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開いた世界。
夢の中で夢をみた。
そこでは歓声が起こる中、ただひたすらに彼を探した。
「!」
振り向かれる優しい目に、全てを悟る。
「いく……、な……、いかないで……」
悲痛に歪む彼の顔に手を添える。
「……、この世に生まれし闇がなくなり、戦うべくして生き残った者の未来。人ならざる者もまた消えるべき……」
あぁ、もう。
「お願いですから……隣にいて、ください、」
やはり彼の目は優しい。
その目にどれだけ救われただろうか……
開いた瞼を閉じると、流れてくる彼との思い出。
「ずっと、あなたに会いたかったの」
私の全ては、貴方に会うために。




