年下俺様婚約者と授業
授業中
朝礼が終わり、教室へと向かいます。そして授業の始まりです。
「起立!礼!よろしくお願いします!着席!」
そんなリオ様の声で授業が始まります。
リオ様とは席が隣同士なので授業中も筆談が出来ます。
『アン、今日は前回の流れ的に俺が当てられそうだ。完璧にして至高の答えを導きだしてやろうと思う。目と耳の神経を研ぎ澄ませて聞いているがいい』
『はい、もちろんですわ。リオ様の出す答えが間違いであるはずがありませんもの』
リオ様は授業中に当てられそうになるといつも自信満々にそう宣言されます。そうです。本当は不安で自信がないのです。王太子教育を頑張っているリオ様がこの程度の問題で間違えることなどあるはずもないのに、本当に可愛らしいお方なのです。
「ではリッカルド様、ここの問題の答えをお願いします」
「ふんっ。簡単なことだ。答えはルート二分の一だ」
「正解です!さすがリッカルド様です!皆様もリッカルド様を見習ってくださいね」
先生がリオ様を褒めています。リオ様も表面上だけは当然だという表情ですが、どこかそわそわしています。
『なあ、見ていたか、俺の雄姿を』
『はい、見ておりましたわ』
『もちろん、本当に答えはあっていたよな?』
どうやら教師がリオ様に遠慮して間違っていても指摘できない可能性を感じて不安になってしまったようです。
『もちろんですわ。先生は誠実な方です。間違っていたらちゃんと指摘なさいますわ。さすがリオ様、この程度の問題は余裕ですのね!』
『ふふん。そうだろうそうだろう!この程度は余裕も余裕だ!もっと褒めるがいい!』
本当はハグして頬にキスをして頭を撫でて差し上げたいほど可愛いらしいのですが、授業中なので我慢ですわ!ああ、なんて可愛らしいお方なのかしら!はやく休み時間になって、甘やかして差し上げたいわ!
本当は不安