第42話 タルネとシュン 《後書きあり》
オームの村には、ひらけた広場がいくつもある。
今日は天気もよく、まさに遊び日和だった。
テンピンズは、ボウリングによく似た競技だ。
ただし、倒したピンの数がそのまま得点になる。
それだけの、実にシンプルなルールである。
イストはよほど得意で、ストライクを連発していた。シュンの友達の間でもこれほどできる子はなかなかいなかった気がする。
ボールはボウリングのものよりひと回り小さく、木で出来ている。
どうやって作られたのか、意外と綺麗に丸い形になっていた。
ピンはこちらも木製のもので先っちょに穴が開けられている。
先端の穴からはヒモが通してあって、
上にある器具に結びつけられていた。
器具は、さらに上の方でまとめられていて、
二人が交互に投げ終わることにタルネが引っ張り上げてピンを直す形式になっている。
この手動でやるボーリングはなかなかに面白い。
1ピン1点だと計算もやりやすい。
タルネは最初の数回しかやらずに、投球するのをやめた。
シュンはまだタルネがピンを倒したところを見たことがなかった。
「疲れた…休む」
「ありがとうタルネ、私たちでピン戻しやるから休んでていいよ」
穏やかな雰囲気で時が流れていた。
シュンは異世界に来てから初めてのちゃんとした休息を得ることができていた。
同年代の若者と、こうしてみんなで遊ぶなんて。
しかも学校もないし、これって意外と幸せだな…シュンはそう思い始めていた。
イストとライドンの二人は、なかなかに本気で競い合っていた。
大人はこれにお金を賭けてやるらしい。
二人は賭けをしている様子はないが、それにしたって真剣だ。
「二人とも上手」
タルネは相変わらず口数は少ないが、楽しそうにしている。
切り株に腰かけていたシュンの真横に来てちょこんと座った。
「本当にそうだね、タルネもやったらもっと上手くなるんじゃないの?」
「私はダメ」
彼女らしく、間を置いた話し方だ。
「上手くなりたくないもの
あんな重い玉持ちたくない」
「ハハハ!
君らしいよ、それがいいと思う」
二人の間に、より一層和やかで親密な空気が生まれている。
「シュン、テンポスの律動連盟に入っても一緒に遊んでくれるの?」
なかなか可愛いことを言うタルネ。
「もちろんだよ、今日だってすごく楽しいしさ」
「よかった」
うふふと笑う姿に、
タルネは本当に可愛いなぁと、シュンは心底思った。
「もう足は大丈夫なの?」
「うん、普通に歩いても全然痛くない」
「あのさ、ちょっと相談したいことがあったんだけど」
シュンには気になっていたことが一つあった。
「なに?」
「レゾヌスの遺跡に行った理由ってさ、イストが手に入れたいものがあったからだろう?」
「それって何だったんだろうって
ほんとに宝石なのかな?」
「……何でもいいと思う
自分の力で何かしたいのイストは」
「ルストは何でもできた
イストは自分でもちゃんとできることを見せたい」
「ほら、テンピンズも自慢するでしょ」
シュンは感心した。
タルネは本当にイストの良い理解者なんだなあと。
「タルネ、ありがとう
ぼくらはもう仲間だろ?
イストのためにみんなで何ができるかな?」
「……」
しばらく何か考えている様子のタルネ。
「シュン…花園のタスク、わかる?」
「え、それって何?」
作者です。
いつも見てくださり本当にありがとうこざいます。
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より面白い作品を頑張って追求します。
さて、この度挿し絵を追加することにしました。
AIに描いてもらったのでちょっと変なところもあるかもですが、よりイメージが伝わればと思い、ひとまず第2話に足してます。
他にも随時作成予定ですので、ぜひ楽しみにしてください。




