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二度覚醒したモブの逆転無双 ~万年Fランク探索者の俺は、二度の覚醒を経てSランクをも超越し、鬼バズる~  作者: 豚汁


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ダンジョンの出現

 今から五十年ほど前の話である。

 それまで平穏だった世界各地に、突如として巨大な穴が開いた。

 地面に亀裂が走り、そこから異次元への入り口のような暗い洞窟が姿を現したのだ。


 人々はそれをダンジョンと呼んだ。

 最初に発見されたのは、アメリカのネバダ州砂漠地帯だった。

 直径十メートルほどの円形の穴が、まるで巨大な獣の口のように大地に刻まれていた。


 その後、世界各国で同様の現象が次々と報告された。

 ヨーロッパではロンドン郊外とパリ近郊に、アジアでは北京とムンバイに、そして日本では東京湾岸に最初のダンジョンが出現し、政府は緊急事態宣言を発令した。


 最初の調査隊が派遣されたのは、発見から三日後のことだった。

 軍事装備に身を固めた兵士たちが恐る恐る穴の中へと降りていく。

 そして彼らが発見したものは、まさに常識を覆す光景だった。


 ダンジョンの中に潜んでいるのは、まさにゲームや小説の中でしか見たことのないような異形の生物たちだった。

 緑色のゼリー状の体をしたスライム、鋭い爪を持つゴブリン、巨大な牙を剥き出しにしたオーク。

 まるでファンタジー世界から飛び出してきたかのような存在が、現実の世界に現れたのだ。


 人類は混乱に陥った。

 科学で説明のつかない現象に、世界中の学者たちが頭を抱えた。

 物理法則に反する生命体、説明不可能な空間構造、そして何より、これらの生物がどこから来たのかという根本的な疑問。


 しかし、人類には適応力があった。


 ダンジョンの中に入ると、人間にスキルが宿るようになることが判明した。

 これは段階的に発見された現象だった。

 最初の調査隊の中に、突然異常な身体能力を発揮する者が現れたのだ。


 一人の兵士は、素手で岩をも砕く怪力を発揮した。

 別の兵士は、暗闇の中でも鷹のような視力を得て、モンスターの動きを正確に捉えることができるようになった。


 科学者たちの調査により、ダンジョン内にはマナと呼ばれる未知のエネルギーが満ちていることが分かった。

 このマナが人体に作用し、潜在能力を覚醒させる触媒となっているのだ。


 スキルの種類は多岐にわたった。

 身体強化系では怪力、俊敏性向上、耐久力増強などがあり、感覚系では暗視、危険察知、魔力感知などが確認された。

 さらに驚くべきことに、一部の人間は魔法のような現象を引き起こすスキルを獲得した。火を操る「火炎のスキル」、傷を癒す「治癒のスキル」など。


 興味深いことに、スキルの発現は個人の適性によって大きく左右された。

 同じダンジョンに入っても、ある者は戦闘系のスキルを、別の者は探知系のスキルを獲得する。

 まるでその人の本質的な特性が、スキルの形となって現れるかのように。


 そしてモンスターたちは倒されると、必ず魔石と呼ばれる小さな結晶を残すのだ。

 この魔石は未知のエネルギーを秘めており、様々な用途に活用できることが判明した。

 エネルギー源として既存の化石燃料を凌駕し、医療技術として不治の病の治療を可能にし、そして何より高値で取引される貴重な資源として世界経済を一変させた。


 魔石の純度によって等級が分けられ、最高級の魔石一つで小国の年間予算に匹敵する価値を持つことも珍しくなかった。


 ダンジョンは依然として解明されていない。

 内部構造は迷宮のように複雑で、明確な階層が存在し、奥へ進むほど強力なモンスターが現れる。

 一体どこまで続いているのか、なぜ突然出現したのか、全てが謎に包まれている。


 科学者たちは様々な仮説を立てたが、決定的な答えは見つからない。

 異界からの侵攻説、古代文明の遺産説、神による人類への試練説、さらには地球外生命体の実験説まで。

 どれも推測の域を出ない。


 唯一確かなことは、ダンジョンが人類の文明を根本から変えてしまったということだった。


 そしていつしか、民間の中にもダンジョンに挑む者たちが現れた。

 彼らは探索者と呼ばれるようになった。


 最初は軍人や探索隊が中心だったが、魔石の価値が広く知れ渡ると、一攫千金を狙う者、名声を求める者、そして純粋に未知への探求心に駆られる者まで、様々な動機を持つ人々がダンジョンへと向かうようになった。


 政府も探索者の育成と管理に乗り出し、専門の訓練施設や資格制度を設立。

 こうして、ダンジョン探索は一つの職業として確立されていった。

 人類の新たな時代が、静かに幕を開けたのである。

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