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短編集  作者: 中津川由樹
3/3

メッセージの言葉

ポロリン、ポロリン


携帯が呼ぶ


僕は一秒とかからずチェックしてすぐに返事を書く



ポロリン、ポロリン

ポロリン、ポロリン



一時間に数件入ってくる僕の返事を待つメッセージ



ショックなこと、楽しかったこと

嬉しいこと、怒ったこと

悲しいこと、悔しいこと

困ったこと、笑えること


逐一、入ってくるメッセージたち



顔も名前も姿も知らない人たちが僕の言葉を欲しがる


僕は丁寧に親切に返事を返す



肯定する、否定する

落ち着かせる、急かす

宥める、怒る

笑う、悲しむ



でも言葉は言葉だ

僕の言葉は、僕の声じゃない


本当の声じゃない


ネットの海に放り出された言葉はいつから本当の声じゃなくなったんだろう


それともはじめからそんなものはなかったのかな?




ポロリン、ポロリン

ポロリン、ポロリン



僕は携帯を握りしめて、言葉を入力し始めたので、すぐにそんなことを考えていたことも忘れてしまった

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