第七話 ディルの怒り
お待たせしました!第七話です!
今回BLっぽい部分がありますが決してBLではありません。
ルイーダスが倒れた。
一瞬状況が把握できなかった。
「あはははは!!!!」
その場に少女の笑い声が響く。
何も言わずルイーダスを抱き起こし傷を見る。
どうやら毒が入り込んだらしい。
ナイフのと似た水が頬に付いている。
自分の中の何かが蠢きだした気がした。
「あれ?もしかしてもうおしまいですか?お兄さん?」
「…黙れよ」
「え?なんですか?申し訳ありませんがもう一度…」
少女の横を何かが擦める。
後ろを見ると炎の痕跡。
ディルを見ると左腕が炎に包まれていた。
「なにを…したんですか?」
ディルは何も語らず静かに怒りを宿した瞳で少女を見据える。
その瞳はまるで獣のようだ。
「まあ、いいです。貴方もそちらのお兄さんと同じようにして差し上げます」
笑顔の少女。
再びナイフを構え、ディルに向かって投げる。
そのナイフは何も傷つけず地面に当たる。
二人がいた場所には何もなく、ただナイフだけがあった。
「⁉︎一体どこに!」
「こっちだよ」
振り向くこともできないまま少女が地面に倒れた。
脇腹に感じる痛み。
血は出ておらずおそらく蹴られたのだろう。
一瞬の出来事で理解できなかった。
冷たい瞳で見下す少年。
「俺の親友になにしてんだよ」
さすがに少女も恐怖を感じる。
「大丈夫ですよ。解毒さえすればー」
「うるさい」
ザクッ
「う、ああああああああ!!!」
わざと急所を外し少女を刺した。
気が済んだのかディルはルイーダスを担ぐ。
「今回はこれだけにしてやるよ。けどな…」
ディルは振り向く。
「次に仕掛けたらわかってるな?」
その瞳には殺気が込められていた。
ありがとうございました