38話『初詣』
クリスマスから1週間。
つまり新年だ。
年末は大掃除をして終わった。
あんまり日用品とかが増えてるわけじゃなく使ってないがゆえのホコリや汚れ、カビなどが多くそれの除去に時間がかかったわけだ。
大晦日に関してはあいりに会うことは無かった。
ゲームの中でなら会ってるので別にいいかなって気もする。
そうそう。ゲームでの新フィールド攻略は結構進んだ。社会人達はあんまり出来なかったが、学生がそれなりにログインして素材集めとレベリングをやりレベル100を超えだした。
もちろん俺とあいりも100を超えた。冬休み万歳!
冬休み中に新フィールドの武装に変えるのを目標に今はやってる。
そして今日。新年最初はあいりと初詣に行くことになった。
大晦日に会えなかったので元旦は初詣に行こうねと約束していたのだ。
俺はあいりを迎えにあいりの家に向かった。
家に着くとあいりが玄関から出て来た。ちょうど良かったみたいだ。
「あけましておめでとう、今年もよろしくね」
あいりが俺の前に来て新年の挨拶をした。
「あけましておめでとう、今年もよろしく」
あいりはコートを着てマフラーを巻いている。手には何もつけていないのであいりの片腕を取り手を繋ぐ。
「⋯⋯ありがとう」
俺はあいりを連れて一緒に神社に向かった。
神社はあいりの家から30分程のところで地元にただ一つの神社だ。だからそれなりの人が初詣に来ていた。
2人でまずは参拝することにした。
二礼二拍手一礼してお願いする。
今年1年あいりと楽しい生活を。
参拝が済んだら2人で甘酒の無料配布をやっていたのでそこに行って甘酒を貰う。
寒いので紙コップに伝わる甘酒の熱が心地いい。
甘酒をゆっくり飲み進める俺と一気に飲み干しポーっとどこか遠くを見ているあいり。
あいりが急に腕に絡んできた。
「蓮くん〜」
「ちょっ!あいり!?どうしたの?」
「んあ〜?何でもない、ふふふ」
まさか⋯⋯甘酒で酔った?いや、そんな馬鹿なことが⋯⋯甘酒だぞ、確かにアルコールは少し入ってるがそんな1杯程度で酔うなんてことは無いはずだと思いたい。
もう少し見て回る気だったがあいりが酔ったのかもしれないのに見て回るのは出来ない。早く家に連れて帰ろう。麗花さんに見てもらえば何か知ってるだろう。
あいりの家に帰るまであいりは腕にしなだれ掛かり、いつも以上に密着してくるので胸がドキドキしっぱなしだった。
家に着き、麗花さんにあいりを見せるとあいりは酔ってるらしい。両親共に酒は弱くあいりにも遺伝したのだろうってことらしい。あいりのは特に酷く、甘酒程度でも酔う程の弱さなので俺はちょっと心配になってしまった。
「あいりには後で私も言っとくわ、こんなに弱いと大学での飲み会とか心配でたまらないわ、蓮くんも心配だって言えば聞いてくれるから今日はありがとね」
「いえ、あいりの事よろしくお願いします」




