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26話『夕飯』

放課後、あいりと一緒に帰ることになったのでというか強制的になった。


「今日一緒に帰ろ〜」


「ごめん今日は蓮君連れてかなきゃだから、また今度誘って」


「そっか〜、どこに連れてくの?」


「私の家」


「え!?うそ!?何するの?」


「え、ちょっ!違うからね、両親に夕飯蓮君も一緒でいいか聞きたいからなの!」


「なーんだ、両親に聞くのか⋯⋯ん?両親に聞くってどういうこと?まさか親公認なの!?」


「え?そうだけど⋯⋯」


「嘘でしょ⋯⋯あいりがどんどん遠い存在に⋯⋯」


「大袈裟だよ!まぁいいやそういう事だからごめんね」


「いや、いいよ、頑張りな!」


「うん」


「またねー!」


とまぁ、そんなやり取りをしていて俺はそのまま連行される形であいりの家までまた来た。

と言ってもまだ放課後になってすぐだから家には両親はいない。

弟と妹は先に帰ってきているらしい。俺はそのまま下の子たちの面倒を見ることになりあいりはそのままご飯の支度を始めてしまった。


「真奈ちゃん、透君なにかしたいことある?」


「んー、鬼ごっこ」


「わかった、鬼は俺がやるよ」


「逃げろー」


「わー」


真奈ちゃんと透君が逃げていく。流石に室内で鬼ごっこはスペースがないからあいりに言ってアパートの駐車場を使わせてもらうことにした。

幸い車は1台もなくそれなりの広さあるので大丈夫だろう。

2人には駐車場の外に出たらダメって言ってあるので大丈夫なはずだ。

まぁ目の届く範囲に2人がいるので大丈夫だろう。


「わーー」


「タッチ」


鬼が真奈ちゃんに変わった。透君と真奈ちゃんの2人を見ながら逃げる。全力で逃げるのは流石に大人気ないので程々にして捕まる。


そうしながら遊んでいるとあいりがご飯の支度が終わったのかやってきた。


「出来たよ、今日は蓮君の分もあるから食べてって、明日からに関しては親に聞いてみてから決めるから」


「わかった、二人とも中はいるぞー」


「うん」


「わかったー」


みんなで中に戻る。

今日のご飯は餃子だ。あいりの料理は美味しいのでとても楽しみだ。


「いただきます」


餃子はとても美味しい。下の子たちも沢山食べてる。こんな美味しいものを毎日食べられるのは幸せだと思う。

1回味わってしまうともう一度ってなってしまう。次からコンビニ弁当を食べて美味しいと思えるか不安でしょうがない。


俺が食べ切る頃、両親が帰宅してきた。


「ただいま⋯⋯あら?蓮君いらっしゃい」


「お邪魔してます」


「蓮君も一緒に食べたのね、どうだった?あいりのご飯美味しいでしょ」


「ええ、毎日食べたいくらいです」


「よかったわね、あいり」


あいりはそれを聞いて顔を赤らめていた。


「そういえばあいりが急に髪も染めて服装も整え始めたからどうしたのかと思っちゃったわ、理由を聞いたら『大切な人を失いたくないから』だって!蓮君のおかげであいりも変わったわ、ありがとう」


「いえ、大したことはしてません、結局俺は何も気づけなかった、変わったのはあいりが気づいたからです、俺はそんなあいりの傍にいたいそれだけです」


「ほんといい子ね、それで今日はどうしたのかしら?」


ひとしきり俺達から近況報告と弄りを堪能したお母さんは話を切り替えてきた。


「そうだ、お母さん、夕飯蓮君これから一緒に食べてもいいかな?蓮君家ではコンビニ弁当なんだって、栄養偏っちゃうからうちで一緒でもいいかな?」


「あら、そうなの?それは大変ね、私はいいと思うわよ、作ってくれるのはあいりだから私はあいりがいいならいいわよ」


「じゃあ今度から蓮君は私のうちで食べること!」


「わ、分かったよ」


やった。これから毎日あの上手い料理が食べられるのか。


「蓮君、このことは君のお母さんにもちゃんと伝えておきなさい、それで大丈夫ならこちらも問題ないから」


「分かりました」


あいりのお父さんからそう言われた。俺も母さんに伝えずにこっちで食べる訳には行かないのでちゃんと伝えるつもりだ。俺とあいりの関係から話さないといけないけど母さんならちゃんと分かってくれるはずだ。




「じゃあ俺はそろそろ帰るね」


「うん、また明日」


あいりの家から出てきて帰路につく。もう9時になる。俺は30分かけて家に帰る。

母さんもこの時間には帰ってきてるので今日はその事を話そうかな。

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