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年下俺様婚約者と休日

リオ様の休日

今日は休日です。学園もお休みですが、王太子たるリオ様には休みはありません。


今日も私は、リオ様の住むお城に出向きます。何故なら、私が見張っていないとリオ様はすぐに無理をしてしまうからです。具体的に言うと、ご飯を食べなかったり、一日中ずっと執務に集中したりしてしまうのです。


「リオ様、来ましたわよ」


「アン!よく来たな。すまないが俺は執務がある。あまり構ってやれないが許せ。」


「もちろんですわ。もし宜しければお手伝いさせてくださいませ」


「…いつも、すまないな。よろしく頼む」


こうしてお手伝いをして、時々休憩を取るように進言し、休憩中はたっぷり甘やかして差し上げる。これがまだ12歳でありながら立派に王太子としての仕事をこなすリオ様の婚約者たる私の務めです。


かちこちかちこち、と時計の音が響きます。私がお城に到着してから随分と時間が経ちました。そろそろお昼休憩にしましょう。


「リオ様、そろそろお昼休憩に致しましょう?私、サンドイッチを作って参りましたの」


「…なに?アン自ら昼食を作ってくれたのか!?よし、それなら休憩にしよう。いつものようにあーんしてやろう。」


「まあ、嬉しい」


それから私とリオ様はお互いに手ずから昼食を食べさせあい、たわいない話をしながら美味しい昼食を堪能しました。


そして更に時間は経ち、午後三時。お茶の時間です。


「ねえ、リオ様。少し休憩に致しましょう?美味しいキャロットケーキを作ってきましたの」


「なに!?またも手作りだと!?食べる!休憩にしよう、アン!」


「はい、リオ様」


そうして使用人に紅茶を用意させ、お茶の時間にします。


「アンは本当に料理や菓子作りが上手いな。さすが俺の愛しの婚約者!完璧だ!」


「まあ、光栄ですわ」


こうしてたわいない話をしながら、あーんと食べさせあい、休憩をとっていただきます。今日一日で大分書類も片付いたようですから、もう少しゆっくりしても大丈夫でしょう。


「ねえ、リオ様。少しの間お昼寝しませんか?お疲れでしょう?私、膝枕致しますわ」


「アンの膝枕か!良い!良いぞ!休憩を続けようではないか!なに、この程度の書類ならあと一息で片付くからな!心配ない!」


「頼もしいですわ、リオ様」


こうして膝枕をし、少しでもリオ様に休んでいただきます。


更に時間は経ち、午後7時。いい加減私も帰らなければなりません。ですがもう大丈夫。今日の分の執務、無事に終わりました!


「お疲れ様でした、リオ様」


「こちらこそ休日に付き合わせて悪かったな。この埋め合わせは後日しよう。アン。俺の愛しの婚約者。俺は必ずお前に後悔はさせないからな!この俺の婚約者でよかったと心から思える、最高の婚約者でいることを誓ってやる!この俺に選ばれたことを光栄に思うがいい!」


「もちろんですわ、リオ様」


そう言って私はリオ様の頬にキスをします。リオ様は真っ赤になってしまいました。可愛らしい方。そんなに気負わなくても、私はリオ様の婚約者ですもの。絶対後悔なんてするはずありませんわ。


「リオ様、ではまた明日。ご機嫌よう」


「ああ、またな」


こうして私はリオ様と別れます。ああ、今はすごく寂しいですが、また明日リオ様にお会いするのが楽しみです。

王太子は忙しい

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