32話『佐藤とお昼』
「なぁ相葉、飯食おうぜ」
佐藤から昼飯のお誘いが来た。
以前あいりにも言われていたし今日はお誘いを受けることにした。
「いいよ」
「よっしゃ、俺学食なんだけど相葉は?」
「俺はあいりからお弁当貰ってるからついてくよ」
「おお、手作り弁当かよ!羨ましいな〜」
「⋯⋯さっさと行こうぜ」
そう言えば口に出して誰かに教えてのは今日が初めてだ。なんか恥ずかしくなり早く食堂に行くように言う。
「照れてんのか?⋯⋯よし行こうぜ」
佐藤はカツ丼を頼んだようだ。
空いてる席に座りご飯を食べる。
俺は2段弁当。下にご飯で上におかずだ。今日は卵焼きにカブの塩漬け、アスパラガスの肉巻き、昆布だ。毎日お弁当に夕飯まで貰ってもうあいりに胃袋を掴まれてしまった。
あいりの作るご飯は特に出来たてが一番上手い。夕飯なんて出来たてだから最高だ
「そういえばよ、お前と水瀬どうやって知り合ったんだ?つい最近までいじめられてたのに態度が急に変わるなんて不思議でよー」
「まぁ、話してもいいか⋯⋯知り合ったのはゲームの中だよ」
「ゲーム?」
「そう、オンラインゲーム、そこで知り合って、1年後、記念にオフ会することにして知り合ったの」
「へー、オフ会ねぇ、よくやる気になったじゃん、変な奴とかいるから怖くてできないもんじゃないの?」
「確かにそういう人もいるけどお互いのこと知ってたからさ、相談したりもしてたしどんな環境にいたかも知ってた、だから安全だと思った。あいりもそうだったんじゃないかな?」
「へー、そんなことがね⋯⋯今を考えるなら出会って正解って感じか?」
「そうだね、少なくとも今の学校生活は楽しめてるよ、前までは行くだけ、楽しいとは感じなかったからね」
「ならよかったよ、楽しめてるならさ、俺も友達増えたしこれからもよろしくな!」
「ああ!」
友達と食べる。それがすごく嬉しい。ぼっち飯ばかりの生活がきっかけ1つでこんなに変わる。
友達もできてこれからの学校生活が楽しみになった。




