第79話 街道での戦い 《後書き、挿し絵あり》
「はあ、だいぶ頭に血が上ってたみたいだから冷ましてあげようと思ったんだけど」
狭い店内がザワつき始めた。
「どういうつもりだ?こんなことして、このおれをテンポスの律動師と知ってのことなんだろうな?」
ライドンの怒りはすでに頂点だ。少女でなかったら今ごろ手が出てるところだ。
「ふぅん、あなたこそ、このイーサップの街でスリルガン家の悪口を言うだなんて、ただで済むとでも思ってたの?
クロニアで王家の悪口を言うのと同じよ
不敬罪でしょっぴかれてもいいのかしら?」
「はっ、ふざけるなよ
公の場でもないのに市民同士が何を話そうが問題になろうはずがない
ましてや直接王家への弾劾なわけでもあるまいし
どうやらスリルガンはここではよほど増長してるらしいな、よくわかったぞ」
ライドンの言い方に少女の方もあたまにきたらしい。
「なんですって?
あのねぇ、よくわかってないようね
今の段階だと水をかけたくらいで済んでよかったわねっていう話をしてたところだったのに、
よほど懲らしめられたいのかしら」
これはまずい、テンポスでの諍いならまだしも、ここは他所だ。
人の家に来て喧嘩してただで済むわけがない。
ここは何が何でも止めに入らなくては…シュンは一瞬パイスを見た。
その瞬間、パイスは魚の切り身を口へと運んでいた。何事もないような顔で横目にシュンを見ていた。
これは…止めなくていいのか?
「ふん、なんだと?
懲らしめるって…お前の供回りはお婆さんが一人いるだけじゃないか?
どうしようって言うんだ?」
ガタッ。
少女が立ち上がった。
「表へ出なさい
この街に無礼なねずみはいらないわ
駆除してあげる」
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レントの前の街道は、割と多く人が行き交えるようになっている。
時間的にももう人通りも少なく、交戦するのにちょうどいい場所だった。
お店の中からは客たちがガラス越しにこちらを見ている。
「おい、どういうことだ?
お前、おれとゲームしようってのか?まさか」
「ふん、ゲームじゃないわ
あなたに勝ち目なんてないもの、粛清よ
武器を出しなさい」
ブゥン…!
赤髪の少女が先にドゥンバを出した。少し小型のもので、銅の部分に鷲のような鳥に二つの剣が掲げられたような柄の赤い紋章が彫り込まれている。
「マジでやるのか…
お前、ただじゃ済まないぞ」
ブゥン…!
ライドンもドゥンバを出した。
そのとき。
「フッ」
ブゥン…!
彼女の周りにシンバルが一気に3枚出現する。
それだけじゃない、右手にはスティックを持っている。
(なんだって…?)
シュンは自分以外でスティックを使う人間を初めて見た。
「まずいぞ…」
パイスがシュンの横で小さく呟いた。
いつも読んでくださりありがとうございます。
実は作品を完結まで書き終えました。
全110話となる予定で、あと30話程度で第一部として、一旦終了となります。
1日1話掲載ですから、あと30日。
残りの時間を使って挿し絵をたくさん作りたくて、今励んでいるところです。
わたしの個人的な感覚では、挿し絵があるとイメージを決めつけられるのが嫌で、無い方が圧倒的に好きでした。
おそらく読んでくれてらっしゃる皆様の中にも、わたしと同じく挿し絵が嫌いな方は多いと思います。
ただ、若い世代の子たちにマーケティングしたところ、圧倒的に挿し絵が支持されていること、この作品がコミカライズを目的としていることを踏まえて思い切って挿し絵を追加することにしました。
挿し絵はChatGPTとGeminiに描いてもらってるのですが、
AIとはいえ1枚2〜3時間は必要です。
酷いと50回とかリメイクしてプロンプトを作り直すのですが、クオリティーが低い作品はどうしても掲載したくないので諦めず頑張っています。
こだわった挿し絵をぜひ皆さまに見ていただきたいです。




