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死生観3
私はこの職をおよそ20年ほど続けてきた。
しかし、刑を執行した数はよく覚えている。
8人。最初の者を含め8人である。
20年の中で人の死の瞬間を8人見届けることとなった。
それぞれの罪人の罪なぞ知らぬ。
私達はそれを知ることは許されなかった。
知ることで自らに余計な枷をつけることをよしとしなかったためだ。
2人目は若い男だった。
歳は私とさほど変わらぬ、30前半と言ったところだろうか。
彼は1人目と同じように、恐怖を我々に伝えようと躍起になっていた。
だが、彼は己の今後を察したのか、神父の言葉は私の耳に流れるように入り込んできた。
小刻みに聞こえる歯と歯が当たる音。
その音は後に来る音にかき消された。
私の心はこの時、酷く落ち着いていた。




