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007

 「はい、練習終わり!スライムとか倒しに行くよ!」


 「おう!」


 初めてスライムと戦ってからだいたい三週間がたった。最初は地獄だと思っていた剣の素振りも、慣れてくると意外と苦痛にならない。いや、むしろ待ち望むようになった。フジコも同じような感じだ。人って、たかだか三週間でこんなにかわるもんなんだなあ。


 また、もう平原にいるモンスターを倒し始めている。まだ強い敵は倒せないが、スライムなどの弱いモンスターは危なげなく倒せるようになった。スキルもいくつか付いた。そして今は、剣の素振りをした後にモンスターを倒しに行くのが一日の流れになっている。


 「今日のノルマはスライム十匹、それ以外のモンスター五匹だよ。」


 「ミサキはそれで余裕かもしれないけどさ、俺らはどうするのよ」


 「何言ってるの。いっつも倒してるじゃない。それに、私だって楽じゃないんだからね。魔法は簡単な魔法以外使えないし、ステータスだってフジコやレオンともうそんなに変わらないんだから。」


 俺とフジコのステータスはかなり上がった。一日たつたびに、ミサキのステータスにもう追いつきそうな勢いで上がっている。ミサキのステータスが全く上がらないのも原因の一つだけど。その原因をミサキに聞いたことはまだ一回もない。


 俺の目の前に、スライムが二、三匹現れた。今までに俺たちの戦っている姿を見たスライムは一匹残らず川の向こうの方へ逃げていっていたので、まだ俺たちの強さを知らないのだろう。明らかに油断している。


 早速俺はスライムに攻撃を仕掛けた。最初にスライムと戦った時とは比べ物にならない。スピード。パワー。持久力。スライムたちに深い傷を負わせるには十分すぎるぐらいの一撃だった。


 俺の一撃をくらって、スライムたちは動かない。いや、動けない。とどめの一撃、と俺がもう一撃かまそうとしたところで、横からいきなり何かが飛んできた。俺はさっと避ける。


 飛んできたのはスライムが吐き出したもの、つまりスライム毒だ。当たると体が麻痺するので、形勢が逆転する。いくら強くなったといっても、俺たちは一番ステータスが上がりにくい村人で、勇者のように俺TUEEEなわけではない。一瞬の油断が、死を招く。 「おーい、レオン。お前スライム何匹倒した?」


 フジコだ。俺は目の前のスライムを倒してから、現状報告をすることにした。


 「えーっと、五匹。」


 「遅いな、レオン。俺は、もう終わった。」


 「ミサキに倒してもらってるだけだろ。」


 「盾なんだから、仕方ないじゃないか。それに、俺だってシールドアタックで二匹倒したぞ。」


 「はい、そうですか。俺もちゃっちゃと倒してきますよ。」


 フジコは攻撃じゃなくて防御がメインだ。だからスライムそのものを倒すのはだいたいミサキ。だからすぐに目標に行くんだろう。


 俺も早く倒して、戻ろう。そうして、俺はスライムが固まってそうな場所へとかけだして行った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 「この肉、毎度のことながらまずい。」


 俺たちが今食べているのはモンスターの肉。食べられるが、豚や牛の肉みたいにおいしいはずもなく、不味い。


 「しょうがないよ。だって、ここらへんで食べれる肉と言ったらこれぐらいしかないんだよね。」


 「そうじゃなくて、どこかで買ってくればいいじゃん。」


 「あのねぇ。フジコとレオンはお金持ってないと思うし、第一、この近くに肉を売ってる店があると思う?」


 「思う。俺たちの村の肉屋。」

 「・・・。じゃあ、フジコ。行ってらっしゃい。フジコが武器とか防具とかをパクったフジコのお父

さんに見つかったらどうなるかな?それに、もう逃亡罪で村中にフジコとレオンの顔が張られてると思うけど?」


 「・・・ヤッパリヤメトキマス。ボクガワルカッタデス。」


 ミサキの言う通りで、俺たちの村で今頃村中で指名手配になっているだろう。二年前、村から勝手に逃げて指名手配され、捕まってひきずられていった村人を見たことがあるから分かる。


 「・・・さて、これまででどれくらい成長したか、ステータスプレートを見せ合うよ。」


 俺たちは、順番に見せ合うことにした。最初は、俺だ。


  レオン・ゼクス 15(男)

 攻撃 106

 防御 75

 素早さ 53

 魔力 9


 スキル 

 スライムキラー、素振り中級者、麻痺耐性Ⅰ、回避、重戦車


 特殊能力

 根性(未開放)、ド根性(未開放)


 ・・特殊能力は解放されなかったが、いろいろなスキルを習得している。効果が分からないスキルもあるけど。


 次はフジコのステータスだ。


 フジコ=ルプクァ=ウドルフトグヤ

 15(男) 

 攻撃 28

 防御 133

 素早さ 41

 魔力 3


 スキル 

 盾系相性◎ 瞬間防御Ⅱ シールドアタック 麻痺耐性Ⅰ 盾に好かれし者


 特殊能力

 なし


 一つ、意味が分からないスキルが混じっている。なんだよ、「盾に好かれし者」って。本人が一番盾の事を嫌っていたのに。


 次のはミサキのステータス。


ミサキ(関口 美咲)年齢非公開(女)

 

 攻撃 54 (60)(3829)

 防御 49 (50)(7492) 

 素早さ 37 (40)(8055)

 魔力  100(100)(9999)


 スキル

 全能力ダウンⅤ(ロック)魔力放出量ダウンⅤ(ロック) 魔力増加Ⅴ 元勇者


 特殊能力

 高・中度魔法放出禁止ロック 神の加護(魔力)



 会った時からほとんど変わっていない。スキルの全能力ダウンⅤと魔力放出量ダウンⅤが関係していそうだ。なぜそんなスキルが付いているのかが前々から気になっていたので、聞いてみることにした。


 「ミサキって、なんで能力が下がるスキルが付いてるの?」


 「それは、城から逃げてくるときにやられちゃって・・・。ステータスに書いている上のカッコの数字が今の上げれる上限らしいんだよねー。あ、ちなみに、下のカッコは元々のステータス。」


 うん、知ってた。下のカッコがそれらしいことは。


 「そのスキルってのは、外せないの?」


 「外すこと自体は、不可能じゃないんだけど・・・。いくつかのダンジョンを突破しないといけなさそうなのよ。この話は、レオンとフジコにも関係あるんだけど・・・。」


 「どんな関係があるって言うの?」


 「今のままじゃ、あなたたち二人はランクが勇者の人には勝てない。」


 分かってるよ、そんな事。


 「だから、今までもこうやって強くなってきたじゃないか。」


 「そういうこと以前に、勇者は、勇者とモンスター系以外の攻撃は無効化されて、効かないの。」

名前の由来


フジコ・ルプクァ=ウドルフトグヤ:『ふじこlpくぁwせdrftgy』より

レオン・ゼクス:適当

ミサキ(関口 美咲):適当


結構適当に決めちゃってますね・・・・・・。

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