第二話 紅く染まった館
お待たせしました!第二話です!
ピエロは指を鳴らす。
すると広間にいる人間が次々に倒れていく。
近寄るとどうやら眠っているようだ。
なぜか2人は眠らない。
「おやおやおやおや〜?なぜ眠らないのかな〜?」
ピエロは首を傾げながらこちらへ来る。
不気味だ。
ルイーダスとディルを交互に見る。
「仕方ないなあ〜。これを使うか〜」
ピエロは懐から二本の注射器を取り出し、二人に刺す。
「っ!?」
「なっ…⁈」
そこで二人の意識は途絶える。
「さあ、ゲームを始めようか」
そんな声が聞こえた気がする。
ーーー…
目が覚めるとベッドの上だった。
辺りを見渡してもディルが見当たらない。
薄暗い中、明かりを探す。
ようやく見つけたスイッチを押すと目を疑う景色が広がっていた。
「なっ…⁈」
その部屋は血しぶきで紅く染まっていた。
しかも少量ではない。
バケツで零したような量の血しぶきだ。
ルイーダスは自分の口を手で抑える。
しばらく立ち尽くしていると扉がノックされ、開けるとそこには執事の格好をしたブリキが一体立っていた。
「おはようございます、ルイーダス様。目が覚めたようですね」
その姿に驚く。
ブリキは頭を下げる。
光の無い真っ黒な目がこちらを見る。
「広間へお越しください。主が呼んでおります」
「ディルはどこだ!それにここはどこなんだ!」
「ここは紅の館。ディル様は先程目を覚まし、広間へ案内しました」
「…そうか」
ディルが無事なのがわかり少し安心する。
このままここにいても意味がないので広間へ向かった。
ブリキの言うとおりディルがいた。
「ルイーダス!無事だったんだな!」
「お前もな」
広間を見るとパーティにいた人間が全員いた。
おそらくピエロの仕業だ。
すると広間の奥の方の扉が開く。
姿を現したのはやはり先程のピエロ。
「ようこそ。皆様!」
「どういうことだ!!」
「早く帰らせて!!」
皆怒りをあらわにする。
ルイーダスは静かに様子を伺う。
ディルも黙って彼らを見る。
「もちろん出してあげます。…ただし」
ピエロは不気味に笑う。
「一人だけだよ!アハハハハハハハ!!!!」
狂った笑い声が響く。
まるで脳に響くようだ。
ありがとうございました!