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第35話 仲間たち

ボスが来るまでの間、シュンは温かい病院のご飯を食べることにした。


パイスは退室し、そこは四人だけの空間になった。


卓上にはコーンスープに薬草がゆ、パンもある。

ライドンがシュンの好きそうなものを用意してくれた。


「ライドンはこのあとどうするんだ?」


「わからない、でもとりあえず休もうかな

お前もギルドに預けてるお金が結構貯まってるだろ、多分3〜4日は休んでも全然問題ないよ、遊ぼうぜ」


(異世界の遊び…めちゃめちゃ興味ある!)


「いいな〜お金がある人は」


椅子に座りながらぐっとそり返るイスト。


「イスト…お金ある…くせに」


「もうっ!タルネ!」


イストはからかっても大丈夫なくらいに打ち解けていた。


「じゃあさ、みんなでテンピンズをやりに行きましょうよ」


悪い顔を浮かべるイスト。


「イスト…ズルい」


「何よっ!テンポスではみんなやってるじゃない」

イストは自分の得意なゲームをやりたい雰囲気らしい。


「おれも得意だよ、やりに行こうよ」


ライドンは慣れてるような口調だ。


「それってなんなんだろう?」


「さすが記憶喪失男、

テンピンズ知らないのね

簡単よ、玉を投げて10本のピンを倒したらいいだけなんですもん」


「え、それってボウリングじゃ…」


「ボウリング…?

聞いたことないな、シュン、トーキョーじゃそんな呼び方だったのか?」


「あ、そうだね!

うちは田舎だからそんな名前で呼んでたな…」


(危ない危ない…)


コンコン。


ノックの音がした。

みんなハッとする。ボスだ。


ガチャリ。

ゆっくりとドアが開いた。


瞬間、ライドンは直立不動の体勢になる。


ボスは今日も手入れの行き届いた髭を蓄え、悠然とこちらへ歩いてくる。

身長は幾分か隣のパイスの方が大きいはずだが、威圧感は上をゆく。


「いいかな?」


椅子に手をかけるボス。


「はいっ!」


ライドンは勢いよく返事をした。

シュンはまだベッドに横たわった状態だったが、背筋はピンと伸びている。


「ライドン

今回のこと、救援が遅くなりすまなかったな

そして、オームの二人」


ボスはイストとタルネの方へ視線を向ける。


「あなたたちを侮ったこと、申し訳なかった」


頭を下げるボス。

イストは逆にかしこまっている。


「ときにシュンくん、君は相当面白い武器を持っているな」


「えっ、ドラムセットのことですか?」


頷くボス。


「そうだ 他国では足も使って戦う律動師がいるとは聞いたことがある

だが、実際に目にしたのは初めてだ」

「そして、実力もなかなかに使うと聞く」


「いえ、そんな…

今回は足手まといでしたし…大したことないです」


ニヤリとするボス。


「謙遜するな、話というのは、

君をテンポスの連盟律動師として迎え入れたいということだ」


ライドンの目はきらりと輝いた。

意外な内容に、シュンは驚きを隠せない。


「そんな…それはとても嬉しいことです

でも、ぼくは試験を受けるにもお金をあんまり持っていないので…」


シュンは少し俯いた。


「受験料か、それは免除になる」


顔をあげるシュン。


「え、免除って…」


「ライドンもそうだったが、連盟側からの希望の場合は金銭は発生しない」


「あ、それは…本当に嬉しいですが…」


申し訳なさそうにイストの方を見るシュン。

イストは意地悪な表情を浮かべていた。


「なによ、別にいいんじゃない?

向こうがそう言ってくれてるんだし」

「あんたはタルネの命の恩人でしょ?

あたしが嫌味なんか言うと思う?」


「そうかな」


バシッ!

イストはなかなかのスピードでシュンの肩を叩いた。

たしかにこの力があればボウリングは強いのかもしれない。


「ただな、一応試験だけは受けないといけないんだよ、

お願いできるか?」


「はい!ぜひやらせてください!

どんな内容なんですか?」


ボスは髭をしょりしょり触りながら言う。


「なに、大したことはない

ちょっとした実技試験と筆記試験だけよ」


(筆記試験…?)


「あの、筆記試験というのはどんな?」


恐る恐る聞くシュン。


「社会の一般常識みたいなもんじゃ

一応連盟は世界的な規模だし、変な奴を入れちゃだめっていうルールがあるからな

まあ、簡単簡単」


ボスは余裕の表情を見せてくれている。が、


「終わったわね」


イストがニヤニヤしながら言った。



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