他人行儀な家族。
___私の家族は?
他人行儀な家族なの!
まるで? 赤の他人と一緒に住んでいるみたいな生活。
私の家族は、お父さんお母さんお姉ちゃんとおばあちゃんと私の5人家族。
それと、愛犬のプラン。
___いつも?
家族団欒の食事も、おばあちゃんの一言からみんなでご飯を食べるの。
『___皆さん! テーブルについてください! 皆でご飯を食べましょう!』
『___そうですね! 美央さんと曄子さんは手を洗ってきてください!』
『___分かりました、お母様。』
『___さあさあ、曄子さん! 手を洗いに一緒に洗面所に行きましょう!』
『___は、はい!』
___うちの家族で、一番偉いのは?
おばあちゃん、お母さん、お姉ちゃん、私、愛犬プラン♀、お父さんなの。
この家族は、【女系】が一番偉いから!
唯一の男である! お父さんの、意見はいつも通らないのよ。
おばあちゃんの言う事が絶対で! 家族みんな、おばあちゃんのいう事
を聞くしかないのよ!
・・・だからなのか?
おばあちゃんが、全て! 私やお姉ちゃんの教育を引き受けているから!
私もお姉ちゃんも、お父さんやお母さんに一度も甘えた事がないわ。
いつも、そこには、、、?
厳しく私とお姉ちゃんに説教する怖いおばあちゃんが居るだけよ。
___両親の愛情をもらう事なく! 育った私とお姉ちゃんは?
どこか? 他人行儀で...。
私は、家の中に居る事が苦痛に感じているわ!
友達や部活の先輩の方が、まだ家族のように感じられるんだもの!
___家に居ると?
心が窮屈に感じる! 誰も私の話をちゃんと聞いてくれる人なんか!
この家族の中に、一人もいないんだから!
・・・お父さんやお母さんに、どうしようもなく!
甘えたくなったこともあったわ!
___でも、どうやって甘えていいのかも分からないのよ。
まだ、3歳だった女の子が、両親にどうやって甘えていいか
分からないなんて! 誰にも言えない悩みよね。
___学校のクラスの友達は?
普通に、両親にギュッと抱きしめてもらったり。
いい事をすれば、頭を撫でて褒めてくれたり。
お父さんやお母さんって! 私の中で、そういう存在じゃなかったのよ。
おばあちゃんの言いなりで!
私たち姉妹には、一切口を出さない人達だったのよ。
・・・お姉ちゃんがね? まだ私が4歳でお姉ちゃんが6歳の時にぼそっと
私に言ったのよ!
『___ねえ、曄ちゃん! あそこにいる二人は、私たちの親じゃないよ!
おばあちゃんがいる限り、お父さんやお母さんに、私たちは甘える事すら
出来ないのよ! だから、他人のフリをした方がいいわ! 自分の気持ちを
誰にも言っちゃダメよ!』
『___う、うん!』
___あの時の、お姉ちゃんは?
もう、気づいていたのかもしれない!
お父さんやお母さんに甘える事は出来ないんだと、、、。
*
・・・でもね?
私は、高校2年生の時に好きな男の子ができて。
何でも、彼に話す事が出来たの。
___それから、私の心は少しずつ変わる事ができたわ!
・・・彼に出会えてなかったら?
私は、心を持たない大人になってしまいそうだったところよ!
___お姉ちゃんは?
結局、自分の気持ちに蓋をしたわ。
まるで? 感情のないロボットみたいになってしまったの。
お父さんもお母さんも、私たち姉妹の事を気にしてくれていたけど?
おばあちゃんに逆らう事は、出来なかったみたい。
___大人になって家を出てたまに、この家に帰ると?
私は、自然と心を閉ざす事にしたわ。
誰にも、この家族の人に、私の本音を言わない!
冷たく孤独なこの家の中では、みんなが他人行儀。
___本当の血が繋がった家族だからと言って。
幸せかどうかは、誰にも分からないモノなのよ。
最後までお読みいただきありがとうございます。