革命
天空の城発売です!
25日発売なのですが、一部店舗では既に発売しているとのことです!
わーい、やったー!
【ディツェン】
タイキ様のゴーレムを使って皆で脱出。あっという間に空の上に逃げて退避完了。そして、安全を確保してからシュバルツを連れて皇帝の下へ。
そんなことを想像していたのに、まさかの事態だ。
「風の術を!」
「は、はい!」
「こちらにも術を放っておきますね〜」
「助かる!」
城内に入り、アイファの援護をしつつ逃げようとしたのに、何故かアイファが見つからない。
結果、我々は城内に溢れるほどいる兵士や魔術師達と真っ向から戦ってしまっている。
いや、本当なら、シュバルツの母である皇后様が「控えよ。妾は陛下に用があるのだ」と言って兵士達の動きを止めれば済む予定だったのだが、全くを以て予定通りにいっていない。
なにせ、宮廷魔術師を名乗る変な男達が通路の奥から交戦指示を出している。
「皇后陛下の乱心である! 皆の者、素早く捕縛せよ!」
「背信の息子可愛さに帝国に弓を引いたか! 責任は全て我らが取る! 絶対にここを通すな!」
そんな言葉を叫びながら、次々と強力な術を行使してくるのだ。なんと迷惑な奴らか。
「ディツェン様、斬られますよ?」
「ひぇっ!?」
ユーリの一言に思わず後方に飛び退いた。すると、目の前を銀色の刃が真っ直ぐに振り下ろされる。
「か、か、風よ!」
慌てて風の術を放ち、すぐ近くに迫っていた兵士を他の兵士達と纏めて通路の奥へと吹き飛ばした。
「やるではないか!」
シュバルツは嬉しそうな声をあげ、手近の兵士を剣で斬り倒す。皇后に用意してもらった見事な鎧と剣を装着したおかげで、シュバルツの見た目はまさに将軍といったものとなっている。
つい先程まで牢に入っていたのに、よくもまぁ重い鎧を着て戦えるものだと感心するが、今はそんなことを言っている暇もない。
「退いてください!」
凛とした声を聞き、壁際に避難する。
今度は目の前を大きな石が複数飛んでいった。遅れて衝突音と兵士の悲鳴が響き渡る。
振り返ると、石の術を放ったフィアトーラが更に新たな術を放つべく準備をしていた。想像以上に強い術師であり、今の状況では大変心強い。
しかし、こちらは私とユーリ、フィアトーラとシュバルツ、そして皇后の側仕えでもある女兵士が四人しかいない。
対して、城内にはパッと見ただけでも前方に何十人と兵士がおり、奥には宮廷魔術師らしき者達が三人。更に、後方からも何十人と兵士達が向かってきている。
「だ、ダメだ。なんとかこの窓を破壊して外に逃げないと……!」
「そんな余裕は無い! 窓の外のその格子は簡単には破壊出来ないようになっている! それを破壊しようと隙を見せれば瞬く間に捕まるぞ!」
窓を破壊しようとすると、後ろからシュバルツがそんなことを言ってきた。
「いや、このままでもどちらにしても勝てないでしょう!?」
怒鳴り返すと、苦虫を噛み潰したような顔がこちらに向く。
「……前進も後退も同じようなものだ。それならば、前に向かって走り、死ぬべきだろう」
「やっぱり死ぬんじゃないですか!」
敵を斬り裂きながら言われた言葉に、私は嘆きの叫びを返す。
なんということだ。タイキ様のゴーレムがいるからと気楽に考え過ぎてしまった。
意地でもゴーレムの帰りを待ってから城に向かえば良かったのだ。アイファの眼力に負けた自分が憎い。
「だ、誰か助けてー!」
私は悲鳴をあげながら、迫り来る大量の兵士達に向かって風の術式を発動させるのだった。
【メーア】
空から帝都に向かって降下する中、街中を走る兵士達の姿が目に入った。
「……慌ただしいね。まさか、アイファ達が見つかったんじゃ……」
シュネーがそう口にした瞬間、城の方から音が聞こえた。かなり距離があるにも関わらず、確かに何かが破壊されたような音が耳に届いたのだ。
シュネーとほぼ同時にそちらを見ると、城の最上階の壁の一部が崩落し、地上へと落下したところだった。
何が起きたのかは分からないが、恐らく、あそこにアイファ達はいるに違いない。
「このままお城に乗り込もう」
そう言うと、タイキ様のゴーレムはすぐさま城に向けて方向転換する。
「ちょ、ちょっと!? それは明らかに無謀だよ!?」
シュネーが驚きに目を見開きつつそう言った。私はその言葉に俯きつつ、ぐっと奥歯を噛み締める。
確かに危険だし、無謀な選択だと思う。
しかし、あの城の状態は明らかに何か異変が起きているのは間違いない。そして、それは多分アイファやユーリ様、ディツェン達が関係しているに違いないのだ。
つまり、あの城に最後のエルフがいるはず。
私の使命はエルフの救出なのだから、此処で退くという選択は無い。
「タイキ様のゴーレムと一緒に行動すれば大丈夫。突入して、一気に救出してから脱出すればいける筈」
「どう考えても厳しいと思うけど……」
「今行かないと、エルフもユーリ様達も皆処刑されてしまう」
「う……」
私の言葉に、シュネーは難しい顔で唸った。そして、溜め息と共に首を左右に振る。
「はぁ……分かったよ。仕方ないね。どうせ一度は死を覚悟した身だ。最後の大立ち回りといこうかね」
「死なないから大丈夫」
「はいはい」
シュネーは私の言葉に苦笑混じりにそう答えた。
私はタイキ様のゴーレムの肩に乗ったまま、ゴーレムの頭を軽く撫でて深く呼吸する。
大丈夫。タイキ様のゴーレムがいて、負けるはずが無いじゃないか。
頭の中で自らにそう言い聞かせ、私は城の様子を目と耳で探った。
色々忙しくて更新が遅延しています。
申し訳ありません…_:(´ཀ`」 ∠):




