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33話『冬休み前』

もうそろそろ冬休みになる。

あいりとの仲も順調だ。ゲームの中で夫婦になってから1年半。現実世界でたくさんの出来事があった。

最近は友達も増えて楽しい日々を送っている。

佐藤から繋がって今ではクラスの男子とそれなりに会話ができグループ活動や体育なども楽しめている。


あいりもギャル達と話すだけでなく他のクラスの女子とも話すようになっている。クラス内では大きく変わることが出来た。


ゲームの中では特に普段と変わったことは無い。あいりと遊んでいる。

たまに東流院さんとも遊ぶようになった。もちろんあいりも入れてだ。

あいりも東流院さんと仲良くなり二人で遊ぶことも増えた。

俺も友達が増えたことによりファンタジーをやっている人が増えた。

クラス内でも人気ゲームなだけあってそこそこの人がやっていた。


「蓮〜冬休みの予定どうなってる?」


佐藤が冬休みの予定を聞いてくる。


「特にないけど強いて言えばバイトがあるくらいだ」


「なら冬休みは遊べるね!スキー行こうよスキー!」


「スキー?まじで?俺滑れないんだけど⋯⋯」


「大丈夫大丈夫、滑れる奴いるから教えてもらえばいいさ」


「まぁいいけどさ、それ他に誰誘ってんの?」


冬休み友達と遊ぶのはいい。もしあいりも連れてっていいなら連れていきたいかな。


「田中と新島と園部だな、あ、後莉奈がいる」


「何故に女子が1人紛れてんだよ⋯⋯」


「いや、園部誘った時聞いてたみたいで行きたいって言われてよ〜、まぁいいかとなってさ」


「ならあいりも連れてっていい?」


「別にいいぞ、まぁ彼女ほったらかしにするのも気が引けるのはわかるからな」


そう。実は佐藤にも彼女がいるらしい。3つ年上の大学生とか言ってた。だからそれなりに俺達のことも理解してくれている。


「そういう佐藤は彼女連れてこないのか?」


まだ1度も彼女を見た事ないから見てみたいって思惑があるのだが⋯⋯。


「彼女は友達と温泉ですって、だからこっちの計画立てた訳だわ」


なるほど、彼女に置いてかれたから自分も遊ぶって訳か。


「りょーかい、あいりには伝えとくよ」


「任せた」



放課後。

あいりと共に帰宅途中、今日話した事を伝えておこうと思い話す。


「あいり、冬休みさ佐藤達とスキー行くんだけど一緒にどう?」


「え?それ私が行ってもいいの?」


「いいってさ」


「じゃあ行こうかな、楽しみ!」


あいりに話したら案外乗り気だったのでもしかしたら滑れるのかもしれない。


「あいりってもしかして滑れる?」


「滑れるよ。軽くだけどね」


俺は思わず地面に膝をついてしまった。


「あれ?どうしたの!?」


「実は俺滑れないんだ、というかスキーは行ったことがない」


「ならしょうがないじゃん、いきなり倒れるからどうしたのかと思ったじゃん」


「ごめんごめん」


そう言って俺は立ち上がる。母子家庭だしそりゃそういう所に行く機会なんてなかったから仕方ない。ここはひとまず切り替えて行こう。


「蓮君なら案外すぐ滑れるようになるかもね」


「少し位は滑れるように頑張るよ」


「うん、頑張ろう!」


そう言ってくれたので頑張ろうと思う。冬休みまで後3日。ちょっとワクワクしてきた。

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