表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/53

4話『まさかの出会い』

土曜日。

待ち合わせ30分前に駅前広場の噴水のところに来た。服装は白のTシャツにジーパン、ラフな格好になった。もっと自分にセンスがあれば良かったんだけど、なんて自嘲しながら待った。


アイは一体どんな人物なんだろ、可愛いのか、妄想していると目の前に見知った人がいた。

そいつは女王様だった。


「よお、オタク君じゃん、こんな所で何してんの?」


馬鹿にしたようなセリフで俺がここにいることを聞いてくる。


「人と待ち合わせですよ」


「人と?お前なんかと遊んでくれる奴がいるなんていい奴がいたもんだね」


何かあれば文句を言ってくる。正直ウザイ、こんな所で俺を弄ってないでお前もどこか行こうとしてたんだろ、さっさと行けや!


「俺にかまってないでどこか用があったんじゃないのか?」


「あ?ウチだって今日はここで待ち合わせなんだよ!」


へー、こんな所でね、彼氏さんでしょうか、まぁいい、こんな所彼氏にでも見つかればボコられるのは俺だ、少し距離を開けよう。


「じゃあ、お互いのために離れようか」


「生意気な奴だな!まぁいい、今日のウチは気分がいいからこれくらいで勘弁してやる」


俺は噴水の逆に周り、アイを待つことにした。



30分後、待ち合わせ場所に現れないアイ、もしかしてもういるんじゃ、なんて思ったが俺の周りにはお婆ちゃんやお爺ちゃんがくつろいでたりするだけで、それっぽいのはいない。

流石に変だと思い、『ファンタジー』にログインする。

するとちょうどアイもログインしたらしく目の前に現れた。


『俺は待ち合わせ場所に着いたけど⋯⋯⋯なにかあった?』


『いや、私も着いてるんだけど⋯⋯⋯どこ?』


え?着いてる?もうこの場所に?マジで誰だよ。


『服装の特徴は?』


『肩出しトップスにニーソとデニムショートパンツで髪はポニテにしてるよ。ロータスは?』


『白Tシャツにジーパンだよ』


『わかった、探してみるよ』


『こっちも探すね』


ふむふむ、肩出しトップスでショートパンツね、いるかな?

俺は噴水広場をざっと1周する。それっぽいのは1人居た。いたけど⋯⋯嘘だろ?

その女性も辺りをキョロキョロ見回し、俺を見つけ、歩み寄ってくる。


「⋯⋯ロータスでいいの?」


「⋯⋯うん、会ってるけど、もしかしてアイ?」


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ、まさかあんたがロータスだなんて!!」


「いや、それは俺のセリフだから!!」


アイの正体は水瀬あいり、俺を虐めていた女王様本人だった。本人にいじめられてますって愚痴ってたってことかよ、嘘だろ。


アイ、、女王様の方も俺がロータスだと分かると頭を抑えて現実逃避している。

そりゃそうだよね。複雑過ぎるよ、アイのことはよく知ってる。性格も大体わかった。でもまさかリアルではギャルで俺を虐めている。いつも励ましてくれてたあのアイはなんだったのか。もう訳が分からなくて頭がパンクしそう。


「はぁはぁ⋯⋯ロータスなんだよな」


さっきまで頭抑えてヘッドバンキングやってたからか息が上がってるな。


「そうだけど⋯」


アイは俺にそう聞いてきて抱きついてきた。


「会いたかった」


ええええ、女王様が俺に抱きついて、いや、今はロータスとしてか?何が何だかわからなすぎる。どうしてこうなった?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ