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死生観2
私がこの職に着いたのは26の時である。
犯罪者を監視し、その行動を統制する役目であった。
規律と秩序に囲まれた生活を送り、2年が過ぎた後刑の執行という役目に奉じることとなった。
最初の男は酷く恐怖していた。
なにかわけのわからぬことを騒ぎ立て、運んできた同僚の腕に噛み付く勢いであった。
我が国の刑は絞首である。
首に輪を通し、その後床を落とし、酸欠に苦しむまもなく失神させ、処理するのだ。
首に輪を通す前に神父から洗礼が捧げられる。
神父の言葉が聞こえぬほどに男は狼狽していた。
なんとも見苦しく、若い私には嫌悪さえ感じるものだった。
あの男の名前も罪状も、今では覚えていないが男の息遣い、目の動きだけは今でも鮮明に覚えている。
恐怖に歪み、病人のような、コヒューという乾いた呼吸音が脳にこびりついている。
ガタン!と大きな音が鳴る。
すぐその後に男の呼吸は消えるのだ。
音を鳴らしたのは私だ。
この音を鳴らすことが私の仕事なのだ。




