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2話『バイトとゲーム』

放課後はバイトに行く。ファミレスで5時から8時まで3時間バイトをする。

1年の秋からやってるのでもう1年半はやっている。なので裏方やホール一通りの仕事が出来るまで成長した。

今日は裏方の仕事で皿に盛り付けをしている。今日は店長と俺と後輩の1人と中村さんで回している。

中村さんはキッチンで料理を作ってくれる人だ。後輩君がホールをやって店長が臨機応変に対応している。

今日も何事もなく終わるはずだった。アイツがやってくるまでは。


「いらっしゃいませー」


後輩君が新しい団体客が来たようでオーダーを持ってきた。

ムニエル、ハンバーグ、唐揚げetcと結構な量頼まれてる。流石に中村さんも1人では手が回らず俺も作り手に回る。サラダの方をやった。

でき次第後輩君に持って行ってもらう。


━━━━━━ガシャン


誰かが食器でも落としたのだろうか、凄い音が聞こえた。

箒とちりとりをもって片付けに出ていくと、そこでタムロしてたのは女王様軍団だった。


「あれ?オタク君じゃない、こんな所でバイトしてたんだぁ」


俺を見つけるとニヤニヤと笑みを浮かべ声をかけてくる。


「お、こいつがあいりの最近のお気に?」


「超普通ーなんですけどー」


「オタクって言うから眼鏡かけてブヒブヒ言ってるもんだと思ってたわぁ」


取り巻きも混ざって俺を弄ってくる。俺はそれを無視して割れた食器を片付ける。後ろから後輩も手伝いに来てくれた。

女王達は適当にすいませんでしたぁ〜といって終わりでまたゲラゲラと話し出した。

これ以上居ても絡まれるのでそのまま裏に戻る。


「やぁねぇ、あの集団、店内で騒いで迷惑だわ、それに態度も悪いし謝る気すらない、相葉君も虐められてなかった?大丈夫?」


店長が愚痴と俺の心配をしてくれた。確かに俺は虐められてる。毎日辛い、でもそれに負けて逃げるのはダメだから、母さんに入れてもらった高校だからちゃんと卒業しないと失礼になる。



俺の家は母子家庭だ。俺が小さい頃に離婚して母さんがそれから1人で俺を育ててくれた。お金もそんなにないのに高校にまで入れてくれた。俺はそれに感謝している。だからバイトもして家に少しでもお金を入れて、学校にも行ってる。母さんのおかげで通えてる学校。ちゃんと卒業して、大学には自分の力で行って立派な大人になりたい。

だから俺はいじめなんかに負けずに頑張ってる。


俺が過去を振り返っていると女王様軍団も帰ったようだ。

俺は上がる時間になったのでそのまま上がり家に帰る。

家は築40年のアパートだ。そこに母と俺の二人暮し。母さんは遅くまで仕事をしているので基本的には1人だ。

今日もコンビニ弁当で済ませ、風呂に入り暇な時間になったので『ファンタジー』を起動する。


大体10時から12時までの2時間俺はファンタジーで遊ぶ。ちょうど嫁のアイもこの時間にログインしているから俺は楽しみだ。


『ただいまー』


『おかえりー』


アイは俺がログインするともうそこにいた。いつもの挨拶を返して雑談をする。

大体最初の30分くらいはお互いで今日あったことなどを話し合う。残りの時間で狩りをするのが俺らの遊び方だった。


『今日は虐められなかった?』


『どうだろ、パシリさせられたよ』


『そっかぁ〜、大丈夫?辛くない?』


アイはいつも俺の心配をしてくれる。俺が潰れないように、溜まった鬱分を聞いてくれる。それにどれだけ救われたかわかんない。


『辛いけど、頑張らないとだから』


『まったく、無理はしないでよ、ロータスがいないとつまんないんだから』


『がんばるよ』


今日はレベリングをするために適性フィールドにやってきた。ここは墓地でアンデットモンスターがたくさん出てくる。俺達のレベルは85、この世界では高い部類に入る。MAX100なので随分やりこんでいると思う。

そしてここは大体が80~だ。ゾンビやスケルトン、亡霊がメインだ。

たまにメタリックスケルトンという経験値マシマシのモンスターも出てくるのでいい稼ぎどころだ。


俺達はそこでレベリングをする。2人ともアサシンなので回避メインでヒットアンドアウェイで攻撃する。時間はかかるけど安全にやるならこれ一択だ。

このゲーム、デスペナが厳しいので安全マージンはすごい重要だ。

スケルトンにはナイフだと通りづらいので武器を外して格闘技で攻撃する。

ゾンビはミンチに、亡霊にはアイテムか地道な攻撃で倒す。

それを1時間やって俺達はレベルがあと少しで上がるところまで出来た。


2人は街に戻る。


『おつかれ』


『おつかれ様、今日はメタリックに会わなかったね』


『そうだな、会えれば上がってたな』


『まぁしょうがないね、明日には上がるからそれでよしとしようね』


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