敵意も殺気も出さないで
「ふぅ、笑った笑った。」
この人2分間笑ってたぞ。俺すら10秒が最高記録なのに。
「こほん……取り乱してすみません。」
貴女、さっきから取り乱し過ぎですよ。
「さて、私の名は高橋 琴子と言うものだ。よろしくな。高橋先生か琴子先生と呼んでく
れ。」
人見知りの俺に難易度が高い。
「さて、この高校について詳しく話そう。蓬莱も聞いてけ。生徒会長の話を聞いてないだろう。」
「私は不知火君がここにいる限り私もいます。」
複雑な心境ってこの事を言うのかな。
「さて、この高校はお前らがパンフレットで見たようなものとは違う。」
違うってどういうことだ。詐欺か?詐欺なのか?
「この高校は4ヵ月周期に点数を付けられる。点数は40点以下がブラック、30点以下が強制退学だ。」
oh……
「先生、ブラックと言うのは?」
「サッカーのイエローカードと似たようなものだ。ブラックは2回取ったら退学。1回目でペナルティがあ
る。」
「ぺ……ペナルティはなん、、です、か?」
「二週間学校側で監禁。そこで何をするかは言えない。知りたかったらブラックを取れ。」
退学申請出そうかな。
「では、先生。何に対して点数を付けるんですか?テストなら誰も退学はしませんよ?」
「何だ、退学されてほしいやつでもいるのか?」
「ゴミは少ない方がいいですが、この高校は基本頭がいい人が入学してます。スポーツ推薦で入試を受けてな
い人もいますがそれでも40,30点を取るとは思えません。」
ここの高校は勉学以外でスポーツ推薦、科学推薦ってのがある。勉学は必要ないが、スポーツ推薦は全国優
勝者限定だ。科学推薦は特殊な化学反応に対して10分間の説明&スピーチが必要。お題は学校側で決める。
あ、科学推薦に対しては勉強が必要だな。テヘペロ。……………………ごめんなさい
「そうだなぁ。ここには頭がいいやつしかいないなぁ。中学校生活を勉強に捧げた奴ばっかだ。身体も鍛えな
いでなぁ。」
えーっと、もしかして……
「スポーツで点数付けるんですか?自慢じゃありませんが空手以外経験したことはないですよ。」
空手はあるんだ…華奢な体して意外だな
「いやいや、違う。まずは制服の襟の裏を見てくれ。」
俺と蓬莱は疑問を持ちつつ、制服の襟を捲ってみる。
「そこにある学校内のマークだ。パンフレットと見たやつとは全然違うだろ?それ一つ10点だ。」
「ってことは、一つ10点と考えていいのかしら?それだったら」
それだったらこれを
「そうだ。それを奪い合うんだ。」
「そうですか……奪い合いの禁止な場所ってのはあるんでしょうか?」
「それを聞くってことは怖いのか?」
「さっきも言いましたが私は空手を習ってたんですよ。骨を折るぐらい容易いですよ。」
「待て待て待て!悪かった!お前には武道の心得ってもんがないのか!」
殺気まではいかなくても敵意は感じる。恐ろしい、今すぐ失神しそうd
ドサッ
「「あっ」」
俺は一日で2度失神した。