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第77話 レントにて  《挿し絵あり》

「いや、お前らに出させないよ

まあここは先輩を頼っていいぞ」

「カーク、お前は少し出せよな」


「えっ、旦那 そんな殺生な」


おどけるカーク。


「でもダルフ、だいたい単価はどんなもんなんだ?」


「ああ、治療院からほど近いレントってお店だ

まあ一人5,000クランは見越した方がいいだろ」


ダルフは思いのほか高額な回答をした。


「…旦那、おれはパスするぜ」


カークは本気で高いと思っているようだ。


「いいよ、出してやる 行くぞ!」


「ありがてぇ!ついて行きやす」


四人は意気揚々とイーサップの街へ繰り出した。


町はまだ戦後のバタバタで湧き返っていたが、それはそれで活気があるようにも見えた。

5,000クランが四人となると20,000クランとなる。

たったの1食でそれだけのお金が消えると言うのに、パイスは楽しそうだった。


パイスは独身男の楽しみなど、食べ物くらいだからなと皆に高揚の理由を語った。


レストラン《レント》は、案外こじんまりとした佇まいだった。

レンガ調の作りで、簡素な入り口におしゃれな看板がかけられている。

外側には、フライパンを模したような飾りがあり、味のわかる洋食屋のような雰囲気を醸し出していた。


ガチャ。

カランカラン。


「いらっしゃいませ」


小気味の良い明るい声が飛んできた。


白地の綺麗なシャツに黒いエプロンをつけた品の良い女性が案内に来てくれた。


「何名様でしょうか?」


「あぁ、4名だ」


照れながら受け答えするパイス。


「4名席ですと、もう空きが1つしかありませんね」


店内を見渡すと、テーブル席が6つ。

それにカウンターが4〜5席ある位で1つのテーブルを残すのみ、あとは埋まっているた。

テーブルに椅子にしろ、美しい白レースがかけられており、それだけで店の上品さが伝わってくる。


「どうぞこちらです」


案内され席に向かう四人。

可愛らしい女性がエスコートしてくれたのもあり、パイスはニンマリと上機嫌だった。

カークもニコニコ顔だ。

ライドンのみまだ昼間のことを引きずって仏頂面でいる。

シュンは出てくる料理が楽しみで仕方なかった。


「メニューをどうぞ」

「コースでしたら、本日のオススメはこちらになります」


・パジ茸と夏魚のマリネ

・寝ぼけクジラの燻製カルパッチョ

・黄金温泉卵

・ドラゴンスケアコンソメ

・星霜貝のスープ

・赤馬のステーキ白ワイン仕立て

・沙羅曼蛇炭火焼

・蝮魚のリゾット

・不老果実タルト


お一人様7,500クラン〜


どれを見てもシュンには興味深いものだった。

そもそも日本でもコース料理など食べたことがない。


「よし、せっかくだからみんなでおすすめのコースにしよう」


上機嫌のパイスはウェイトレスを呼ぶ。


ーーーーーーーー


果たして、そのメニューたるや格別な味わいだった。

全てが調和した味というか、非の打ち所のない洗練された品々。

シュンもこの世界に来て初めての味に舌鼓を打った。


「仕事はできなかったけど、イーサップに来て良かったな」


「旦那、ありがてぇ生きてて良かったと思えるくらいの味だ」


「パイスさん本当です、今まで一番くらい美味しいです」


皆に感謝してもらえて、パイスも奢りがいがあるというものだ。

ただ一人を除いては…。


挿絵(By みてみん)

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