっ……!」



 目を覚ましたムーリが捲し立てるものだから、俺の目の前で大迫力のマシュマロがバインバインと弾んでいる。


 目に毒過ぎる光景なので、ムーリを抱きしめておっぱいを拘束する。



「ただいまムーリ。久しぶりに大好きなムーリを愛したくて、ついやりすぎちゃったんだ」


「ついって! ついってぇっ……!」



 抱きついてくるムーリの額とほっぺに、ちゅっちゅっと何度もキスをする。


 寂しい想いをさせてごめんね。



「おかえりなさい……。寂しかったですっ……! 大好きなダンさんにまた会えて、まためいっぱい愛してもらえて、死んじゃうくらい幸せですぅ……」


「愛するムーリに死なれちゃ困るよ。大好きなムーリに好きって言ってもらえて、俺こそ死ぬほど幸せだよ」



 低反発ムーリはほっぺも柔らかくて、頬ずりするだけでも最高に気持ちいいなぁ。


 でもくっついてるとキリがないから、そろそろ離れようね?



 ニーナとフラッタ、そしてリーチェも寝たままで、ムーリとティムルの3人で話をする。



「つまり大金が手に入ったから、トライラム教会で保護している孤児を通して国庫にお金を納めたい。こういうことですね?」


「そう。俺たちが個人レベルで持ってるのは問題になりそうなくらいの金額を稼げてしまってね。トライラム教会も孤児たちも国も得をするから、この方法が1番角が立たないお金の使い道だと思うんだ」



 ムーリに今回稼いだお金の使い方を説明する。教会に寄付するなら、ムーリに窓口になってもらわなきゃいけないからな。


 まずはトライラム教会のシスターであるムーリに、俺の考え方に問題はないか判断してもらう。



「そう、ですね。単純に寄進したい、寄付したいというだけでは、教会は大金を受け取ってくれないでしょう」


「うん。だから納税をメインに説得しようと思ってるんだ」


「ええ、教会を通して国に貢献したい、という話でしたら受け取ってくれるかもしれません。教会本部の皆さんだって、孤児を助けたいと思っている方ばかりですから」



 っていうか、なんで寄付やお布施を一切受け取ろうとしないんだ? 孤児を助ける為なら、むしろ広く協力者を募った方がいい気がするんだけど……。


 その辺どうなのよ、ムーリ?



「トライラム教会の教義の1つであり、私自身も共感している思想なんですけどね」


「うんうん」


「神と信仰とは人々に幸せを齎すためにある存在で、人々から奪う存在になってはいけない。トライラム教会は常に人々に与える側であるべきだ、という教えがあるんですよ」



 つ、常に与える側であるべきって、凄すぎるだろ……。それをちゃんと実践してることも凄まじい。



「だからこそガリアのような背信行為は絶対に許されないのです。ガリアの件があってから、世界中の教会の調査も始めたそうですよ。そのせいでまた経済的に余裕がなくなってしまうのは、なんとも皮肉なものなんですけどね……」



 なるほどねぇ。清廉潔白すぎて、誰も彼も受け入れていたらキャパシティを越えちゃったわけかぁ。


 じゃあやっぱり孤児の負担を減らしてやれば、教会は勝手に正常化しそうだな。というか元々大元は腐ってないんだから、正常化もなにもないか。



「トライラム教会は本当に立派だと思う。それはムーリや子供達を見れば疑いようがないよ」



 貧困に喘いでいても、それでも人の為に一生懸命に働けていたムーリや孤児達を見れば、トライラム教会がどれだけ頑張って人を救おうとしていたかが分かる。



「教会の活動は何も間違ってないと俺も思う。でも教会が負担する部分が、今はちょっと重すぎるんだ。だから誰かが……、今回は俺たちがだけど、教会の負担を少しでも減らせればいいなって思うんだ」



 弱者が食い物にされまくるこの世界。その弱者を救おうとして、そのあまりの負担に共倒れしかけているトライラム教会。


 やり方はヘタクソだったかもしれないけど、やってることは絶対に間違ってない。



「ふふ。こんなに真面目な話をするダンさんと、あんなにえっちなことばかりしてくるダンさん。正反対に思えるのに、どっちもとってもダンさんらしいですねっ」



 真面目な話なんてしたくないけど、エロを楽しむ為には必要なことなんですよぉ。


 

「それって別に矛盾してないと思うんだよねぇ」


「ええ? えっちな話と真面目な話ですよー?」


「そうやって笑うムーリと思いっきりエロいことがしたいから、それ以外の事を頑張ってるだけだよ。真面目な話をするほどにムーリが笑ってくれるんだから、結局全部エロい事に繋がってるんだよ」



 俺の言葉を聞いたムーリは、1度キョトンとした表情を浮かべたあと、堪えきれないといった様子で盛大に吹き出した。



「あはっ、あははははははっ! それじゃやっぱり初めて会った日に、ダンさんに体を許しておけば良かったですっ! 私にえっちなことをするために、どんどん誰かを救っちゃうんですからねっ!」



 笑うムーリを見ていると、やっぱりすぐに押し倒したくなってしまうなぁ。


 初めて会った日みたいな悲壮感たっぷりのムーリだって最高にエロかったけど、こうやって屈託無く笑うムーリと心からイチャイチャしたいだけなんだよ、俺ってさ。

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