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【全年齢版】異世界イチャラブ冒険譚  作者: りっち
3章 回り始める物語2 ソクトルーナ竜爵家
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166 指

※R18シーンに該当する表現をカットしております。

 マグエルに帰還した俺達は、まずは冒険者ギルドでドロップアイテムを処分する。魔玉を売る必要性は今のところ無いので、発光魔玉はキープしておくことになった。


 インベントリを逼迫するから邪魔と言えば邪魔だけど、発光魔玉は用途が多いためか、支払いの際に結構喜ばれるんだよね。


 ひょっとして、買うと5万リーフ以上するのかもしれない? まぁお金に困ってないんだから気にしないでおこう。



 マグエルに帰ってきたら、まずは1ヶ月振りにムーリに会いに行かないとね。我が家にいる可能性も低くないけど、まずは教会の方に足を運んでみるかぁ。


 無駄足になっても、どうせご近所さんなので大した手間ではない。



 そうして向かった教会だったけど、教会の隣りにフォーベアで泊まった中級宿みたいな建物が建っていてちょっと驚いた。


 いや俺が建設をお願いした孤児院なんだろうけれどさ。建設費用と内装込みで50万リーフしか払ってないのに、1泊500リーフ近い宿と同じ水準の建物が建つのかこの世界……。


 なんだか随分立派な孤児院になってしまったみたいだけど……、ボロいよりマシかぁ。



 教会の庭には2つの井戸が完成していて、既に普段使いされているようだ。この井戸の方があっちの孤児院より高いんだよなぁ。異世界って凄いわぁ。



「あーっ! みんなーっ! おかえりなさーいっ!」


「おうただいまー。新しい子達とは仲良くしてるかー?」



 教会に入ると、知った顔と知らない顔に出迎えられた。


 知った顔はニコニコと、知らない顔はこの人誰? って顔してる。そりゃそうだ。



 知った顔と少し話をすると、新しい子供達もみんな真面目な子ばかりで、すぐに仲良くなって一緒に仕事をしているらしい。それとムーリは我が家の方に出向いているそうなので、家に帰ったらそのまま寝室コースかな?



「ねぇダンっ! 新しくきた奴の中にも魔物狩りしたいって奴がいるんだよっ! そいつらにも魔物狩りを教えてくれるのかなっ!?」


「そりゃ構わないけど、ちゃんとみんなで顔を合わせて、マグエルの生活にも慣れてからだな。やる気があるのはいいことだけど、絶対に無理矢理参加させたりしないようにね?」



 分かったーっ! と知った顔が走っていき、俺の知らない子供に今の話を伝えている。


 うん。どうやら本当に仲良しになったようだ。


 子供ってすぐ仲良くなるし、教会に拾われた子供たちは性格が捻じ曲がる余裕もないだろうからね。みんな素直でいい子達ばっかりだ。



 知った顔にも知らない顔にも挨拶し、教会を出て我が家に向かう。


 こうして歩くと、うちから水を運ぶのだって子供にはきつかったんじゃないのかなぁ。それでも別の井戸よりは、我が家の方が格段に近いのは間違いないんだけどね。


 

 家に帰ると、コットン率いる園芸部隊が畑と花壇の世話をしていた。半分以上見たことのない顔だね。コットンと同じくらいの子もいる。14歳の子だろう。


 ニーナにコットンと話をしてもらって、俺は知った顔と知らない顔にそれぞれ挨拶しておく。お隣さんだし、ムーリと俺の子供たちだからな。仲良くしていこう。



「ああああ、あのっ! ここに来れて、仕事も出来てご飯も食べれて、凄く嬉しいですっ!」


「ど、奴隷にならなくていいって言われてっ……! ほほ、本当に私、奴隷にならなくていいんですかっ……!?」



 ……仲良くしたいんだけど、子供たちはそれどころじゃないかぁ。


 特に14歳の子は、もう藁にも縋る想いなんだろう。既に12月に入ってるわけだし。



「来年の奴隷落ちはさせるつもりはないけど、ちゃんと働いて返してもらうからね? せっかくなんにでもなれるお前らを奴隷にするなんて、そんな勿体ない事はさせないよ」



 安心したような顔をする子、安心しすぎて泣き出す子もいるけれど、これってこの世界では当たり前に起こってることなんだよなぁ。


 トライラム教会のトップの人も、恐らくこれを食い止めたくて頑張ってるんだろうけれど、いくらなんでも保護するだけじゃ続かないって。



 ……それでも諦め切れなくてずっと子供達を保護し続けていたんだと思うと、本当に頭が下がる想いだね。



「ダンー。ムーリは家の中にいるみたいだよー」


「へ? 家の中に居るんだ?」



 ニーナの報告に首を傾げる。


 首を傾げつつも生体察知を発動してみると、かなり分かりにくいけど確かに寝室のあたりに反応があった。



 やっぱり遮蔽物があるとかなり効果が阻害されちゃうみたいだね。それでも家の外から屋内の人間の位置を察知できるのは、かなり有用なスキルだと思うけど。



 ムーリも中にいるんだし、寝室にいるなら連れ込む手間も省けるなっ。


 そう思ってドアに手をかけたら、なんと施錠されているではないか。



 この瞬間、俺に天啓にも似た閃きが起こった。


 こここっ、これはもしやぁっ……!?



「リーチェっ! ここからでも寝室の中に音が聞こえない様には出来るっ!? 逆に寝室の音は外に聞こえるようにして欲しいんだけどっ!」


「え? うん、出来るよ。地下で寝てた時にも、寝室の音の操作は練習してたし」



 くっ……! リーチェの練習内容も物凄く気になるが、今はムーリを優先するところだっ!



「じゃあお願いリーチェ。寝室の音は外に聞こえる様に、寝室の中には音が入らない様に、寝室からの音は家から漏れないようにして欲しいかな」


「細かい注文だけど、うん大丈夫。もう注文通りの状態だよ」



 流石はエロ神様! エロ関係に強すぎる!


 ではさっそく確認しにいこうかなぁっ! 我が家の寝室で行われてることをねっ!



 家の鍵を開け、全員が家に入ったら素早く施錠し直す。流石に子供たちに入られるのは不味い。



「あれ、ダン。なんで家の鍵、閉めちゃうの?」


「みんな、よく聞いて欲しい」



 首を傾げるニーナに、可能な限り真剣な表情を作って語りかける。



「今から全員で気配を消して寝室に向かうよ。寝室にいるムーリに、絶対に気付かれちゃだめだからね?」



 全員にこの突発型クエストの内容を周知する。



 ニーナとフラッタは俺の真剣な表情に、戸惑いながらも頷きを返してくれた。ティムルとリーチェのエロ組は俺と同じ想像をしたのか、にやりと笑顔を浮かべてる。


 てか我が家のエロ担当2人組さぁ。俺と同じ想像に到った時点でエロ過ぎるから、ホント勘弁してよねー。



 このあと寝室に向かった俺達は、ムーリに気付かれないように気をつけながら、自宅での愛の営みに勤しんだ。


 ま、まさかティムルの指にここまで翻弄されることになろうとはぁ……!

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