第39話 筆記 2
「どういうことだ?ライドン」
ライドンは自信のなさそうな顔で恐る恐る二人を見上げた。
「信じてもらえるかわからないんだけど、
シュンは確かに女神様と会話できるんだ
神座を通じてやりとりしているところをこの目で見たから」
目を丸くするパイス。
ステラは明らかに疑いの目を持って見ている。
「ライドン、そいつは事件だぞ
なぜ報告しなかったんだ」
「いろいろありすぎて、それどころじゃなかったんだよ
ボスには言おうと思ったんだけど、聞く耳を持たない雰囲気だったから」
ライドンの言っいる事は正しかった。
ただ、これを信じてもらうのは、なかなか容易ではないなとシュンは思った。
「待ってくれ、シュン
なぜお前はそれについて一言も言わなかったんだ?
おかしいじゃないか、今すぐにでも民のためにその力を使うべきだろ?」
「いや、そんなに凄いことだとは思ってなかったので」
「あんたね、何なのさっきから?
女神様をなんと心得てるの?
あまりに無礼が過ぎると投獄するわよ」
シュンは今更思い出した。
確かにユウナはこの世界で自らが非常な敬愛を受けていると語っていた。
姿が小さく、あまりにも可愛らしかったので、どうしてもシュンには偉大な神として想像することができなかったらしい。
「でもなステラ、こいつの言ってる事は本当だぞ」
何とかステラをなだめようとするパイス。
「あのね、確かにこの街は嘘はつけないけど、思い込みって言うこともあるのよ
こいつの言い草は、とても信用するに足らないわ
むしろ、女神様に対する冒涜と私は捉えます」
「確かに使ってる武器は面白いけれど、そもそも実力だって足りてないじゃない
わざわざ特例で連盟入りさせるほどの何があるって言うのかしら?」
あまりの言われ方に肩を落とすシュン。
「ステラ、聞いてくれ
さっきも言ったけど、女神様とシュンが話しているところはおれは見てるんだ」
たまらず、ライドンが口を挟んだ
冷ややかな目線を浴びせ続けるステラ。
「そう、じゃあ女神様はどんなお姿をなさってたのかしら?
声はどんな声だったの?」
「いや、それは…
俺の方からは、シュンが一人で喋っていたようにしか見えなかったんだけど」
ため息をつくステラ。
「全く信用してないってわけじゃないんだけど、
今あなたを無理やり合格させる必要は無いわ
実力を磨いてからまた来たらいいじゃない」
「今起きたことはわたしからボスに報告するわ
女神様を冒涜したこと知ったら、どんなに怒るかしら
ライドン、あなたもただでは済まないかもね」
もう誰にも彼女は止められなさそうだ。
「あなたたち、もう帰っていいわよ」
言い捨ててステラは部屋から出て行く。
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…ほどなくして、ここにいてもわかる位、大きなボスの怒声が聞こえた。
「なんだとっ!」




