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第2話:契約

 次の日の朝

 俺は昨日の森の奥に朝早くから向かった。

 「よっ、修行しに来たぞ。」

 二匹の竜がこっちを向いた。

 「来たか少年。」

 「あぁ、基礎魔法の技を作らなくちゃならないからな。」

 「そうか、ならば私の娘と戦いながら力の使い方を覚えろ。」

 小さいほうの竜が前にやってきて、突然攻撃してきた。

 「うわ。おい、いきなりなにするんだ。」

 驚いている俺に大きい方の竜が。

 「魔法は極限状態でこそ鍛えられるんだ。だから、私の娘とぎりぎりの戦いをして自分を鍛え上げろ。」

 「そんなこと言われても、戦いなんて始めてだぜ。ってか、あいつ、マジで攻撃してるよ。」

 小さい竜が笑顔で。

 「私は人間嫌い、お前が死んでも関係ない。」

 「あぁー、言ってるよ。」

 俺が少し泣きそうに大きな竜のほうを見ると。

 「なんとかなるさ。まぁ、とにかく王家の血を持っているのだから大丈夫だ。それよりも、最近少し気になることが…」

 竜は途中で話をやめた。

 「おい、何が気になるんだ。」

 俺が竜に質問していると。

 「人間、そんなよそ見していて大丈夫か。」

 小さい竜が襲ってきた。

 「うっ、あぶねー。」

 ぎりぎりで、かわした。

 「人間、よそ見していると死ぬぞ。まぁ、私はそれでもいいけどね。」

 不適な笑みでこちらを見てきた。

 「てめぇー。」

 けど、俺には反撃する手段がない。どうすればいいんだ。

 「逃げるだけじゃあ、芸がないよ。」

 「くそ。」

 基本的な知識を思い出せ。何かあったはずだろ。そうだ。

 「はっ。」

 魔法の基礎は体の一部に力を溜めて性質を変えるものだった。それなら、俺の右手に力を溜める。

 「うぉー、くらえ。」

 攻撃しようとした瞬間、力が抜けてしまった。

 「あれ…」

 その瞬間、竜の攻撃をもろにくらってしまい、俺は気絶してしまった。


 「うっ。」

 俺は目が覚めた。

 「やっと、起きたか。」

 「俺は…そうだ、攻撃をくらってそのまま。」

 「お前の体には、無効化能力の力が全体を覆っているようだ。そのため、力を溜めてもその力を無効化してしまうんだ。」

 「じゃあ、どうすればいいんだ。」

 すると、竜は突然起き上がって。

 「こっちに、来い。」

 洞窟のさらに奥へと呼ばれた。

 「お父さん、そっちは…」

 小さい竜は、心配そうにこっちを向いていた。

 「いいのだ、こいつは本当に無効化能力を持っている。それに、ワシらは王家のために存在するもの王家の血と能力を持った少年に力を与えなければならない。」

 「お父さん…」

 「あのー、今から何するんだ。」

 「それはな、儀式だ。王家はもともと竜、虎、犬、亀、鶴の5つの守護神と契約を交わして絶対的な力を得るのだ。また、竜は無効化、虎は能力増幅、犬は癒し、亀は予知、鶴は飛行の力を受け継がれしものだけが儀式をおこなえる。」

 「そうなのか、じゃあ俺はお前と契約するのか。」

 「いや、ワシではない。ワシは歳を取りすぎた。ワシの娘と契約してもらう。」

 「えっ。」

 二つの声がハモルように言った。

 「お父さん、こんな人間についていくなんて嫌です。なによりもお父さんをこんなところに1人で置いていくわけには…。」

 「ワシなら大丈夫だ。それよりも、今魔法学園全体に黒い影があるのじゃ。そのためにも、契約は絶対に必要なのじゃ。」

 「でも…。」

 「大丈夫じゃ。王家の血を引くものよ。その円陣の中に入れ。」

 俺は言われるがままに、円陣へと入っていった。

 「ジェイルおまえもだ。」

 小さい竜もしぶしぶ円陣へと入ってきた。

 「王家の血を引継ぎ、竜の力を持つものよ。血と血を交じりあわすのだ。」

 そういわれて、俺は親指を少し切り竜と血を混ぜた。

 「うっ、うわー。」

 血を混ぜ合わせた瞬間。小さい竜はかわいい人間の女の子の姿になった。

 「えっ、何これ。」

 俺は混乱しながら、大きい竜にたずねると。

 「契約を交わした竜は、人間の姿になり、死ぬまで王家を守っていく守護者となるのだ。また、お前の力も竜の力によって扱えるようになったはずだぞ。」

俺は試しに右手に力を溜めてみた。

 「すげー、力を溜めれるようになってる。」

 俺が力に感心していると。

 「お父さん、離れたくないよ。ここにいる。」

 ジェイルはそういって大きな竜にしがみついている。

 「ジェイル。お前は、外に出て世界がどんなものなのか見て来い。」

 「お父さん…」

 「少年、ジェイルに世界の広さを見せてやってくれ。そして、ジェイルのことをよろしく頼む。」

 俺は少し戸惑いながら。

 「わかった。任しておけ。」

 「ふん、こんな人間に助けられることなんてありませんよ。」

 「なんだと…」

 確かにぼろ負けした俺が反論出来ないな。

 「二人とも、またな。」


 俺とジェイルはこのとき、まだ異変に気づいてなく明日の出来事など全く予測できなかった。それが、俺たちの人生を変えるものだとしても。


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