第92話 花園のタスク 3 《挿し絵あり》
テンポス城壁内の小道。
寺院の近くだ。二人で何度も歩いた道。
「イスト…全然レベル上がらないよね」
「…え?」
(違う、タルネはこんなこと言わない)
「イストは力が足りないと思う
オームの中で目立ってただけ
それもルストのおかげ」
(やめて!タルネ!そんなこと言わないでちょうだい…)
「わたしはシュンと一緒に行くわ
神座であるわたしに相応しい人だから」
(タルネ…ああ…あたしのタルネ)
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げえぇっ!!!
イストは嘔吐した。
全部自分の中にある気持ちだ。
それが自分に言ってくる。お前は未熟だと。
(あたしって、こんなコンプレックスの塊だったんだ…)
グゥン!
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お姉ちゃん…!お姉ちゃん!
ルストだ。
モヤの中からルストが語りかける。
「イスト、あなたは邪魔よ
なんでそんなに出来ないの?」
(許せない…お姉ちゃんにこんなこと言わせて…)
(………)
(自分が!許せない!)
イストは闘う。
いつでも闘ってきた。
これからも闘う。その覚悟が出来た。
(自分が弱いせいだわ、こんな花一輪に自分の思考を揺さぶられるなんて…)
(お母さん、お姉ちゃん…あたしのために働いてくれてた
あたしを愛してるからよ)
(村の人も、タルネも、みんな大好きなの…いくら幻覚だからってそんなこと…)
(絶対言わせない!)
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「イストやめて!!」
タルネの声だ。
横を見る。タルネがいる。
「タルネ、何?
今こいつを摘みとるところなのよ」
「待って、声がするの…」
「え?」
耳を澄ます。
ざわざわと風の音が聴こえる。
他には何もない。
ただ美しくさくバラが燦然とあるだけ。
「目を閉じて、イスト」
イストは目を閉じた。




