第1話:出会い
「次、水月。火を出してみろ。」
ジャージを着た教師に言われた。
「う、はい。」
手に力を込めて、火を出そうとしたが…
「早く出せ。」
さらに、力を入れても…
「水月まだ出せるようになっていないのか。」
俺はその場から逃げ出した。
俺の名前は水月令。
基礎知識の成績はトップだが、基礎魔法の成績は最下位である。昔から、魔法を使おうとすると消えてしまうのである。友達と魔法で遊んだりするときも、友達の魔法の調子を悪くしてしまうのだ。
何か、魔法に嫌われてるだよなー。
「あっ、いたー。また、こんな所に逃げ込んで。」
長い髪に、気の強そうなこの女は、幼馴染の氷上夢である。
こいつは、昔からおせっかいで、いつも俺のことを心配してやがる。基礎知識の成績は俺以下だが、基礎魔法の成績は上位である。
「うるさいな、お前には関係ないだろ。」
「国白先生に読んでこいと頼まれたんだから仕方ないでしょ。」
「分かった、分かった。戻るよ。」
グランドに戻ることにした。
グランドに戻ると他の生徒は、いなくなっていた。
「おっ、戻ってきたな。水月どうするんだ、このままじゃ、魔法授業の単位あげれないぞ。」
「えっ、先生それだけは困ります。」
「そう言われてもな…じゃあ、週明けにもう一度テストをしてやる。」
「まじっすか。ありがとうございます。」
「ただし、テスト内容は基礎魔法を使って技を作ることだ。」
はっ、基礎魔法もろくにできない俺が…と呆然と立っていると、
「がんばれよ。」
そういった後、国白は去っていった。
「おい、先生…。」
放課後
「基礎魔法の技かー。」
独り言をつぶやいていると。
「おっ、基礎魔法もできんやつが、何で技なん。」
この背が高く、がたいの良いこいつは俺の親友の大原大地である。
こいつは基礎知識の成績はかなり下位だが、基礎魔法の成績はトップなのである。
「うわ、どこから現れやがった。」
「ひどいなー、帰ろうって誘いに来たのに。」
あっ、もうそんな時間か。
「で、基礎魔法の技ねー。」
「こんどの追試の内容なんだよ。ってか、お前確か技使えたよな。どうやって作ったんだ。」
「どうって言われてもな。基礎魔法を使っていたら、勝手にできたからな。」
これだからトップは…それじゃあ、わからねーよ。
「なにしてるん、そんなところで。」
「よう、恭子。」
このフワフワしているこいつは、柊恭子。
学園で1番モテる。夢と大地と同じ、幼馴染だ。基礎知識も基礎魔法も普通である。いつも俺はこいつら四人とつるんでいる。
「こいつの追試について、話してたんだ。」
「令、追試なん。」
「そうなんだよ、基礎魔法もろくに使えないのに技を作ってこいって…」
俺は顔をふさぎこんだ。
「うーん、確かに難しいかもね。けど合格しなきゃ鳳凰学園にいけないわよ。」
突然、夢が現れて言ってきた。
「うー、ほんとどうしよう。」
「まぁ、4人揃ったし、続きは家で考えろ。さっさと帰るぞ。」
薄情者ー。
「はぁ、ホントどうしよう。」
俺がしょんぼりしていると。
「まぁ、なんとかなるさ。」
適当な返事を、大地と夢がしてきた。
「お前ら、人ごとだと思って。」
「人事だもん。」
はもっていわれた。
そして、分かれ道にさし当たって。
「じゃぁー、またな。」
みんなそれぞれ自分の家へと向かって帰った。
まじ、どうするかな…ん、なんか光が浮かんでる。
「何だあれは。」
そう思いつつ、俺はその光につられて、山のほうへ向かって歩いた。
光は山の奥へと向かっていっている。
「どこまで行くんだこの光。」
その光は、草や木をよけながら洞窟へと入っていった。
「はっ、はっ、何だあそこに入っていったのか。」
俺も洞窟へと入っていった。すると、光の強い場所がある。
「何だ。光が強くなっていくな。」
さらに、洞窟の奥へと進んでいくとそこには、二匹の竜がいた。
「何だ。何で、こんなところに竜が入るんだ。」
「少年、われわれの姿が見えるのか。」
竜は驚いたように俺を見ていた。俺は頭の中が混乱していた。
「いや、見えるも何も…。」
「われらは、人間にばれない魔法をかけているはずなのに…。しかし、この場所が人間に分かった今 お前を生かしておくわけには。」
突然、竜は火を吐いて俺を襲ってきた。
「おい、やめろ。」
すると、火は俺の目の前でいきなり消えた。
「何だ、何が起こったんだ。」
俺は目の前で起きた出来事が飲み込めないままいた。
「何だ、もしかしてお前は無効化能力者か。」
「無効化…何だその能力は。聞いたことないぞ。」
「無効化能力。その能力は学園が作られるよりもまえの王家に伝わっていた能力だ。そして、消滅さ れた能力だ。しかし、無効化能力者なら我らの姿が見えるのも分かる。」
はっ、消滅させられた能力、王家の能力。何だそれ…
「何で消滅させられたんだよ。」
俺はちょっと苛立ちながら言った。
「その能力は、王家の血を持つものにしか受け継がれることはない。王家は闇の力によって、崩壊されて王家の血を継ぐものはいなかったはずなのだが、ここに…。」
はっ、さらにわけ分からなくなってきたぞ。王家、闇の力…そんなもの学校じゃ習ってないぞ。
「我ら竜はこの土地を守るラスト2匹なのだ。我らもともと王家に使えてきたんだ。他にも虎、犬、亀、鶴の守護者がいる。」
「何か、ドルフみたいだな。」
「あれは、我らの祖先が人間の姿をして戦ったのだだからそうであろう。」
「えっ、ドルフはお前たちみたいな動物なわけ。」
「我らは、動物ではない。守護神である。」
「そうなんだ。」
なんとなく、話はつかめてきたけど。なんだろうこの違和感。
「しかし、王家の血を引くものが現われるとはな。ワシも長生きしてみるものだな。」
ってか、もしかしてこの能力のせいで俺は基礎魔法が…
「…。」
「どうした、少年。」
「いや、ちょっとな…。この能力のせいで基礎魔法ができないことがわかってちょっとショックを。」
「そうか、ならその無効化を制御とまでとはいかないが、こいつに自分の魔法が使えるまでに鍛えてもらうといい。」
後ろから、話していた竜のミニュチュア版が現われた。
「こいつは、ワシの娘のジェイルだ。」
「…。」
「はじめまして、俺は水月令だ。」
手を差し出すと、
「パシ。」
手をはじかれて。
「人間なんて嫌いだ。憎しみあって殺しあって醜い…。」
そういうと、後ろの部屋へと入っていった。
「あいつは、人間嫌いなんじゃ。まぁ、ワシが制御の仕方を教えてやるから明日こい。」
「分かった。じゃあ、また明日来るな。」
俺は家へ帰った。




