表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/53

7話『夫婦と挨拶』

改稿しました。前後に不備がないように調整出来てはいると思います。

俺は今水瀬の家に向かっている。

街中を出歩いているとまた誰かに遭遇して楽しめないと言われ、邪魔の入らないと所に行くと言われた。


「水瀬、今日家族は?」


「家にいると思うけど?」


「そこに俺が行くの?大丈夫?」


このまま俺が言ったら家族に捕まるんじゃないだろうか。それに弟や妹がいるのに二人でいるなんて無理なんじゃ⋯⋯。


「いやー誰かを家に連れてくの初めてだよ」


それって結構重要だよね。友達いないと思われてるんじゃない?大丈夫かな?色々不安になってきた。


それから住宅街に入り、しばらくして古めのアパートが見えてきた。


「ここだよ」


アイから話は聞いてはいたけどアイも大変だったんだ。でもちゃんとグレずに下の子の面倒も見て偉い。


「行こ」


階段を上がり2階の1番手前の扉を水瀬が開けた。俺は水瀬と一緒に扉をくぐる。


「ただいま」


と言ったら中からドタドタと音が聞こえてくる。


「おかえり〜」


「おかえりなさ〜い」


弟と妹が出迎えに来たみたい。


「お姉ちゃん、その後ろの人だーれ?」


妹ちゃんが俺の事を聞いてきた。


「えっとね、私の大切な人かな」


小さい子だからそれだけ聞いて理解したのか俺にも笑顔を向けてきてくれた。可愛い。


「二人とも挨拶して」


「はーい、わたし真菜(まな)って言うのよろしくおねがいしましゅ」


「僕、(とおる)って言います⋯⋯よろしく」


「初めまして、相葉蓮です。よろしくね」


俺はしゃがみ2人と視線を合わせ自己紹介をする。

真菜と透は俺の名前を覚えるため呟いてる。


「じゃあリビング行こう」


「うん」


そのままリビングに行く。中にはお母さんとお父さんと思わしき2人が座ってのんびりしていた。

それも俺が入るまでで俺が水瀬の後に続いて入ったら両親は目を点にしてこちらを見ていた。


「あ、あいり、おかえりなさい⋯そちらの方は?」


テンパってる水瀬母。水瀬と違い目元が優しくふわふわした感じの人。水瀬が男を連れてきてビックリしてるみたいだ。


「彼はね私の大切な人だよ」


水瀬はここでもその説明をした。両親にもかかわらず躊躇い無く言った。


「まぁ!ちょっと貴方あいりが男の子連れてきたわよ!」


水瀬母が水瀬父の肩を叩きながら言う。


「あ、ああ、まさかあいりが男をな⋯⋯二人ともとりあえず座りなさい」


おかしい。今日は2人の記念日でオフ会だったはず。それが何故に両親へのご挨拶に変わってるんだ!?どこで間違えた。展開が早すぎる!


そのまま両親の向かい側に2人で座る。真菜と透は離れたところで二人で遊んでいた。


「初めまして相葉蓮ですよろしくお願いします」


「初めまして父の(つよし)です。こっちは妻の麗花(れいか)だ」


「よろしくね蓮君」


「それで2人はどんな関係なんだ?大切な人と聞いたがあいりの好きな人なのか?」


水瀬父が俺達について聞いてきた。


「えっとね、実は私と蓮君はねゲームの中で出会ったの、当然それが蓮君だなんて知らなかったよ、でもねゲームの中で結婚というシステムがあってそれで結婚したの、今日で結婚して1年になるんだ。

ゲームの中でお互い結構リアルのことについて話したりして励ましたりしてた。だからリアルで会ってみたくて今日記念日に会ってきたの。そしたらその人が同じクラスの私がいじめてた相葉蓮君だった」


水瀬は⋯⋯あいりは俺達の出会ったことから今日のここに至るまでを話した。


「いじめていた?どういうことだ」


「私学校ではギャルでクラスの中で下の人間をパシリに使ったりしてた。それが蓮君だった。」


「あいり⋯⋯お前、そんなことしてたのか!!」


剛さんがあいりの頬をビンタする。あいりも申し訳なさそうな顔してる。


「蓮君、あいりが迷惑をかけた」


剛さんが頭を下げる。麗花さんも頭を下げてくる。


「やめてください、確かにあいりが俺にいじめをしてたのは事実です、でもゲームの中ではそのあいりに慰めて貰いました。毎日いじめられてるからとゲームの中では愚痴をこぼしてそれをあいりが聞いて慰めてくれる。そのおかげで俺は学校に行くのを頑張れました。

あいりがギャルになったのは弱く見せたくなかったから、家が貧乏で下の子の面倒も見ないといけない。自分がいじめられる立場になりたくなかった。そういった理由があってギャルになったんです。俺はそれをあいり自身から聞きました。だから俺は大丈夫ですよ。いままでは辛かったけどそれをしてるのがあいりだと分かれば俺は我慢できます」


「蓮君、ありがとう、私達がもう少し稼げればいいんだけど、あいりにも無理をさせてたのね。こんな娘でも好きになってくれたんですものこれからもよろしくお願いします」


「そうだな、蓮君のおかげであいりの学校での様子もわかった、蓮君にとって複雑な状態になってたのはなんとなくだが分かる。それを我慢してこれからも受けると言うのはあいりのためなのだろう。でもね、あいりが蓮君をいじめるのは辞めてもらう!ここを認めてしまったら親として子の教育が出来てないダメな親になってしまう。あいりも学校での立場があるだろう。仲良く振る舞うことは出来なくてもいいからせめていじめに加担するのだけは辞めてくれ」


「わかった、私も本当は苦しかったから、他人ならどうでもよかったかもしれないけど好きな人だから」


「蓮君もすまないけど学校であいりのことを頼む、お互い立場があるから難しいかもしれないけど、出来れば仲良くして欲しいというのが親としての気持ちかな」


「わかりました、すぐにあいりからのいじめが無くなると違和感があるかもしれないので徐々にですけどお互いの仲を学校でも広められたらいいと思います」


俺は両親からあいりを任された。あいりは顔を真っ赤にさせて俯いてしまってる。ただのオフ会が両親への挨拶になりしかもOKというおかしな展開。あいりのことは好きだから別にいいけどどうしてこうなった?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ