表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【全年齢版】異世界イチャラブ冒険譚  作者: りっち
2章 強さを求めて2 新たに2人
101/637

101 おさらいと確認と

ステータス情報が大量に表示されます。

PCを前提とした改行を行っている為、スマホからの閲覧は見辛くなっているかもしれません。

「ごめんなさい。シスターとお客さんのお話が長引いてるから、もう少し待ってて……」



 俺たちが待たせてもらっている教会の応接室に、申し訳なさそうにコットンが伝言してくれた。


 なんでも年末が迫ってきて、税金やら人事やらの話をする為に教会の少し偉い人が来て話をしているらしい。何も月に1度の礼拝日に来なくても良くね?



「視察も兼ねておるのでは無いかのぅ? 報告や帳簿をいくら誤魔化したとしても、市民との関係が悪化していれば問題じゃろう」


「なるほどねぇ。地域との関係が良好かを確認するには、不特定多数の人が訪れる礼拝日こそが最適なのね。ありがとうフラッタ。得心がいったよ」



 よしよしなでなで。家ではないので、抱っこはお互い自重する。



「んー、ちょっと暇になっちゃったね。せっかくだから俺達の情報を共有しておこうか。ステータスプレートの内容とか、浸透具合とかね」



 家の外で鑑定の情報を話し合うのは危険かなとも思うけど、この教会も半分身内みたいなもんだしな。


 仮に話を聞かれても、鑑定を使えない上に転職もしたことのない孤児たちには意味の分からない情報の筈だ。



「リーチェのは見ないから安心して。でもリーチェも俺の嫁なんだし、俺たちのは確認してみてよ」


「え、えぇ……。ぼくのは見せないのにみんなのは見るなんて、普通嫌がるものじゃないのかい……?」


「別にいいんだよ。どうせ次回の遠征ではもっと浸透するだろうしさ。それともリーチェは、俺の元を離れる予定でもあるの?」


「あっ、あっ、ある訳ないだろっ。ぼくは生涯ダンと共に生きると決めたんだっ」


「ならもう身内でいいよ。いつか見せれるようになった時に、ここにいるみんなに見せてくれれば良いよ」



 みんなでステータスプレートを見せ合う。


 リーチェの分は適当な木切れに手書きする。教会では孤児に読み書きを教えているらしいので、こういったものはいくらでもあるのだ。


 無断で使うのはどうかと思うけど?




 ダン 男 25歳 魔法使い

 ニーナ ティムル フラッタ リーチェ

 ニーナ(所有) ティムル(所有)



 ニーナ 女 16歳 豪商 

 呪い(移動阻害)

 ダン ティムル フラッタ リーチェ

 ダン(隷属)



 ティムル 女 32歳 豪商  

 ダン ニーナ フラッタ リーチェ

 ダン(隷属)

 


 フラッタ・ム・ソクトルーナ 女 13歳 商人

 ダン ニーナ ティムル リーチェ

 


 リーチェ・トル・エルフェリア 女

 ダン ニーナ ティムル フラッタ

 ダンの嫁(予約済み)




「なんかぼくの情報に、まだぼくのステータスプレートに記載されてない情報があるんだけど……?」


「どうせそのうち本当になるんだから、気にしない気にしない。あーもう、早く全員の1番下の項目を婚姻にしたいなぁっ」



 家族だけど家族じゃない。俺の女だけど俺の女じゃない。


 奴隷契約、邪魔すぎる。



「って、ステータスプレートに記載されてない情報か。ちょっと面白そうだな。この世界って背の高さを測ったり、体の重さを測定したりするのかな?」


「いえ、そういうのはないですねぇ。大体~、って感じですかねぇ」



 ティムルの返答に、ちょっとみんなのデータを確認し直したくなる。



「それじゃちょっとみんなのデータを書き出してみていいかな? 勿論俺のも書くからさ」



 ということで、全員のパーソナルデータをもう少し詳しく把握しよう。っていうかムーリさん長引いてるなぁ。




 ダン 男 25歳 魔法使い

 ニーナ ティムル フラッタ リーチェ

 ニーナ(所有) ティムル(所有)

 黒髪短髪 肌色 黒目 172cm 60kg弱 

 現金10万リーフくらい 発光魔玉8個

 村人 戦士 商人 旅人 行商人 剣士 短剣使い 武道家 職人



 ニーナ 女 16歳 豪商 

 呪い(移動阻害)

 ダン ティムル フラッタ リーチェ

 ダン(隷属)

 栗色ボブ 肌色 茶色の瞳 150ちょっと 軽い 平坦 

 村人 戦士 商人 旅人 射手



 ティムル 女 32歳 豪商  

 ダン ニーナ フラッタ リーチェ

 ダン(隷属)

 茶髪ロング 黒 黒目 175前後 がっしり 手に余るくらい

 村人 戦士 商人 旅人 行商人



 フラッタ・ム・ソクトルーナ 女 13歳 商人

 ダン ニーナ ティムル リーチェ

 腰くらいまである銀髪 白 赤い瞳 140ちょっと 軽すぎ 手の平サイズ

 村人 戦士 旅人 剣士 武道家 兵士 騎士



 リーチェ・トル・エルフェリア 女

 ダン ニーナ ティムル フラッタ

 ダンの嫁(予約済み)

 白髪ショート 褐色 翠の瞳 160ちょっと むっちり 極大




 左から、髪、肌の色、瞳の色、身長、体重、おっぱいのデータだ。


 俺は日本にいた頃65kg以上あったけど、この世界に来てから間違いなく痩せた。多分もう60kgも無いと思うのでこんな感じ。


 全員の身長は俺の目視で適当に。測ったら全然違うかも? 体重は全員抱っこした印象だね。


 ティムルはドワーフの種族特性なのか、筋肉質で4人の中では1番重い。身長も群を抜いてるしね。



 最後に浸透済みの職業を羅列。



「……ダン? 君、ぼくのデータだけ遊んでないかい……?」


「大真面目だよ。おっぱいは極大だし、お前ってエロ過ぎて重い軽いじゃなくて、むっちりなんだよ。抱き心地良すぎだから」



 男性から見た理想の女性、みたいな存在なんだよなぁリーチェって。



「こうして並べてみますと、ご主人様の浸透の早さが如何に異常なのか、とても分かりやすいですね。おっぱいのサイズを比較する意味は分かりませんけど、まぁご主人様ですしね」


「あら? ニーナちゃんはおっぱいのサイズを比較したりしないんですか?」



 ニーナの言葉に意外そうに反応するティムル。



「世の女性はみんな他人のおっぱいと自分のおっぱいの大きさを比べて、一喜一憂してるものですよ? 大体の男は大きいおっぱいが好きですからね」



 俺は小さかろうが大きかろうが、この世の全てのおっぱいを愛しているけどなっ。



「あ~……。私は世間とは隔絶された生活をしていましたし、ご主人様と出会ってからは、それはもうおっぱいを弄ばれましたので……。おっぱいが小さいことを不満に思った事はないですかねぇ」


「確かに手の平サイズの妾と極大サイズのリーチェを、同時に弄んでおったしのう。リーチェの乳を見て凄いなとは思うても、羨ましいとは思わないのじゃ」


「あー、私とニーナちゃんのおっぱい、どっちも大好きですもんねぇご主人様って」



 ニーナとフラッタの言葉に納得したように頷くティムル。



 でもマグエルに来たばかりの頃、ニーナもおっぱいのサイズを気にしていた気がするんだよな。ティムルもムーリさんもおっぱいが大きいし、とか言っていた気がする。


 俺が毎日散々愛したおかげでニーナのコンプレックスが解消されたのだとしたら、俺のおっぱい好きにも意味があったというものだっ。



「私たちってご主人様が中心だから、ご主人様が差をつけてないところに拘る意味もないんですねぇ」


「ぼくは今まであまり自分のおっぱいが好きじゃなかったんだけど……。ダンに喜んでもらえて、最近は少しずつ好きになってきたよ、自分のおっぱい」


「さて家じゃないんだから、そろそろおっぱいおっぱい言うのは止めようね?」



 自宅でだったら一生聞いていたい会話だけど、ここ教会だから。


 みんながおっぱい談義に華を咲かせた後は、職業設定で見れる情報も共有しておく。




 村人 最大LV10 

 補正

 スキル 経験値自動取得-



 商人 最大LV30 

 補正 幸運上昇-

 スキル 目利き



 戦士 最大LV30

 補正 体力上昇-

 スキル 装備品強度上昇-



 旅人 最大LV30

 補正 持久力上昇-

 スキル インベントリ



 盗賊 最大LV不明

 補正 敏捷性上昇

 スキル 小型武器使用時敏捷性上昇



 殺人者 最大LV不明

 補正 敏捷性上昇 敏捷性上昇-

 スキル 対人攻撃力上昇



 賞金稼ぎ 最大LV不明

 補正 敏捷性上昇

 スキル 対人防御力上昇



 剣士 最大LV30

 補正 武器強度上昇-

 スキル 斬撃時攻撃力上昇-



 短剣使い 最大LV30

 補正 敏捷性上昇-

 スキル 斬撃時攻撃力上昇-



 武道家 最大LV30

 補正 敏捷性上昇-

 スキル 物理攻撃力上昇



 侠客 最大LV不明

 補正 物理攻撃力上昇 物理防御力上昇 体力上昇- 魔力上昇- 幸運上昇

 スキル 陽炎



 兵士 最大LV50

 補正 装備品強度上昇- 体力上昇- 敏捷性上昇-

 スキル 全体補正上昇-



 冒険者 最大LV不明

 補正 体力上昇 持久力上昇 敏捷性上昇-

 スキル インベントリ ポータル


 

 慈善家 最大LV不明

 補正 幸運上昇 魔力上昇-

 スキル 全体幸運上昇-



 魔法使い 最大LV不明

 補正 魔力上昇-

 スキル 初級攻撃魔法



 職人 最大LV30

 補正 身体操作性上昇-

 スキル 五感上昇-


 

 行商人 最大LV30

 補正 持久力上昇-

 スキル 所持アイテム重量軽減-



 射手 最大LV30

 補正 身体操作性上昇- 持久力上昇-

 スキル 射撃時攻撃力上昇-



 修道士 最大LV不明

 補正 魔力上昇- 幸運上昇-

 スキル 回復魔法



 豪商 最大LV不明

 補正 体力上昇- 持久力上昇- 幸運上昇 装備品強度上昇-

 スキル 魔玉発光促進 インベントリ



 荷運び人 最大LV不明

 補正 持久力上昇+

 スキル インベントリ 所持アイテム重量軽減+


 

 騎士 最大LV50

 補正 体力上昇 魔力上昇- 物理攻撃力上昇 物理防御力上昇

    敏捷性上昇 身体操作性上昇 五感上昇 装備品強度上昇

 スキル 全体補正上昇 対人攻撃力上昇 対人防御力上昇



 聖騎士 最大LV不明

 補正 体力上昇+ 魔力上昇 物理攻撃力上昇+ 物理防御力上昇+

    敏捷性上昇+ 身体操作性上昇+ 五感上昇+ 装備品強度上昇+

    全体幸運上昇+

 スキル 全体補正上昇+ 対人攻撃力上昇+ 対人防御力上昇+

     対不死攻撃力上昇+ 物理耐性+ 魔法耐性+

     聖属性付与魔法 回復魔法



 狩人 最大LV不明

 補正 体力上昇 魔力上昇- 持久力上昇 身体操作性上昇

    幸運上昇 装備品強度上昇

 スキル 生体察知



 武器職人 最大LV不明

 補正 持久力上昇 身体操作性上昇 五感上昇

 スキル 武器鑑定 武器作成 インベントリ



 防具職人 最大LV不明

 補正 持久力上昇 身体操作性上昇 五感上昇

 スキル 防具鑑定 防具作成 インベントリ



 宝飾職人 最大LV不明

 補正 持久力上昇 身体操作性上昇 五感上昇

 スキル アクセサリー鑑定 アクセサリー作成 インベントリ



 アイテム職人 最大LV不明

 補正 持久力上昇 身体操作性上昇 五感上昇

 スキル アイテム鑑定 アイテム作成 インベントリ



 調剤士 最大LV不明

 補正 持久力上昇 身体操作性上昇 五感上昇

 スキル ポーション鑑定 ポーション作成 インベントリ




 好色家は勿論伏せておく。



「こ、これが職業設定の力……! 職業の能力を全て把握できて、その上で制限なく転職できるなんて……!」


「慈善家なんて職業もあるんですね。侠客は、フラッタのおっぱいを触ったときの職業ですか」


「え、えぇぇ……? ご、ご主人様、もしかして自分で装備作成できるんじゃ……?」


「ふむぅ。聖騎士とは非常に強力な職業なのじゃなぁ。ダンよ。本当に妾は聖騎士にならなくて良いのかのぅ?」



 4人ともそれぞれ注目するところが違って面白いなぁ。


 リーチェは職業設定の強力さを正確に把握している。ニーナは俺との生活から職業をイメージしてるね。ティムルはやっぱり商売人視点で、フラッタはどうしても聖騎士に目がいっちゃうよなぁ。



「構わないよフラッタ。確かに聖騎士は強力だけど、今の俺たちに戦力不足は感じないしな。それに俺の浸透は早いんだろ? 必要になったら俺が自分でなればいいさ」



 余計な事を考えずに好きな職業になっていいんだよー。よしよしなでなで。


 あ、そうだ。聖騎士と言えば聞きたい事があったんだ。



「ねぇねぇ。職業設定以外だと、各種ギルドかフォアーク神殿? ってとこで転職するんだよね。騎士はありそうだけど、聖騎士なんて職業はやっぱフォアーク神殿でなるものなの?」


「う、うん。そうだね。聖騎士ギルドなんてないから、フォアーク神殿で転職するしかないよ」



 職業情報に戸惑いながらも質問に答えてくれるリーチェ。


 うちのメンバーでフォアーク神殿を利用した事があるのはリーチェだけだ。騎士まではギルドがあるらしいので、フラッタもフォアーク神殿を利用した事は無かったらしい。



「そ、それにしても、ダンの転職可能な職業の数が多すぎてびっくりしてるよ……。この世界に来て半年で、よくここまで……」



 戦士系、商人系、旅人系と、満遍なく職業育成してますからね。



 ってもしかしてフラッタが戦闘職しか上げさせてもらえなかったのって、フォアーク神殿での上級職転職を見据えたものだったのか?


 フォアーク神殿は確かランダム転職。転職可能な職業を減らす事で、ランダム性を可能な限り排除した……?



「ねぇねぇ。神殿での転職って、自分の望んだ職業じゃなかった場合、転職しなおすってことは出来ないの?」


「ああ、それは可能だよ。だけどギルドの転職には1回金貨3枚、3万リーフもかかっちゃうけど、フォアーク神殿の料金はもっと高額で、手続きもかなり面倒なんだ」



 ギルドで転職するのと同じ料金で転職できるわけじゃないんだな。


 そして手続きか。ギルドの転職も利用したことがないからそこは比較できないな。



「フォアーク神殿は簡単に行ける場所じゃないし、それにかなり混み合っているからね。何度も転職を繰り返すのは現実的には少し難しい、といった感じかな」



 なるほど。システム的には即時転職は可能だけど、社会的な理由でそれを実現するのは難しいって感じかぁ。


 しかしランダム転職のフォアーク神殿が混み合っているのはちょっと意外だな。珍しい職業について一攫千金狙いとか?



 そうだ。職業浸透に関連してこれも聞いておこうかな?



「ねぇねぇ。俺の転職可能職業の多さについて、1つ疑ってる説があるんだけどさ。異種族同士でパーティを組むと浸透が早まるとか、そういう話って聞いたことないかなぁ?」



 俺の仮説を聞いた4人は、怪訝な表情を浮かべたり可愛く首を傾げたりと、あまり心当たりは無さそうな反応をしている。



「特にリーチェ。英雄譚がどこまで真実かは知らないけど、6人の英雄は異種族混成パーティだったらしいじゃん? 心当たりないかな?」



 なんとなくだけど、フラッタのレベルの上がり方を見てると、フラッタ加入後の経験値取得量の方が増えてる感じするんだよね。4人パーティ4魔玉状態なのにさ。


 ちょっとこれは、殲滅将軍フラッタの力だけで説明がつく話じゃないでしょ。



「異種族だと、浸透が早まる……? そ、そんなことあり得るの……?」



 驚愕したように呟きながらも、拳を口元に当てて考え込むリーチェ。



「で、でも確かに当時のパーティは浸透が早かったと言えば早かったかもしれない……。確証はないけれど……」



 半信半疑といった様子で呟くリーチェ。


 う~ん。鑑定を使える人が居ない以上、検証する方法も無いかぁ。



 フロイさんを始め、マグエルまでの旅で出会ってきた人たちの職業浸透具合と、俺のパーティの浸透速度が違いすぎるんだよね。


 ベテランの戦士でも3つか4つくらいしか浸透してなかった印象だ。



 この世界での最高効率を突っ走ってるであろうフラッタですら、俺と出会うまでは5年で5つだった。


 俺の人間族の種族特性で取得経験値が2倍になっていたとしても、それでも早すぎる。



 だって、高額な料金を払っても浸透に失敗して転職するケースだってあるのだ。ティムルのように。



「ティムルの旅人が浸透してなかったのに、フラッタが1回の遠征で浸透が完了したんだよ。そこには絶対に明確な差があると思ってる。魔物の討伐速度だけじゃ説明がつかない。そりゃティムルは毎日戦ってたわけじゃないんだろうけどさ」


「確かに私は商人8年。旅人を4年。行商人を5年続けていました……。そうですよ。その旅人が一気に浸透して、それ以前に行商人も瞬く間に……」



 初めてティムルと一緒にスポットに潜った時、ティムルは何度もスポットに入った事があるって言ってたからな。


 なのに旅人も行商人も浸透していなかったのは、ちょっと遅すぎる気がするんだよ。



「ティムルは商売人だったから気付くのが遅れたんだろうけど、うちに加入してからのフラッタの浸透速度が、フラッタの過去と違いすぎてる。人間族の種族適正が全員に波及していたとしても、あまりにも違いすぎる」


「うむぅ……。妾の場合は家の方針に従っていただけじゃから、なんとも言えぬのじゃ……」



 自信なさげに俯くフラッタ。


 んー、鑑定持ちと鑑定なしの浸透速度を比べることが間違いなのかなぁ。



 だけど今まで思い浮かばなかったけど、ステイルークで村人のレベルを上げるのにめちゃくちゃ苦労したんだよ。


 でもニーナさん……、ニーナとパーティを組んでから、明らかにレベルアップ、早くなってなかったか?



 野盗討伐でティムルと組んでた時、フラッタと会ってマグエルに戻った時、どうだったっけ……?


 今までパーティメンバーが増えるたびに、レベルアップ速度上がってる、よな? そして俺のレベルアップ速度が他のメンバーよりもどんどん速くなっているよな?


 なんとなく、種族数で取得経験値……、乗算されてないか?



 同じ魔物を同じ場所で同じ数倒し続けていたわけじゃないから、どうしても推測の域は出ないけど。



「なるほど。結局全部ご主人様のおかげだということですね。鑑定とか職業設定とか関係なく、ご主人様だから私達は強くなることが出来たわけですか」


「……は?」



 ニーナが得心がいったとばかりに呟いた言葉に、思わず素で返してしまった。



「だってご主人様じゃなかったら、人間族と獣人とドワーフと竜人とエルフの混成パーティなんて、出来てなかったじゃないですか。このパーティが結成されたのに、ご主人様の能力は関係なかったじゃないですか」



 本当に嬉しそうに語るニーナの笑顔に引き込まれる。



「ご主人様が差し伸べた手が私たちを集めたんですよ? 鑑定とか職業設定とか、貴方の女になってから知らされたんですよ? ここいる全員が、です」


「ふふ。ご主人様。ニーナちゃんが言う通り、ご主人様だからこのメンバーが集まったんですよ」



 ニーナの言葉を引き継いだティムルも、やっぱり最高の笑顔を浮かべてくれる。


 俺の差し伸べた手が、皆を集めた?



「普通は異種族のパーティはあまりないんです。獣人と人間の混成、たまにドワーフが混じるくらいで。エルフや竜人とパーティを組める他種族なんて、殆どいないんです」


「うむぅ。耳の痛い話じゃのう。初対面の時の妾を思い出してもらって構わぬが、竜人族は他種族を、特に人間族を見下す傾向にあるからのぅ。竜人族が竜人族以外とパーティを組むことは、非常に珍しいのじゃ」



 フラッタの言っている事はヴァルハールで身を持って体験したからなぁ。


 ……いや、だからこそ違法奴隷として高額で取引されていた?



「エルフなんて自分達の生活圏から離れる者が殆ど居ないからねぇ。異種族混成パーティについて検証のしようもないんだよね。ぼく自身、ダンとパーティを組むなんて思ってなかったわけだし」



 なんか情報過多で混乱してきた。混乱してきたけど。


 ここにいる5人の出会いが、本当に奇跡的なものだったのだということだけは分かる。



 そこに作為的なものがあるかは分からないけど。



「つまり俺達の出会いは奇跡みたいなものだったってことだよね。はは。やっぱり教会の手伝いはしてみるものだね。こんなにもご利益があるなんてさぁ」



 礼拝日の手伝いをするようになったのはフラッタと会ったあとだったっけ?


 でもまぁ教会の子供たちやシスターとは仲良くしていたわけだし、神様の覚えも良かったのかもしれないな。



 その後夕食の準備が整った事が知らされて、今回情報を書き出した木切れをフレイムランスで証拠隠滅。


 みんなとの出会いを神様に感謝しながら、この日の夕食を楽しんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ