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第38話 筆記

聖拍院の中に戻ったシュンたち。

筆記試験は律動師たちの控え室で行うようだった。

白い壁の部屋にテーブルや椅子が無駄のない配置で整えられていた。


テーブルにつかされ、紙を数枚渡される。

最初にテンポスの街に入る際に出会ったおじさんから渡されたものよりは、ずいぶん白みが多く、上質な紙に思えた。


「15問ほどあるからな、普通に答えてくれ」


「あの、僕は字が書けないんですが」


「あれ、そういえばそうだったっけ?

でも、お前文字が読めてるじゃないか」


ライドンは鋭く突っ込んできた。


「そうだよね、不思議なんだけどさぁ…はは」


(これは本当に不思議だから、全く嘘は言っていない

でもそう考えると、おれって本当に変な奴じゃないか?)


「お前って本当に変な奴だよな」


ライドンはシュンが思った通りのことを言った。


「字が書けないのか、まぁそんな奴もいっぱいいるからな

うちの律動師でも、全員が読み書きできるわけじゃないしな」

「むしろここで覚えていったらいいんじゃないか?」


(ライドンもそうだけど、パイスも仲間と見ると本当に優しくなるな)


「お願いします

今日のところは口頭でもいいですか?」


「もちろんそれでかまわん

では、行くぞ

第1問」


「クロック王国の王

グレディモール・ド・クロックは

なぜ有名になった?」


「…ええと」


隣のライドンはすでにハラハラしている。


「わからないの?」


ステラは怪訝な表情だ。


「そうですね…税金を安くした?」


「違うぞ」


当てずっぽうでは正解するわけがない。


「ごめんなさい、わかりません」


「嘘だろ…」


パイスも開いた口が塞がらないと言った感じだ。


「まあ、では気を取り直して

第2問」


「テンポスはクロック王国以外からも特別な街として見られている、それは何故か」


「それはわかります!嘘がつけない街だからです」


正解がわかり、ハキハキと返事をするシュン。


「嘘がつきにくいということな

だが、答えは違うぞ、他にもあるだろ」


「え、それは…」


思わず口籠もるシュン。なかなか思うようにいかない。


「わからないのかよ?

よし、じゃあもっと簡単なやつ行くぞ」

「第3問

この世のはじまりは、誰が何をした?」


「この世の始まりですか?

それはですね… 」


ステラはイライラを通り越してしまったようだ。


「いい加減にしなさいよ、ふざけてるの?」


「あ、待ってください!

シュンは実は記憶喪失なんです」


たまらず、ライドンがフォローに入った。


「なんだと?それじゃ自分がどうやってここに来たかすらわからないってのか?」


驚くパイス。

ステラは口をひん曲げている。


「そうなんです

生まれた街のトーキョーの事は少しはわかるのですが… 」


「そうだったのか、それじゃ答えようがないか

まいったな、ちなみに

第1問の答えは、女神様にお会いしたこと

第2問の答えは、女神様が顕現した記録があること

第3問の答えは、女神様が大地と空、海をお作りくださり

その後、我々人間をお作りになったのだ」


「え、そうなんですか?

待ってください、女神様に関わる問題でしたらある程度わかると思います」


「そうなのか?

よし、では、後半の問題から出すぞ

第8問女神様の好きな食べ物は?」


「わかりません」


「りんごだ」


「第9問女神様が愛されている動物は?」


「わかりません」


「にゃんこ様だ」


「第10問女神様のご趣味は?」


「…わかりません」


「編み物だ」


「第11問女神様の…」


「やめなさい

もうだめよ、こいつ」


吐き捨てるステラ。

どうやら、彼女の堪忍袋の尾が切れてしまった。


「まずいなぁ、ボスになんて言おうか…」


「すみません」


落ち込むシュン。恐れていたことが起きてしまった。


「あの、でも…」


ライドンが何か言いかける。


「何なのよ」


鋭く言い放つステラ。


「こいつ、女神様と会話できるんだよ」


「……なんだ(です)って!?」

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