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天空の城を貰ったので異世界で楽しく遊びたい  作者: 井上みつる/乳酸菌/赤池宗


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王国

【タイキ】


「そういえば、タイキ様。この料理に使うお肉はどちらで? 牛などの家畜はいないのでしょう?」


「……え? 知りたい? 知らない方が良いこともあると思うけど」


 そう答えると、エイラは不思議そうに頭を捻った。


「良くわかりませんが、魔術の深淵を覗く行為に当たるのでしょうか。タイキ様の秘術であれば、残念ですが……」


 一緒に料理を作って食べて少し気分が回復したのか、エイラは自然な態度に戻っていた。今も残念そうな表情をしているが、落ち込んだりはしていなさそうだ。


 ただ、肉の製造過程は見せられないだろう。最初にあの設備を見た時はショックを受けたものだ。


 なにせ、巨大な水槽内で小さな肉がプツプツと泡を出しながら、徐々に大きくなっていくのだから。


 肉は水槽内を循環するように回り、目の荒い網に引っかかるほど大きくなると揺れる網の上を弾みながら回収される仕組みである。


 ちなみに、鶏肉と豚肉、牛肉、魚肉は全て水槽が違い、横並びに一室に全て並んでいた。


 エグい映像を見てからもうその部屋に入っていないが、肉は毎回いつの間にか冷蔵庫に届いているので有り難く頂いている。


「そういえば、王国のどの辺りに行けば良いかな? 一回上で遠くを確認しようか」


「あ、は、はい。よろしくお願いします」


 そう言って、エイラは手早く食器を手にシンクに向かった。少し慣れたのか、迷わずに食器を洗っていく。


「もう食器洗いはばっちりだね」


「あ、本当ですか?」


「うん、覚えが良いよ。これならすぐに料理も一人で出来るようになるかな」


 そんな会話をして喜ぶエイラと笑い合い、エレベーターに向かって操作室に移動する。


 スクリーンに地上の景色を写すと、南側に森が見えた。周りを観察すると、どうやらもうリーラブラス山脈の周囲に広がる森にまで来ていたようだ。


 時速百キロをキープすると流石に速い。


「というか、意外とブラウ帝国の領土が狭いのかな? 帝都まで行ったのに」


「ブラウ帝国は横に長い領土を持ってますから。それに、あのリーラブラス山脈は今まで誰も越えてきた者はおりませんので」


「つまり、山脈よりに帝都はあるのか。近いわけだな」


 しかし、陸地のど真ん中に首都を置くとなると、帝国は海や川には面していないのか?


「海とか川って開発進んでないの?」


「海は……やはり、ドラゴン並みに危険なモンスターが多いですからね。川ならば船なども多くありますよ」


「帝国には川は?」


 普通ならば、文明は川のそばで発達するものである。マヤ文明みたいなパターンもあるが、珍しいだろう。


 しかし、エイラは予想外の答えを寄越した。


「知っての通り、大河には主が棲息します。なので、主が入れないほどの、少し小さめの川が続く場所にて街が栄えます。帝国もその例に漏れず、東側に流れる大河から距離を置いて帝都が存在していますよ」


 そんな話を聞き、成る程と頷く。モンスターという存在はそれだけ多大な影響を与えるらしい。


 まぁ、大型台風が毎日居たら離れて暮らすよな。


「ドラゴンとか、倒せないなら逃げるしかないもんなぁ」


 小さくそう呟くと、エイラは首を左右に振った。


「伝説級で無ければ撃退したり、運が良ければ討伐も可能ですよ。ただ、あまりにも犠牲が多いのでしないだけです。タイキ様はそんな悩みはありませんよね」


 そう口にして、エイラは困ったように笑った。


 何と答えて良いか分からず曖昧に笑っていると、東のスクリーンに何か映った。


 馬車が二台と馬のようである。


「何だろ」


 拡大して見ると、馬が何かを追い掛けて森のすぐ側を走り、馬車がそれを追い掛けているようだった。


 更に拡大し、馬の走る様子が鮮明になる。馬には鎧を着た男が乗っていた。


「……尻尾が生えた人を追い掛けてる!」


 馬の追い掛ける先を見て、思わずそう言った。エイラはスクリーンを悲しそうに見て、頷く。


「あの細い尾と耳は、猫の獣人でしょうね。獣人は高く売れますから、奴隷狩りに……」


「奴隷狩り? え、捕まったら奴隷?」


 驚いて聞き返すと、エイラは複雑な表情で口を開いた。


「ここはもう国境付近です。帝国も王国も騎士団などは殆ど派遣しておりません。あれが悪い奴隷商人の一味か、盗賊団なのかは分かりませんが、恐らく、捕まれば終わりでしょう……」


 そう口にして、エイラはこちらを見た。


「……私がお願い出来る事ではありませんが、どうか、あの獣人の方を助けてはいただけませんか? 私には、他人事には思えないのです」


 そう言って、エイラは深く頭を下げた。エイラも初めて見た時は追われていたから、もしかしたら奴隷狩りに会ってたのかもしれない。


 薄っすらとそんな余計な詮索をしつつ、俺は頷いた。


「A1」


 名を呼ぶと、巨躯を誇る紳士は顔を上げる。


「出番だ」



獣人と聞くと猫耳イメージ。

やはり、ドラ○もんからの……

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