表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

27/53

27話『報告』

家に帰ると母さんは洗濯物を回して、風呂に入ってるみたいだった。

いつもこんな時間まで仕事をしてきてくれる母さんには頭が上がらない。


俺は上がってくる前にお茶の準備をすることにした。

結構長い話になりそうだから途中で席を立たないで済むように今のうちに準備をしておく。


ポットに水を入れてボタン一つで沸かす。最近の電気家具は楽でいい。ヤカンで沸かすのは火の管理もあるし大変だった。

ポットは放っておいて、お茶の準備をする。簡単なティーバッグタイプだ。



準備が終わる頃母さんが風呂から上がってきた。


「あれ、帰ってきてたの、おかえり」


「ただいま母さん」


「それでどうしたの?お茶の準備までして」


「ちょっと母さんに聞いて欲しいことがあって⋯」


「そうなの、わかったわ」


母さんはそう言うと俺の向かい側に座りお茶を一飲みして話を聞く体勢を取る。


「まずは先に俺付き合ってる人がいるんだ」


「そうなの!?相手はどんな子!?どうやって知り合ったの!?」


「ちょっ!一旦落ち着いて、順を追って話すから」


母さんが身を乗り出してまで聞いてくるので必死を抑えてちゃんと話すことを伝えると落ち着いてきた。


「えっとね、まずその子と知り合ったのはゲームの中なの⋯⋯」


「⋯⋯2次元?妄想?」


「違う違う、オンラインゲームで知り合ったプレイヤー、ゲームの中で付き合うシステムで付き合ってたの⋯⋯」


「ゲームの中でね」


「それでねそれが1年前だったのそれで今年でもう1年になるの、それで1周年記念としてリアルでも会ってみないって言われて会ったの、そして出会ったのが当時俺をいじめていた女の子だった⋯⋯」


「え!?蓮虐められてたの!?大丈夫!?辛いよね、どうしてもっと⋯⋯」


「母さんストップ!!大丈夫だから!とりあえず話聞いて!」


母さんも俺一人しかいないからか凄い過保護。何かあったら凄い剣幕で聞いてくるから、でも大切にされてるって伝わるから、何も言えないんだけどね。


「いじめられていた子と結局リアルでも付き合うことになったの、まぁお互い立場があったからなかなかいじめは変えられなかったけどね、でもその時転校生と事件があって、それから彼女は身だしなみも全部変えてまるっきり逆の振る舞いをしてくるようになったの⋯⋯」


「なるほどね、いじめは今はないのよね?でもいじめていた本人が彼女で蓮は本当にいいの?苦しくない?女の子なんて別にその子ひとりって訳じゃないんだよ?」


「母さんが心配してくれてるのはすごいわかるよ、ありがとう、でも大丈夫、今は2人で支えあってるから、お互い全く新しい形になったから、学校でもいろんな視線に晒されるけどね」


「まぁ、蓮がいいならいいわよ、それに聞く限り二人で頑張ってるみたいだし」


「それでね、その彼女に夜の食生活を知られて、夕飯を家で食べないかって言われてるの、向こうの家族は了承してて、むしろ食べてくれって言われてるくらいなんだけどいいかな?」


「そうだったの、いいわよ、私がもっと家に早く帰れればいいんだけどね、向こうの家族がいいなら私はいいと思うわよ。今度彼女を連れてきてね、ちゃんと見たいしね」


「わかった、母さんありがとう」


母さんから今度あいりを連れてくるように言われたけど、それ以外はいいと言ってくれた。


「話はもう大丈夫?」


「うん」


「じゃあそろそろ寝ましょうか、結構時間経ったしね」


「うん、おやすみ」


「おやすみ」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ