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【短編集】短い歌の恋  作者: 葛の葉


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8/9

涙降る 優しい顔の裏側が 幸せだけと誰が決めたの

前を向くと決めている。


夫がいて、子どもがいる。

それだけでなく出来ることは沢山あり、出来ないことを助けてくれる人もいる。


そんな恵まれた状況の中で、弱音を吐くのはタブーのように感じていた。


私の涙など、見たい人がいるはずもない。


悲しみの涙をこぼす時、私はひとりになるようにしていた。


涙の形のネックレスにそっと触れる。


下を向いたので、涙がそこにポトリと落ちた。ネックレスを伝い、私の指が濡れる。綺麗だ。


今まで涙を、まるで悪者のように感じていたのにどうしてだろう。

こんなに美しいものが流れている私の体が、とても愛おしく感じた。


後ろから、そっと肩に手を置かれた。私の手よりも大きな優しい手。


夫が優しい声で

「あったかいコーヒー淹れようか」と言う。


そうか、悲しい時に私をひとりにしないでくれるのか。

ひとりにしないでくれる人がいるのか。


涙が流れるたびに私の心は温かく、沢山のものが染み込んでいく。

悲しみの涙にも温度があり、それを流すたびに私の内側に奥行きが増す。

また、強くなる。


弱くても良いという強さがある。

そろそろ前を向こう。


「ありがとう」


笑顔は勝手に溢れた。

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