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003

003 旅立ち PART2

 

 「うーん」


 俺は目が覚めた。時計を見ると、八時半を指していた。


 「ヤバい、遅れてる!」


 そういえば、フジコとは今日の八時に村の広場で合流する予定だったのだ。遅刻も遅刻、大遅刻だ。


 広場につくと、案の定フジコが怒っていた。 「レオン!遅い。もう九時前じゃないか。時間指定したのはお前だろ。お前は昔からこんな感じだよなぁ。」


 「ごめん、ごめん。それより、武器の調達

はうまくいったのか?」


 「・・・ああ。でも本当に使うんだろうな。これが絶対見つかったらよくて勘当、悪かったら殺られるぞ。ほら。」


 そんなことを言いながら、フジコが渋々武器や防具をフジコが背負っていた袋から取りだした。


 「この武器、なんかかっこいいな!」


 俺はその武器に触れた。


 「うぁ!」


 武器に触れた瞬間、ステータスプレートがいきなり出てきた。


 「スチールソード」

 鉄の剣 攻撃力+10

 鍛冶屋が作った鉄の剣。基本的な剣。無属性。

 スキル なし


 「てことは、両方スチールソードか。もっといいものはなかったの?」


 「・・そんなにいうならレオン、お前がとってくればいいじゃないか。」


 「ごめんごめん。じゃあ、防具の方も見てみてみようか。」

 

 スチールシールド

 鉄の盾 防御力+20

 鍛冶屋が作った鉄の盾。基本的な盾。無属性。

 スキル (シールドアタック レベル5で解放)

 

 こっちも、基本的な盾みたいだ。ところで、


 「スキルって、どんなものがあるんだろうな。」


 「えっと、それなら大まかには知ってるぞ」


 フジコの父は鍛冶屋だ。その息子のフジコが、武器や防具関係の事を全く知らないはずがない。


 「スキルは、最初から自分についているものと、武器や防具などについているもの、レベルアップでつくものの三種類あるんだ。」


 「で、シールドアタックってのは?」


 「その名の通りだと思うよ。盾で突撃するんじゃない?この盾鉄でできてるから、結構相手もダメージを食らうんじゃない?」


 「当たればね」 


 盾で突撃するのは、そんなに使えないとは思う。仮に突撃しても、簡単にかわされるのがオチだ。


 「それより、これ結構重くないか?」


 フジコが重そうにスチールシールドを持っていた。俺もスチールシールドを持ってみる。


 「たしかに、結構重いな。これじゃ、村を出てしばらくは筋トレ状態になってしまうと思う。でも、じきに慣れると思うよ。慣れなかったらレベルアップとか戦闘とか話にならないから。じゃ、この剣と盾を持って村を出るぞ。あ、当然裏からな。」


 「はいよ。]


 俺たちは、村人に見つからない様にして、村を出るのを急いだ。にしても剣と盾がかなり重い。重すぎる。


 「大丈夫か、レオン。重くて疲れたなら、ちょっと休憩した方が・・」


 「だ、大丈夫!まだ全然疲れてない。盾と剣も全然重くないから。」


 「そうは見えないけどな。てかお前、昔からよく意地張るのは変わらないよな。負けず嫌いなところも。」


 「それを言うなら、フジコだって危険そうな場所にいっつも行ってるじゃないか。」


 「今は関係ないだろ。それより、村を出るまであとちょっとだぞ。レオン、頑張れ!」


 「大げさすぎだろ、フジコ。」


 村の範囲である柵を超えると、スライムなどのモンスターが大量に潜んでいるウィーク平原に出る。いくら弱いとはいえ、俺とフジコは村人でレベル1だ。十分注意しないといけないな。


 あのクソ勇者たちは召喚されるときに世界の神(?)にチートと呼ばれる能力をもらうらしい。だから、性格が腐っていようと強いのだ。


―-------------------


 「おい、レオン。後ろ見てみろよ。もう村がほとんど見えないぞ。」


 なるほど、後ろを見ると、もう村がほとんど見えなくなっていた。


 「ん?あの遠くにあるのは、なんだ?」


 「どうした、フジコ。あれってなんだよ」


 「あれだよ、あれ!」


 そう言ってフジコが指さした先には、一人の人が血を出して倒れていた。フジコは目が悪いので、分からなかったらしいが。


 「おいフジコ、あれは人だ。事情はよく分からないけど、血を出してたおれてるぞ。とにかく、助けにいこう。」


 しかし、どんどんその人に近づいていくと、あることが分かった。


 「・・こいつ、勇者じゃないか。」


 そう、倒れていたのは女の勇者だったのだ。俺は、助けたいという心と、勇者は敵だという心の間で葛藤していた。


 本当は、すぐ助けたかった。でも、ただ勇者同士の権力争いで負けただけだったとしたら?もしもそうなのだとしたら、答えは一つに決まっている。


 「放っておく」


 だ。でも、そうじゃないのだとしたら?例えば、この世界の勇者達に疑問も持った結果でこうなったのだとしたら?それならもちろん、 「助ける」

だろう。俺には、どうすればいいのか分からなかった。


 「おいレオン!何を考えているんだよ。傷ついた人が倒れてたら、まず助けてから事情を聞いた方がいいんじゃないか。」


 この一言で、俺の心は決まった。


 「よし、まずこの人をモンスターの来なさそうな高いところへ運ぶぞ。事情を聞くのはその後だ。」 


 こうして、俺とフジコは高そうな場所を探すが、


 「ここ平原だぞ。高い場所なんてあるわけないだろう」


 とフジコに言われた。考えてみれば、仮に高い場所があったとしても、モンスターがそこにいないとは限らない。かといってここが安全なわけではないので、その勇者が目を覚ますまで、周囲を警戒した。


 「・・うううん?」


 数分後、勇者は目を覚ました。


 「!出血が止まってる。てか、あなたたちは?」


 「俺はレオン。」


 一応名前を言っておく。


 「俺はフジコ」


 「その恰好は、村人ね。ごめんなさい。あの勇者共のせいで・・・」


 予想外だった。村人だと分かるや否やけなされることを覚悟していたのに。


 そのあとの彼女の説明はこうだ。


 まず、彼女も他の勇者と同じようにこの世界に召喚された。だが、そこで見たものは、かなり悲惨だったという。勇者が勝手に裁判をする、城の人をこき使う、王に対して上から目線、気に入らなければ殺す、挙句の果てに勇者同士で権力争い・・・


 嫌になった彼女は、少数の同じ考えを持つ勇者と一緒にそれらをなくそうとした。ところが、その計画が漏れた。中にスパイがいたのだ。そして奇襲され、命からがら逃げだしてきたが、途中で力尽きたのだという。


 「それ、本当に信じていいのか?」


 「レオンは父を勇者に殺さているんです。」


 そう、まだ助けただけ。まだ、言うことを信じきれない。勇者なのだから。


 「私がもしあなたたちを殺そうとしているのなら、とっくに殺していると思うんだけど?」


 言われてみればそうだ。もう出血は止まっているし、相手は村人、自分は勇者。自分が勇者側の立場で、もし殺そうとしたなら、とっくに殺している。


 「で、なんであなたたちはここにいるの?まだ大人じゃないのに武器も持って。」


 俺は、俺の決意のことを話した。


「復讐するってことが、どんなに大変なことか分かってる?」


 それから、復讐するということの大変さを聞かされた。


 一つ目は、かなり強くないと勝てないということ。 


 二つ目は、人を殺すという罪悪感に襲われるということ。


 俺だって、一つ目はかなり大変なことだってわかってる。でも、二つ目はそんなに大変そうには思わなかった。のちに、このことが自分に重くのしかかってくるとも知らずに。  

この作品がエタってしまった原因:

 1,『文字数稼ぎが嫌になった』(当時は原稿用紙10枚分書くまでその話を終われないという縛りを付けていたため)


 2,『内容がぐちゃぐちゃでよくわからなくなった』


 3,『プロットがきっちりとしすぎて壊したくなった』


 4,『単純に執筆に飽きた』

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