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第89話 光の色  《挿し絵あり》

「まず、あなたたち護りの光についてはどれぐらいわかるの?」


「シュンが出せます

おれも今は少しは出せると思うけど

中身までは何も知らないな」


「そうですね、集中すると少し体が光りますが、それ以外の事はあまりわからなくて…

パイスから物理攻撃の防御に有効だということだけ聞いてました」


二人は自分の知る限りの知識を伝える。正直テンポスで生活する限り、これ以上の知識を得る事は不可能だろう。


「なるほどね、ではあなたたちはいつも拍を使うときに道具をイメージするでしょう?

ライドンはドゥンバよね シュンはドラムセットを強く意識してるわね?」


うなずく二人。


「じゃあ今度はこうしましょう

護りの光自体をイメージしてみて

どうなるかしら?」


「え…」


「そんなこと考えたこともないです」


ジルは確信をもった顔で二人を促す。


「やってみなさい、どうなるかわからないけれど」


二人は自らの体から光が湧き出るところを懸命にイメージした。


目をつぶり、深く集中する。

自分の体の奥から輝く光。

イメージの中では成功している気がするが…。


二人とも目を開けてみた。

シュンからは黄金色の光が薄く発生している。

ライドンも緑がかった光が少しだけ体から出ているように見えた。


挿絵(By みてみん)


「出た…光だ

やった、少しだけど」


うなずくジル。


「護りの光だけをイメージすると、武器を出す時よりも、より光は出やすくなるの

ライドンは緑色なのね」


「おれはもっと違う色をイメージしてたんだけどな、シュンと同じで金色とかかっこいいなぁと思ってたんだけど」


「緑も綺麗だよ、すごく

この色って何か意味があるのかな?」


視線を落とし、少し考えるジル。


「光の色に関しては、ある程度研究が進んできているわ

同じ人でも日によって少し色が変わることもあったりして

どうやら個人の性格とある程度関係があるみたいなんだけど…ただ」

「黄金色って初めて見たのよ、シュン

あなた、やっぱり特殊な人だわね」


思いもよらぬ方向から、またしても変人認定された。


「師匠、こいつの事はもう異星人だと思った方がいいと思います」


冗談を言ったつもりが、正解を出してしまうライドン。


「異星人ねぇ…」

「まぁいいわ。とりあえずあなたたちから出てる光は非常に微弱なものよね。

それでもそうね…毒とか状態以上になりにくかったりするのよ

こないだの蜘蛛と戦っていたときに今くらいの防御力があれば、あそこまで惨敗することもなかったかもね」


「ジルさん、あの時の事は思い出させないでください」


シュンにとっては、まさにトラウマだ。


「あら、ごめんなさい

では次よ

あなたたち、もう光消えちゃったわね」


「師匠、そんなにずっと集中は続けられないですよ」


「そうよね

では、こんなことはできるかしら?」


「ドーツクターツドドーツクターツド」


(……あれ?)


「ドーツクターツドドーツクターツド」


(これって、ヒューマンビートボックスじゃないか?)


シュンにとっては自分の世界での表現と似ていて、懐かしくも嬉しくなった。

それにしてもジルのボイスパーカッションはとてつもなく上手い。


リズムを刻むジルの口からわずかに光が漏れて全身へと流れていくのがわかる。


挿絵(By みてみん)


「すげぇ…」


「見てないでやるのよ」


「やってみます

ドン タ トドン タ ド」


「シュン、あなた…

結構いけるわね」


「なんだよ お前、なんでそんなうまいんだ?」


「ドゥン タン ドゥドゥン タン」


不思議とリズムを口ずさんでいる間は、力が湧いているような気がしてくる。

シュンは再びジルの方を見た。

ジルの周りは黄緑色の光が煌々と輝いていた。

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